オフショア教科書社内輪講会

Offshoretext_seminar2009
今朝は、東京都内の某所・某社にて、オフショア大學指定教科書を用いた初めての社内輪講会を開催しました。参加者は10名ほど。

拙著「オフショアプロジェクトマネジメントSE編」と「オフショア開発に失敗する方法」を題材に、オフショア開発の具体的なノウハウや技法を学ぶ社内勉強会です。

詳しくはこちらの案内チラシをご覧ください(PDF: 202KB)。

そういえば、今日はアイコーチ株式会社の設立記念日です。
おめでとうございます。
船上でお祝いパーティーしたいな。

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PDCAマネジメントサイクルが回らない改善下手な中国人

次の事例を読んで、後の設問に答えなさい。

<ある日本人マネージャからの相談>

中国オフショア開発プロジェクトの終盤、日本側で品質改善の対策会議を開きました。そこで問題を分析して、日本側で反省すべき点と中国側で反省すべき点をそれぞれ列挙しました。

対策会議後、中国オフショア委託先のキーパーソンに「報告された問題の原因を分析して、再発防止策を報告せよ」と依頼しました。ところが、中国からは、

「この問題は修正済みです」
「申し訳ありません。すぐに対応します」

などと見当違いの回答が寄せられます。私は慌てて、こう付け加えました。

「責任追及ではなく、再発防止策のために問題分析して欲しい」

ところが中国からは、相変わらず対処療法的な回答しか得られません。困った私は、同僚のオフショア経験者に良い知恵はないかと尋ねました。すると、次の助言をいただきました。

「中国では、 WHY(なぜ)を何回も自問して、問題の根本原因を探るような改善活動は好まれません」

これが本当なら、中国オフショアチームはいつまで経っても成長しません。

評価と報酬マネジメントによる改善活動の促進については、 今夜のオフショア開発勉強会にて(7/14東京・錦糸町)

■問いかけ

<問1>
中国オフショア拠点では、問題の根本原因を探って地味に改善する手法は好まれません。すなわち、中国ではPDCAマネジメントサイクルが回りません。これは本当ですか?(Y/N)


<問2>
中国オフショア拠点で、PDCAマネジメントサイクルがうまく回らない根本原因を分析しなさい。


<問3>
問2の答えを踏まえて、中国オフショア拠点でPDCAマネジメントサイクルを回して、地道な改善活動を定着させる有効な対策を考案しなさい。

回答例:オフショア拠点で公式にアンケート調査を実施すると、ほとんどの場合は日本人の感覚よりも常に高い評価が返ってきます。その原因は不明ですが、公式アセスメントでは外国人従業員の本音は拾えません。そして、これが、オフショア開発でPDCAが正常に回らない大きな原因の1つとなっています。

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婉曲表現とタテ社会

●オフショア教科書執筆チームより。


・日本人は、良い返答を期待しないでという意味で「検討します」とお茶を濁すことがあります。日本の商習慣に疎いブリッジSEは、文言通り「YES」を期待して待ち続けることがあります。日本人は“No”と言えない・言わないと外国人から呆れられますが、実際には“No”と意思表示しているのに相手に気付かれない状況も多々ありそうです。互いに相手を気遣っての言動なのに、習慣の違いからそれが裏目にでる事もあります。


・中国語でも、相手の気分を害さないよう表現を遠まわしにする傾向もあります。例えば、相手のミスを直接言わず、遠まわしに言うような感覚は、中国語ネイティブも持ち合わせています。公の場などでは「尊敬的~」という言い方をし、相手を立てる表現をすることもあります。ただ、一般的に、自分の上司に対してこのような表現をすることは日本のようには多くありません。


・中国人も、断るときは、直接の表現ではなく婉曲表現を多用します。文字通りで理解せぬこと。例えば「研究」。


・ベトナム人は、互いに名前(ファーストネーム)を呼び合います。日本人の感覚で名字ばかりを連呼されると、大勢がいる場では誰を指しているのか分からず困惑してしまいます。最悪の場合、日本人に不信感を抱くことすらあります。


・あるフランス人上司が日本人の部下に対して、その部下がよくやるフランス語の間違いを紙にまとめて渡したら、とても反発されていました。フランス人上司としては、その人のフランス語上達に繋がれば、と善意でやったのかも知れませんが、日本人の部下にとっては、「もうこれだけ頑張って外国語であるフランス語を使っているのに、全然認めてもらえない」という不満があったのだと思います。


・インド人ネタは、今月のオフショア開発勉強会にて(7/21東京)


■問いかけ

<問1>
日本語、中国語、ベトナム語それぞれの婉曲表現の度合いを5段階で示しなさい。レベル1=最も直接的、レベル5=最も婉曲的。

・日本語  =(       )
・中国語  =(       )
・ベトナム語=(       )


<問2>
社会学に縦社会と横社会という用語があります。カタカナでタテ/ヨコと書く方がしっくりくるかも。ヨコ社会を「横並び社会」と書くと、また違った印象を受けます。

日本、中国、ベトナムそれぞれの「タテ社会」の度合いを5段階で示しなさい。レベル1=最もヨコ的、レベル5=最もタテ社会的。

・日本  =(       )
・中国  =(       )
・ベトナム=(       )


<問3>
ある国の婉曲表現の度合いと社会のタテ/ヨコの度合いは、何らかの相関を示すと思いますか(Y/N)。

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現地化の布石となる3つの基本指針

これまでの中国オフショア企業統治
オフショア拠点の規模が大きくなると、同じ会社にスポットライトが当たる華やかな高給取りの設計者と、地味で低賃金な保守運用/テスタ/業務系オペレータが混在するようになります。 これまでの中国企業では、社内の組織を機能毎に分断して、互いの接触をなくするよう分割統治してきました。規模の割には相乗効果を発揮できないのが難点です。
(オフショア大學)

「新卒で入り、定年まで勤め上げる」という意味の終身雇用がないオフショア現地法人では、日本本社よりもメリハリの利いた人事マネジメントが必要です。

経営の観点では、オフショア現地法人の課題は「現地化」です。海外法人の現地化は、親会社からの自立と自律、並びに親会社からの権限委譲によって実現されます。

現地化の布石となる3つの基本指針を論じます。

(1) 人事制度の透明性

役職に付随する権限、昇進昇格の要件を社内中に周知。昇進や昇格の願いが叶わなかった従業員には、その理由を論理的に説明できる体勢を整えておく。
いつまでも、日本人駐在員が人事権を握っていると、駐在員にへつらう者ばかりの集団に成り下がります。そこで、早い時期から、日本人駐在員から現地幹部社員への権限委譲を計画します。

(2) 「      」
(3) 「      」

・・・(2)と(3)は、今月のオフショア開発勉強会にて(7/21東京)

■問いかけ
今後、オフショア現地法人の統治機構を設計する前提条件が徐々に変化するとオフショア大學は予測します。

第一は、「短期成果」一辺倒から、長期成果も考慮。
第二は、「数値結果」一辺倒から、職場の質や人間関係を重視。

そして、オフショア現地法人は、2つの対照的な競争環境にさらされるようになるでしょう。

第一は、より競争的な対日オフショア部隊。
第二は、より安定的な内需部隊(例えば中国IT需要)。

オフショア拠点の現地化の出発点は「人事制度の透明性」ですが、とんちんかんな人事制度を透明化しても意味がありません。むしろ悪影響すら懸念されます。

<問1>
オフショア企業統治の前提条件が変化しつつあるとの仮説を受け入れたとき、積極的に透明化すべき人事制度・人事慣習・報酬制度の項目を挙げなさい。

<問2>
オフショア企業統治の前提条件が変化しつつあるとの仮説を受け入れたとき、今後見直すべき人事制度・人事慣習・報酬制度の項目を挙げなさい。

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知らない協力会社を視察案内する準備と度胸

未知の取引先の道先案内人に指名されました
来週、日本の本社から偉い人々が現地法人の取引先を視察するためにやってきます。私が案内役に指名されました。正直、この取引先のことをよく知らないのですが、どんな点に注意すればよいでしょうか。
(中国駐在員)

オフショア教科書執筆チームより。

日本から偉い人を招いた視察案内のコツを2点挙げます。

第1に、日本人視察者の目線で資料を事前準備することです。例えば、視察予定企業から提供された会社パンフレットをそのまま渡すのではなく、視察者が興味を持つような追加情報(訪問企業の主要経営データと市場平均との比較など)を必ずまとめておくこと。

第2は、視察先の十分な下調べです。例えば、視察当日のこんな作法は不合格。案内役が視察企業の受付にたどり着いた時、おもむろに部下が作った取引先名簿を取り出し、自分の名刺を片手に持ちながら訪問先の担当者名を呼び出します。こんな状態では、視察先と案内役の付き合いが浅い関係だとすぐにばれてしまいます。

日常の接触は部下に任せていても、前日までに自分でも訪問しておいて受付や相手先担当者に自分の顔と名前を覚えてもらいたいところ。さらに、会議室の位置まで覚えておき、当日は何食わぬ顔で視察者を道案内してあげます。

偉い出張者を頻繁に迎える駐在員や現地スタッフは、一夜漬けもいいので最低限の準備を整えて、かつ、こうした影の努力を表に出さない度胸を身に付けたいものです。

・・・この続きはこちらから「出張者と駐在員問題

■問いかけ

視察後、案内役が即座にとるべき行動を全て挙げなさい。

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担当者もオフショア発注金額で査定評価される

次の目標設定の問題点を具体的に指摘しなさい。

 <よくある今期目標設定>
 今年度中にパイロット案件を2件立ち上げて、
 中国オフショア開発の可能性を見極めます。

オフショア開発の目標設定では、3つの側面を考慮します。

・期日 「いつまでに」「いつから」の目標
・業績指標(ベクトル)「何を」の目標
・水準(レベル)「どのレベルまで達成するか」の目標

さらに「手段(どのようにして)」を目標の一部に加える組織もありますが、試行錯誤を避けられないオフショア開発ではあえて設定しなくても構いません。前出の“よくある今期目標設定”の問題点を指摘します。

期日目標 → 「今年度中に・・・」OK
業績指標 → 「可能性を見極める」甘い
水準設定 → 皆無

例えば、以下はオフショア開発でよく聞く業績指標の例です。

・グループ単価と比べて安くできるか
・エンジニアを大量に確保できるか
・日本語が出来なくても構わないから先端R&Dを任せられるか、
・日本語が堪能なブリッジSEがたくさんいるか
・日本並みのセキュリティを確保できるか
・テスト工程の力量がある

まず、このような業績指標をすべて洗い出します。次いで、それぞれを定量評価するために目標水準を設定します。

<例>グループ単価と比べて50%減なら合格。単価50~30%減なら再調査、それより悪いと不合格。

最後に、各社の事情にあわせて、それぞれの業績指標を重みづけします。

<例>金融系の顧客が多いので、我が社では人月単価よりもセキュリティ面を重視します。

前出のよくある目標設定には「パイロット案件を2件立ち上げ」と明記されています。業績指標の水準を測る適切な数値目標のような気がしますが、単なる手段に過ぎません。目標と手段をはき違えないように。

■問いかけ

トップ自ら積極的にオフショア推進運動を展開する中堅SI企業から、次のような相談を受けました。

オフショア開発を担当する主任クラスにも、
オフショア発注金額を人事査定指標に加えたい。
どう思いますか。

あなたなら、どう答えますか?

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中国グローバリゼーションセミナー/研究会の7月開催のご案内

この記事は「号外PR版」です。読者の皆様にお役立ちすると思われる情報を不定期でお届けします。今日は、中国オフショア・アウトソーシングに関する専門家の講演を案内します。

テーマは、グローバリゼーションと中国BPO。

BPO(Business Process Outsourcing)とは、コールセンター、給与計算、データ入力などの間接業務を外部委託することです。業務系アウトソーシングの話題は、永続活動が前提となる「ラボ契約」を推進する企業や「保守業務のオフショア化」に興味がある方は必見です。

第二回中国国際アウトソーシング大会(2009年6月/南京開催)で日本代表として講演した中国BPO第一人者、海野恵一が主催する 「グローバリゼーションセミナー/研究会」のご案内(無料・30名限定)

中国BPO事業の第一人者である海野恵一は、欧米企業がアウトソーシングを推進する目的を4通りに分類します。

(1) コスト削減
(2) コア業務の競争力強化
(3) ノンコア業務のサービスレベルの向上
(4) ノンコア業務の迅速な立ち上げや規模拡大

ブログ管理人のオフショア大學 幸地司が、ベストセラー『本社も経理も中国へ』(ダイヤモンド社)著書で、
元アクセンチュア社長、中国BPO企業を率いる海野恵一さんに聞きました。

――中国にオフショア・アウトソーシングすれば、なぜコスト削減につながるのでしょうか?

●アウトソーシングが解決しようとする課題は、コスト削減やビジネスのサービス水準の向上です。これらは、対象範囲を削減する、品質レベルを定義する、価格を再設定する、利害関係者と再交渉する、社内のコスト構造を再構築する、などが含まれます。

上記の「対象範囲を削減する」とは、ずばり仕事内容の削減を意味します。幸か不幸か、日本人の仕事を中国に持っていくと、少なくとも30%は減ってしまいます。

日本人はサービス精神が旺盛で、もともと職務分掌をきちんと書かないし、業務フローも書きません。仕事内容を削減するというと、反射的に拒否反応を示す人もいますが、日本企業では仕事の範囲を明確化するだけで、誰も苦しむことなく約3割も余分な仕事が減らせます。

日本人のおもてなしの心や誠実さを失う必要はありませんが、過剰品質と揶揄される「やり過ぎ」の部分は、第三者から指摘を受けない限り自覚する日本人はほとんどいません。

渡辺さんの仕事を100% 陳さんに引き継ぐとなると、そうした仕事の内容が浮き彫りになってしまいます。

オフショアリングは「労働の鞘取り」と言われており、先進国と発展途上国との賃金格差からそう表現されます。

「標準化による過剰品質の抑制(約3割削減)」
「労働の鞘取り(1/3以下)」

この2つの理由から、中国オフショアリングによりコスト削減の効果が得られるようになります。


――中国でもシステム保守を日本品質に保つことはできますか?

●顧客対応の日本語コールセンター業務を中国移管すると、情報システム利用者への問い合わせ対応品質は、以前より低下すると思われます。第一に、言語や文化が違う地域に日本語業務をオフショアすると、どうしても日本企業が求める品質水準には達しません。特に、品質が問題となるのは、外部向け一般顧客に対応するインバウンド業務です。

かつて、我が社(スウィングバイ2020)は大連で、日本人オペレーターによるコールセンターを運営していました。今から振り返るに、中国で日本人を採用することは、どのような形であっても不自然であると思います。インターンシップ採用なので、社員の給与は安かったですが、総コストは中国人のそれよりも遥かに高くつきました。

自社で運営して、初めてそういうことに気付きました。我が社では、顧客と中国人BPOスタッフが直接電話でやり取りしていますが、これは顧客担当者が限定されていて、かつ、相手先が中国人スタッフであることを予め承諾してもらっているからです。

事前に適切な対策を講じれば、中国人スタッフによる電話応答でも、大きな問題は発生しません。近年、中国人の日本語能力は飛躍的に向上しているため、不特定多数に対するコールセンター業務がまた復活するかもしれません。ひとえに日本人顧客のサービスに対する費用対効果の考え方次第だと思います。


――これからも中国オフショア事業は安全ですか?

●カントリーリスクの高い国においては、現地法人を設立する際に固定資産を持たないで、全て変動費化することでスタート時のリスクを回避もしくは軽減することができます。今の北朝鮮の平壌の開発区がそれに該当します。撤退リスクを考慮します。

中国では一昨年あたりから、工場の操業に対する税制上の優遇措置が段階的に廃止されました。一方では産業の高度化政策に伴いBPO の優遇政策が大連などで打ち出されています。こうした政策は、現地で仔細に検討しないと何がベストか把握できません。


――海野さんは、2009年6月21日~25日、中国南京で開催された第二回中国国際アウトソーシング大会に日本代表として招かれ、英語でスピーチをされたそうですね。大会の様子を教えてもらえますか。

●本大会には、海外からも大勢の人が来ています。私は幸いにも、国貿促の片寄専務理事のおかげで、初日の総会で各国の代表の一人としてスピーチをさせてもらえることになりました。今回の目的は、中国で我が社を認知してもらうこと、ならびに、私のグローバリゼーションの考えを中国人に理解してもらうことです。

大会に先立ち、盛大な歓迎宴が開催されました。びっくりしたのは、中国江蘇省人民政府副省長の張衛国氏をはじめ、たくさんの役人の腰の低さです。これが中国かと言う感じでした。

大連市政府の方にはよくお会いしましたが、江蘇省は久しぶりでした。この一年で、こんなにまで人も変わったのかと言うこと。日本の役人は、外国からの客をここまで接待できないでしょう。

今回の主賓の1人であるシンガポールのEng Boon LAUさんは、私のことを知っていました。以前シンガポールで大臣をしていたチェンさんの友人で、私の話を聞いていました。奇遇でした。

NEUSOFTのアメリカの社長であるWalter Fang氏をはじめ、数人の外国人は極めてレベルが高く、また中国人でも目を離せないぐらいの変化がありました。

まだまだ、BPOにおいては中国人はひよっこですが、とんでもなく変化してしまいそうでした。日本人はこうしたイベントには関心がないと思っていましたが、私と同じような危機意識を持ってBPOが企業のグローバリゼーションを促進できると言う人が幾人かいました。私だけの考えではなかったようです。

中国のアウトソーシングは今が黎明期で、日本に関心を寄せる外国人も何人かいました。そのうちの2人が香港在住なので、近々訪問して仔細の話をしてこようと思っています。

中国が世界の工場から高度産業であるアウトソーシングビジネスへの変革へと舵を切っていることがよくわかりました。中国の変革の真っ只中を垣間見ることができました。日本だけが取り残されるのではないかという危機意識はさらに強まりました。もうアジアには、日本がいないと言う認識はこの場においてははっきりと言えました。


 本当のグローバリゼーションの凄味を知りたい方は、
 早速この無料セミナーで学びましょう。

 「中国BPOによる本社のグローバル化セミナー」
  2009年7月10日(金) 14:00-17:30
  芝弥生会館(東京都港区)
  http://www.seminar2020.jp/seminar.html

追伸:
2009年7月4日(土)開催のチャイナリスク研究会には、わたくし幸地も参加します。同研究会は、海野恵一氏がボランティアで主宰する中国全般の話題を扱う座談会です。

最近は、中国政府が民間主導の経済活動に積極的に介入する姿勢が伺えます。中国政府は公共事業的な発想でIT雇用を作り出そうとする一方、中国人プログラマの過剰供給が目に余ります。この辺の話題をざっくばらんに議論したいと思います。

チャイナリスク研究会(7/4・東京都中央区)

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低成長時代にオフショア推進する意味

not only 原価削減 but also 新規事業創出

素朴な質問です。オフショア・アウトソーシングを単なる原価削減としてではなく、新規事業を創出させる有力な手段として考えられませんか。
(第32回オフショア開発勉強会の2次会にて)

昨夜は、東京代々木にて第32回オフショア開発勉強会が開催されました。

テーマは「案件切り出しとリスクアセスメント」。

極めて興味深い内容だと自信満々でしたが、蓋を開けてみると参加者は僅か4名。事前に「残念欠席」を表明された方が4名いましたが、意外な低反響に「景気回復による残業増加か?」と妙に勘ぐってしまいました。

でも、なぜか2次会から参加したいとの問い合わせが複数ありましたので、いつものお店で23時過ぎまで盛り上がりました。そこで、ある参加者が発した何気ない問いかけが前出のセリフです。

中国BPO事業の第一人者である海野恵一は、欧米企業がアウトソーシングを推進する目的を4通りに分類します。

(1) コスト削減
(2) コア業務の競争力強化
(3) ノンコア業務のサービスレベルの向上
(4) ノンコア業務の迅速な立ち上げや規模拡大

日本のオフショアリング推進に関する議論では、これまでは常にコスト削減と要員確保の二大目標が掲げられてきました。

コスト削減は、標準化と人件費の鞘取りによって実現します。要員確保は、「日本は上流、オフショアは下流」という棲み分けを目指します。


もう少し日本型オフショア開発の経営的意味を掘り下げます。

経済全体が右肩上がりで伸びない環境では、アウトソーシングは従業員配置(人材ポートフォリオ)の見直しを意味します。つまり、アウトソースされる側の従業員の多くは、配置転換や転職を迫られます。

 従来:業務拡大により人員募集します
 現在:予算圧縮により既存業務を外注化します

従来型は、仕事全体のパイが増えた分を外注化します。景気後退期に仕事が減れば、外注を切って供給力を調整します。ところが、現在の景気低迷期は、仕事全体のパイが増えないのに既存業務を外注化します。と言うことは、既存業務の従事者の居場所がなくなるはずです。

例えば、日本人プログラマはより上流工程へ進出します。日本人SEは、厳格な設計書づくりと科学的な品質保証を遂行する能力が問われます。

日本人プロジェクトマネージャは、即席の多国籍混成チームを機能させるためのに業務や責任を可視化する能力とリーダーシップが問われます。

日本人営業担当は、顧客要望をコンテンツ化する能力やプロジェクト環境の変化を数値でモニタリングする監視力、さらに、初めて会う全く異質な人ともガチンコで一発勝負できるコミュニケーション能力が問われます。

低成長時代にオフショア開発を推進すると、日本人従業員が持つ以下のスキルは次第に市場から評価されなくなります。

・プログラマ=平均的なコーディング能力
・SE=最後は徹夜でも何でもして死ぬ気で納品する根性
・PM=組織や会社などの看板に依存した調整力
・営業=長期取引を前提とした顔見知り顧客との癒着力

※コーディング能力が不要になるという意味ではありません。パソコンスキルと同じ程度の扱いに落ち着くという意味です。つまり、平均的なコーディング能力はあって当たり前だけど、決して十分ではないという扱い。


■問いかけ

<問1>
あなたは、次の意見に賛成しますか?

やがて、日本人従業員の下記スキルは評価されないようになる
・プログラマ=並のコーディング能力
・SE=最後は徹夜でも何でもして死ぬ気で納品する根性
・PM=組織や会社などの看板に依存した調整力
・営業=長期取引を前提とした顔見知り顧客との癒着力

<問2>
オフショア開発勉強会の歴史を振り返ると、これまでアウトソーシングの教科書に載っているような「コア業務、ノンコア業務」というセリフをほとんど聞いたことがありません。私も、コア事業に関する議論をふっかけたことは、ほとんどありません。

いったいなぜでしょうか。

欧米型アウトソーシング(教科書的なアウトソーシング)と日本型オフショア開発の違いに着目して、この問いに答えなさい。

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サービス水準を意図的に低下させる慣行

SLA(Service Level Agreement)とは

SLAとは、顧客とサービス提供者との間で取り決めたサービス水準の合意書です。サービス範囲、優先度、責任、保証、瑕疵担保に関する合意を交わします。サービス水準は、目標値や最低限、組織のパーフォーマンス水準を示す測定可能な平均目標値などで設定されます。

必ずしも中国に限った話ではありませんが、オフショアアウトソーシングを長く続けていると、いつの間にかサービス品質が低下する現象が確認されています。

これを、夫婦の倦怠期やマンネリ化に喩える人がいますが、間違った問題分析です。

問題の根本原因は、意図的なスタッフの入れ替えです。提供するアウトソーシングのサービス品質が高まった頃を見計らって、チームにこっそりと新人や未経験の転職者を加えます。と同時に、短い引き継ぎを経て習熟した中核従業員を他チームに引き抜きます。

この現象は、品質劣化を招く悪しき慣行です。アウトソーシング業者の利益確保のためにはやむを得ない措置だとする意見もありますが、長期的には顧客満足度の低下が容易に推測されます。また、企業倫理(business ethics)の観点からも疑問視されます。

■問いかけ

ラボ契約のサービス品質を高い水準で維持するために、常時監視すべき項目を検討しなさい。

<回答例>

・スタッフ入れ替え人数、入れ替え率

 週間流動率 5%以下
 年間流動率 60%以下
 スキル経験(たとえばメンバーの75%以上は3年以上の経験者)

・新入りスタッフの事前研修の修了証明

 オフショア大學の受講証明証を取得済みかどうか
 顧客業務に関する6時間トレーニングを受講済みかどうか

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分散拠点間の温度差解消フェーズ

●次の失敗談(a)(b)(c)を読んで、後の設問に答えなさい。

(a)国内外注での話ですが、以前、品質管理の為に、依頼先とテスト消化率、トラブルの発生数、レビュー実施状況などなどを定量的に見える化し、共有化をしました。ですが、それだけでは、あまり品質改善されませんでした。

(b)最終局面にて、日本側は押しつぶされそうな重圧の中、全員連日徹夜の覚悟で作業に当たっているのに、中国オフショア拠点では今夜もさっさと定時帰宅。「目処がついたので、また明日やればいい」みたいな軽いノリ。あっという間に感情的な対立に発展しまいました。

(c)上流工程に時間がかかったが納期は変更なし。結局は中国に全部しわ寄せ。日本から合理的な説明もなく、悪びれた様子もなく、「とにかくやってくれ」の一点張り。かといって、中国側が必死に頑張って納期に間に合わせたとしても、日本から労いの言葉一つすらありません。


■問いかけ

<問1>失敗談(a)(b)(c)に共通する状態に名前をつけなさい。

    解答例:温度差

<問2>失敗談(a)に直面した発注側担当者は、ある施策を打つことにより局面を打開することができました。いったい、何に手をつけたのでしょうか。

<問3>失敗談(a)(b)(c)を改善するために考案された「分散拠点間の温度差解消フェーズ」を評価しなさい。

 レベル1 contentsの可視化/定量化
 レベル2 完成責任(responsibility)の可視化
 レベル3 説明責任(accountability)の可視化
 レベル4 contextの可視化

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遠隔拠点をつなぐ会議の基本作法

オフショア開発の会議には3つの制約事項があります。1つ目が言葉の壁。2つ目は文化の壁。そして3つ目は遠隔コミュニケーションの壁です。これら3つの制約が複合するためオフショア開発の会議は難しいと考えられます。今日は、遠隔拠点をつなぐ会議の基本作法を列挙します。


(1)目的、目標、運営規則の共有化

・会議を始める前に目的と落とし所を明確化します。そのためには、事前にアジェンダを作成して、遠隔拠点で待ちかまえるメンバに周知しておきます。


(2)合意形成プロセスの統一

・会議の席で「本音と建て前」を使い分ける日本人は、公式会議を確認のための単なる通過儀礼として考えることがあります。必ずしも事前の「根回し」を否定するわけではありませんが、遠隔拠点で待ちかまえるメンバに不平等感を与えないよう細心の注意を払います。

・各拠点で個別議論が起こったら、予め決められた運営指針に則って即座に交通整理します。遠隔会議中の個別議論は、時間を浪費する大敵です。


(3)対人関係の円滑化

・日本語が苦手な外国人に無理やり発言を促さなくてもいいですが、後から意見を吸い上げる仕組みを作って不公平感をなくすこと。

・会議を取り仕切る者(モデレータ、ファシリテータ)が参加者の個人的事情(性格・業務内容・稼働状況)をある程度は把握しているとよいでしょう。特に複数拠点から複数名が参加する電話会議では、互いに顔が見えないので、会議に参加せず内職するものが続出します。

・レビュー会議などで、対象議題への関心が薄い者が途中退席するルールを認めます。


(4) 通訳活用

・通訳方法のタイプを事前に決めておきます。通訳の目的が「言葉の壁」を超えるだけなら、会議中の逐次通訳を徹底させます。通訳の目的がブリッジSEによる業務遂行なら、予め定められた意思決定フローや合意形成プロセスに従わって通訳させます。


(5)振り返り

・議事録を残します。

・中国語や英語で会話された部分があれば通訳者に概要を確認します。日本語だけで会話が進んだ部分があれば、同じようにオフショア委託先に概要を申し伝えます。

■問いかけ

<問1>アジェンダに記載すべきことをまとめなさい。

 例:議題、時間配分、参加者属性、参加者に期待すること

<問2>TV会議の途中で、偉い人が飛び入り参加しました。そして、これまでの合意形成プロセスを無視した流れを作ります。あなたが会議運営者なら、どう対応しますか。

<問3>オフショア先のプロマネと電話会議中、相手は別の人とチャットしているようです。ときどき、会話がうまく成立しません。あなたは、どう振舞いますか。

<問4>日本人が丁寧な言葉遣いで話しかけているにも関わらず、オフショア委託先の通訳はフレンドリーかつ直接的な強い表現で応対します。「じゃ、いいよ」「これは対応しません」「日本が仕様変更です」あなたは、どう振舞いますか。

<問5>オフショア委託先との電話会議が終わったあと、誰が議事録を書くべきでしょうか。

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日本人よりも、欧米人の方が中国人の考え方に近い

次の発言を読んで、後の設問に答えなさい。

日本人よりも、欧米人の方が中国人の考え方に近いと思います。 第一に、中国語と英語の語順が似ています。 第二に、中国人と欧米人は役割分担の明確化を好みます。 第三に、個人能力を重視するので、実力者がリーダーになります。


私は、この発言に同意しません。ただし、この発言から重要な学びが得られます。

(1) 文化は相対関係である

日本と中国の二カ国だけを比べても、国民文化の距離は把握できません。ところが、日本と中国に加えて、欧米諸国という新しい観測点が追加されると、国民文化の正しい距離感が測定できます。

間違い:日本は集団主義、中国は個人主義
正しい:日本は米国と比べたときには集団主義、中国とは同程度

(2) 言葉の定義が曖昧だと議論できない

・欧米人
国民文化の距離感を論じるにあたり、「欧米人」と言った時点でアウト。欧米をひとくくりに語るなら、日本と中国をごっちゃにして東アジアとしてまとめて語っても良いでしょう。

・能力
「目に見える能力」と「目に見えない能力」があります。「測定可能な」とも言い換えられます。

・実力者がリーダー
日本でも中国でも欧米でも、どの文化圏でも実力者がリーダーになります。ただし、「実力」を測定する基準が文化によって大きく異なります。年功や「空気を読む力」は、日本では実力のうち。また、リーダーとマネージャを勘違いしている可能性もあります。


■問いかけ

<問1>中国人ブリッジSEがこう発言しました。
「日本人よりも、欧米人の方が中国人の考え方に近いと思います」。
組織論やリーダーシップの観点から、あなたはこの主張に賛成しますか、反対ですか?

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締切:2009年06月24日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/


<問2>
「日本人よりも、欧米人の方が中国人の考え方に近いと思います」
賛成・反対の立場から、それぞれこの意見をサポートしなさい。議論の前提条件を適切に定めれば、賛成・反対どちらの立場も答えも正解となり得ます。

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中国ソフトウェア産業を発展させる5つの政策

第13回中国国際ソフトウェア博覧会
複数のメディアが報じるところによると、今月北京で開催された第13回中国国際ソフトウェア博覧会で、政府高官が中国ソフトウェア産業を発展させる5つの政策について発言しました[1]。

(1)ソフトウェア産業の発展指導意見の制定、完璧な計画の作成
(2)企業ソリューション(組込やSI)の促進
(3)ソフトウェア産業の新たな成長分野の開拓
(4)モデル地区、基幹企業を認証し、モデル事例を提示
(5)健全な人材育成システムを構築

[1] 中国ソフトウェア産業の発展に5項目の措置(China Press)

私がこのニュースから感じたことについて3点言及します。

●中国では経済活動への政治介入が増している

IT製品ソースコード強制開示やフィルタリング強制導入に続き、中国政府が民間主導の経済活動に積極的に介入する姿勢が伺えます。上記の政策から、特に私が着目するキーワードを3つ抜粋します。

「発展指導意見の制定」
「完璧な計画の作成」
「モデル事例を提示」


●中国人プログラマの過剰供給が問題視されるようになる

私が2006年に予測したように、中国人IT技術者の過剰供給が現実味を帯びてきました[2]。

本来、ITは特定地域に大量の雇用を創出する産業ではありません。中国政府がダム建設や工場誘致と同じ感覚でIT産業に大量雇用を期待すると、どうなるでしょうか。

それは、中国人の大卒ホワイトカラー希望者にブルーカラー的な仕事を強要することを意味します。これまで、日本人プログラマはブルーカラー的な扱いに耐えてきましたが、中国人プログラマは画一的なマニュアル作業に耐えられるでしょうか? 平均的な中国人にとって、対日オフショア開発の下流工程は魅力に乏しいという事実を思い出してください。

[2] 中国人IT技術者は過剰供給気味!?(@IT情報マネジメント)


●中国政府は公共事業的な発想でIT雇用を作り出そうとしている

中国政府は、銀行貸し出しを介した財政出動により企業ソリューション(SI事業)というIT産業の有効需要を創出するつもりです。中国政府によってモデル地区や基幹企業が制定され、完璧なモデル事例と完璧な計画の下で、民間セクターのIT投資が加速されます。

国産OS・国産ERP・国産サーバ・国産ネットワークインフラによるシステムインテグレーション案件が爆発的に増えると予想されます。2009年のGDP成長(保八[3])のためにも、極力輸入を抑える政策を採ると思います。

[3] チャイナリスク研究会「保八」(オフショア大學)


■問いかけ

2009年以降、中国ではIT内需が拡大すると言われます。不景気に苦しむ日本のSI企業にとっては、中国国内のソリューション案件は、喉から手が出るほど欲しい仕事ではないでしょうか。

ここで問いかけ。

上記3つの幸地の分析が正しいと仮定します。日本SI企業が中国の内需案件を受注するためには、どうすればいいでしょうか。

<回答例1>
中国GDP拡大を促す効果のあるオフショア開発発注をちらつかせながら、政府筋と内需案件の受注を交渉する。この際、極力日本からの資材持ち込みをなくして、必要なハード・ソフトは全て中国国内で調達することを約束する。

<回答例2>
中国ソフトウェア産業を発展させる観点では、当面はITによる経営合理化は嫌われます。むしろ、部門ごと・企業ごとに専用のコールセンターやバックオフィス機能を充実させるなど、人海戦術による非効率な提案の方が好まれる可能性があります。

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ウイークリーニュースダイジェスト(2009/6/12)

●毎週金曜日は、ウイークリーニュースダイジェストをお届けする。


・2009/6/1 - computerworld.com
Budget woes could boost government offshoring

保護主義的な動きを見せる米国の地方政府。


・2009/6/3 - オフショア大學
[アンケート] 日本的柔軟性や行間を読む力は「魅力的品質」か?

あるオフショア受託企業では、日本での勤務経験を持つ幹部を複数揃えていて、日本的な「お客様は神様」を合い言葉に臨機応変に対応する柔軟さを備えています。お客様が仕様書で表現できない「行間」を読んで、あうんの呼吸によってシステムを作り上げます。これは「魅力的品質」ですか? それとも「当たり前品質」ですか?

魅力的品質 (27票) 51%
当たり前品質 (18票) 34%
その他 ( 8票) 15%


・2009/6/5 - 日経ネット九州版
IT津梁パーク、沖縄・うるまに開業

当面は沖縄ソフトウェアセンターが本土企業からソフト開発を受注し、県内企業と共同でソフト開発する「オフショアセンター」として稼働。現在手掛けている事務処理関係のソフト開発だけでなく、今後は自動車や家電などに搭載する「組み込み系」と呼ばれるソフト開発にも乗り出す。来年度以降は完成したソフトにトラブルがないかをチェックする「テストセンター」の機能も加える。


・2009/6/5 - 野村総研
中国へのBPOを成功させるポイント ?データ入力業務のBPO経験から

1)早めに研修を実施
2)二重チェックなど品質確保の工夫
3)ある程度大きな業務のアウトソーシング
4)勤勉な中国人スタッフ


・2009/6/5 - ITpro
Japan to drive next phase of growth for Indian offshoring
industry

日本企業のR&Dがインドに向かう?

> Global 1000 R&D spenders: India Opportunity Identified
> http://www.zinnov.com/
> http://www.ciol.com/news/news-reports/zinnov-hosts-offshoring-rampd-in-bangalore/13308104430/0/


・2009/6/5 - Morocco Board News
OFFSHORING: HAMPERED BY SKILLS SHORTAGE IN MOROCCO

モロッコでは人件費の高騰が続き、オフショア受託国として正念場を迎える。


・2009/6/5 - Desiree van Gorp
Summary Offshoring in the service sector: An empirical
investigation on the offshoring behavior of service firms
and its influence on their foreign entry mode choice

調査レポートの概要紹介。


・2009/6/8 - ITmedia
中国政府、PCへのフィルタリングソフト搭載義務付けへ

2009年7月1日以降に中国で販売されるすべてのPCに、特定サイトをブロックするフィルタリングソフトのプリインストールが義務付けられるという。

> http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090611/331666/
> http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0612&f=national_0612_013.shtml


・2009/6/9 - オフショア大學
[アンケート] プロジェクト活動の計測化を阻害する要因

オフショア開発効率化のために、現場メンバーは毎日5分程度の工数データを入力します。細かい入力項目の選択肢は数十から数百もあります。あなたのご意見は?


・2009/6/10 - オフショア大學
オフショア抵抗勢力を懐柔するための人事マネジメント

・新しい人事マネジメント/人事制度の枠組み
・新しい人事制度がどのように「年功序列」や「成果主義」の問題点を解決しようとするか
・3つの戦略次元への処方箋


・2009/6/11 - 上海オフショア開発フォーラム
退会お申込みフォーム

※会則は(6章23条)と少ない為、5分程度で内容確認できます。


・2009/6/11 - Daily News & Analysis
BPOs to ramp up onsite presence

オフショアに移管された一部のBPO要員が国内に回帰する。その割合は、従来の90:10から80:20へ。


・2009/6/12 - Chian Press
中国、ソフトウェア産業の発展に5項目の措置

1)情報システム部門の独立促進
2)企業ソリューションの進歩
3)ソフトウェア産業の新たな成長分野の開拓
4)モデル地区、基幹企業を認証し、モデル事例を提示
5)健全な人材育成システムを構築


・2009/5/31 - エジプト情報通信技術省
The Shifting Geography of Offshoring

調査会社A.T.Kearney のレポート。20ページの大作。世界オフショア受託国のランキングに興味ある方は一読あれ。

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オフショアリングの記事が増えた?

今月から、オフショアリング関連の記事が増えました。景気回復の兆しでしょうか。いやいや、記事をよく読み込むと、暗い話題も多いです。

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助詞1つで意味が変わった仕様ミス

日本語が得意な中国人にありがちな問題
<ケース1> 日本語での報告書に誤字や間違いが多く、「対応しません」というコメントにお客様の担当も腹を立ててしまった。

現在開講中のオフショア大學第5期では、異文化コミュニケーションについて学んでいます。

昨日は「オフショア固有の問題分類法」を導入して、オフショア開発でよくある問題を分析するための枠組みを検討しました。


1)中国固有の問題(国や地域別の問題)
中国共産党との癒着、漢字が読めるが故の油断や誤解
ベトナム戦争の爪痕、カースト制の影響などもこちら

2)海外発注固有の問題
言葉の壁、輸出手続の問題など

3)分散開発固有の問題
沖縄と東京の分散開発でも同じ問題が発生する

4)中国オフショアとは全く無関係の問題
日本人による国内オンサイト開発でも問題が発生する

*参考:本誌2009/06/10(第1,079号)オフショア固有の問題分類法


昨日出題した設問に対する回答例を示します。私の答えを鵜呑みにしてはいけません。答えを導くプロセスや隠れた前提条件のあぶり出し技法にこそ着目してください。

<ケース2>
突然、オフショア案件の立ち上げ指令が舞い降りてきました。事前の準備期間が短く、業務知識を教育するも、中国の現場に浸透されませんでした。事前のQ&Aも少なく、最後にデスマーチ化しました。

→(3)分散開発固有の問題
オンサイト開発なら、事前準備がなくとも、常に担当者が膝と膝を突き合わせながら仕様を擦り合わせることでデスマーチを避けることができるから。


<ケース3>
火消しのため、日本人リーダが急遽中国オフショアの現場に飛びました。現場で働く中国人SEは、分からない事があっても、わざわざ日本人リーダに質問したくありません。そのまま自分勝手に作り込みました。仕様理解不足のバグはいつまでも収束しませんでした。

→(2)海外発注固有の問題
言葉の壁が大きいが、日本国内(社内)でしか通用しないコンテクスト(文脈的)によるコミュニケーションばかりに頼る日本人リーダーの力量不足ともいえる。


■問いかけ

中国オフショア開発で発生した以下の問題の原因を分析しなさい。


<項目チェック機能に関する日本から中国への仕様伝達ミス>

日本からの提供された仕様書には、こう書かれていました。

「ユーザーからの入力項目のデータについては、このテーブルが存在しない場合エラーとする」

実は、この仕様書では助詞の使い方が間違っています。テーブル“が”ではなく、テーブル“に”が正解です。日本人でも、たまに犯してしまう小さな誤字脱字の一例です。正しい仕様は以下の通りです。

「ユーザーの入力項目データがこのテーブルに存在しない場合はエラーとする」

ところが、中国では仕様書の通り「テーブル“が”存在しない場合はエラー」と実装してしまいました。つまり、前段から続く「入力項目のエラーチェック」という文脈は完全に無視された格好です。

※自己流で日本語を学んだ中国人にとって、日本語の助詞の用法は極めて難解らしい。

さて、あなたは、この問題をどう処理しますか。問題分析や再発防止策の実施に加えて、担当者の責任追及などを具体的に論じなさい。

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オフショア固有の問題分類法

日本語の強弱を調整できずに失敗
日本語での報告書に誤字や間違いが多く、「対応しません」というコメントにお客様の担当も腹を立ててしまった。

(オフショア大學受講生より)


現在開講中のオフショア大學第5期では、異文化コミュニケーションについて学んでいます。

今週は、拙著「オフショアプロジェクトマネジメントSE編」で解説した内容に沿って、言葉の壁と文化の壁を区別する技術を学びます。次に、個人特性の概念を導入して、単なる個人差と文化的相違の違いを見極める訓練を繰り返します。

オフショア開発では、毎日いろいろな問題が発生します。余裕がない状態だと、私たちはついモグラ叩きの要領で目の前の問題を潰しにかかります。本来なら、問題発生の根本原因に着目すべきなのに。

「曖昧な仕様によりQ&Aが多発するので、設計とQ&A窓口の担当者をわける分業体制に移行する」(典型的な対処療法)

ところが、こうした対処療法はオフショア関係者だけの悪癖ではありません。日本で最も頭がよい職業だと見なされる医者だって、無意識のうちに平然と誤った対処療法を助言します。わざとではなく、本気で間違った助言を与えます。

「ストレスがたまっているようですね。スポーツなどで汗を流して日頃からストレスを発散させましょう」(典型的な処療法)


さて、オフショア開発で発生する問題の分類法には、いくつもの切り口があります。例えば、下記の切り口はいかがでしょうか。

1)中国固有の問題(国や地域別の問題)
中国共産党との癒着、漢字が読めるが故の油断や誤解
ベトナム戦争の爪痕、カースト制の影響などもこちら

2)海外発注固有の問題
言葉の壁、輸出手続の問題など

3)分散開発固有の問題
沖縄と東京の分散開発でも同じ問題が発生する

4)中国オフショアとは全く無関係の問題
日本人による国内オンサイト開発でも問題が発生する

上記の問題分析の切り口を「オフショア固有の問題分類法」と言います。これは、先ほど思いついたオフショア大學の造語です。


■問いかけ

次の問題の原因は、オフショア固有の問題分類法(1)~(4)のうち、どれに該当するか答えなさい。


<ケース1>
日本語での報告書に誤字や間違いが多く、「対応しません」というコメントにお客様の担当も腹を立ててしまった。

→(1)もしくは(2)
海外オフショア固有の問題だが、もしかしたら、日本語が得意な中国人に固有の問題かもしれない


<ケース2>
突然、オフショア案件の立ち上げ指令が舞い降りてきました。事前の準備期間が短く、業務知識を教育するも、中国の現場に浸透されませんでした。事前のQ&Aも少なく、最後にデスマーチ化しました。


<ケース3>
火消しのため、日本人リーダが急遽中国オフショアの現場に飛びました。現場で働く中国人SEは、分からない事があっても、わざわざ日本人リーダに質問したくありません。そのまま自分勝手に作り込みました。仕様理解不足のバグはいつまでも収束しませんでした。

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「中国人は成果主義」という主張

今週から、うちのノートPCが怪音を鳴らし始めました。カタカタカタカタ。小学校の廊下から聞こえてきそうな感じ。

今夜は第31回オフショア開発勉強会です。それまで、PCが長生きしてくれることを祈ります。

ちなみに、今夜のオフショア開発勉強会のテーマは評価と報酬。オフショア実務者には縁のないテーマだと思われがちですが、正しい知識と正しい適用法を身に付けた人は、危ないセリフを耳にした途端、すぐにピン!とくるようになります。

「中国人は成果主義です。だから仕事が終わり次第、定時でも帰宅したい。日本人は周りの人を見ながら、退社の時間を決めます。中国人オンサイト技術者に、ちゃんと日本の習慣を伝えたら、彼らだって理解してくれると思います。」

発言者に悪意は全くありませんが、実に怪しいセリフです。こちらで、正しい言い回しを学ぶことができます

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外国語学習と異文化ビジネスに関する噂話が矛盾する理由

コスト削減の影響かもしれませんが
中国人ブリッジSEを使わないプロジェクトが増えている。日本人PLが直接中国に飛んでもうまくいかないのでは?
(オフショア大學受講生より)

●巷でよく聞く外国語学習と異文化ビジネスに関する噂話より。

・日本人が座学で中国語を勉強したって、実践では役立ちません。ただし、中国語を勉強しようとする意欲を買われて、相手と信頼関係を築くきっかけになるとは思いますが。

・中国語を学びタクシー運転手と話ができるくらいまでいったことがあります。そうすると彼らの日本語も理解しやすくなります。

・仕事で英語を使うなら、最初の発音学習を重視すべきです。英国風の格調高い発音を身に付けた者と、米国海兵隊員のスラングから発音を学んだ者とでは、出発点がまるで違います。

・ブリッジSE業務に必要な日本語は極めて限定的です。季節の挨拶や細かい敬語を知らなくとも、メール定型雛形を用意すれば大抵は事足ります。来日前後の2週間で徹底的に基礎を反復練習させれば、後は勝手に立ち上がります。

・英語なんて意思疎通の一手段に過ぎません。三単現のSがなくても、時制表現が違っても、ましてや日本人発音であってもいいのです。相手に通じればいいのです。

・歳を取ると記憶力が低下するので語学学習できなくなるなんて嘘。経験豊富なビジネスパーソンほど、語学学習の効率は高まります。

・海外でいちいち通訳を使ってたら、変化の激しい現場でマネジメント出来るはずがない。日本人よ、英語で学び、英語で仕事せよ。


●オフショア大學は、こう主張します。

・日本語ができる中国人IT技術者のうち、約半数はブリッジSEの適性がない。むしろ、異文化適応力に優れた日本人SEが中国に飛んだ方がプロジェクトは成功しやすい

・標準化が得意で、中国語を若干かじったことがある日本人のベテランマネージャを中国に派遣するよりも、技術指向は強いがマネジメント未経験で、かつ中国語なんて全く知らない日本人20代プログラマを中国に派遣した方がオフショア開発プロジェクトは成功しやすい


●上記の主張を「賛成」「反対」の立場から論じることによって、異文化コミュニケーションや異文化適応力の理解が深まります。オフショア大學では、受講生の顔色をうかがいながら意図的に反対意見を投げかえすなどして、頭を軟らかくする訓練を繰り返します。


■問いかけ

<問1>
外国語学習と異文化ビジネスに関する噂話には、なぜ対立する正反対の意見が乱立するのでしょうか。矛盾する理由を分析しなさい。
(例:発音重視 v.s. 発音軽視)

<問2>
上記から興味のある主張を1つ選び、「賛成」「反対」の立場からそれぞれ論じなさい。

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プロジェクト活動の計測化を阻害する要因


オフショアプロジェクト活動のコスト化
日報、週報、月次報告書の作成、報告会議のコストを人件費ベースで見積もります。輸出管理や海外ベンダとの折衝、新規ベンダの営業訪問対応もしかり。コンプライアンス関係の職務も、サービスごとに見積もります。標準化や社内アンケートの類、社内報やレクリエーション、社内メンター制度、さらにプロジェクト成功に欠かせない出張費や教育費なども、念のため全て人件費ベースでコストを算出します。
(オフショア大學講義より)

国内協力会社への外注と同じ感覚でオフショア開発プロジェクトを始めると、一部では間接コストの増加に腰を抜かします。そこで、オフショア開発の効率化を図るために、プロジェクト活動のコスト測定に取り組む企業が現れます。

ある会社では、オフショアPMOが業務コストを測定するために各現場にデータ入力をお願いしてまわりました。対象者はメンバー全員です。

――オフショア開発の効率アップのためにプロジェクト活動のコストを測定します。そこで、毎日5~10分間の勤怠データ入力にご協力ください。

すると、現場から不満の声が漏れます。

「こんなに細かくデータを取る必要あるの?」
「必要なポイントに絞ってデータ収集すべきでは?」
「まずはPMOだけで業務改善してくれ」


オフショア開発プロジェクトで活躍するメンバーのほとんどは技術者です。古今東西を問わず、腕に覚えのある技術者は、他人からの干渉を嫌います。工数管理などはもってのほかです。

したがって、現場からの不満の声は正論です。

オフショア開発ですら抵抗感があるのに、ましてやBPO推進だと社員や組合からの強硬反対は必至です。

BPOとは、"Business Process Outsourcing"の頭文字を並べた専門用語です。企業の業務処理を外部業者に委託する経営手法として、欧米の多国籍企業では広く定着しています。

BPOを「間接業務のアウトソーシング」と表現するとかわいいですが、実際にはそんな甘いものではありません。平たく言うと以下の通り。

「日本の無駄な業務をやめて海外に任せる」
「余った日本人は解雇するか職務転換するかどちらか」

この現実は恐ろしい。ですから、BPO推進の現場では、業務処理のコスト計測に対する根強い反発があります。なぜなら、業務毎に細かいデータを収集されてしまうと、自分たちの職が失われるからです。

これは、日本だけの問題ではなく、米国でも全く同様です。つまり、米国企業でも「こんなに細かくデータを取る必要あるの?」という声はあります。

ですが、ご存じの通り、米国ではBPOが積極的に推進されており、大企業を中心に欠かせない経営手法として定着しています。当然ながら、たくさんの成功事例が報告されています。


■問いかけ

<問1>
米国のBPO成功企業では、いったいどのようにして社内から聞こえてくる「こんなに細かくデータを取る必要あるの?」という声に対処しているのでしょうか?


<問2>
あなたは、オフショア開発の効率アップのために、プロジェクトメンバ全員に対して「毎日5~10分間の勤怠データ入力」を依頼しました。ところが、現場から不満の声が漏れます。

「こんなに細かくデータを取る必要あるの?」
「必要なポイントに絞ってデータ収集すべきでは?」
「まずはPMOだけで業務改善してくれ」

あなたは、この状況をどう打開しますか。最初にやるべきこと、次にやるべきことを時系列順に書き出しなさい。


<問3>
オフショア開発効率化のために、現場メンバーは毎日5分程度の工数データを入力します。細かい入力項目の選択肢は数十から数百もあります。あなたのご意見は?

◆詳細な日次入力に賛成
◆簡易な日次入力なら賛成
◆週一回ならデータ入力に賛成
◆計数管理のためのデータ入力には反対
◆その他

○結果を見る
○コメントボード

締切:2009年06月16日18時00分
協力:クリックアンケート

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