比較によるプロジェクト評価
インドにはじまり、今は中国に挑戦中です
海外ソフト会社との取引は10年前のインドからはじまり、最近は中国へと拡大しています。私自身も色々と苦労を経験しましたが、確実な解決策が見えたり隠れたりの連続です。情報交換を通してより精度を向上できればと期待しています。(男性)
■比較によるプロジェクト評価
●インドと中国のオフショア開発の結果を比較して、システム規模当たりのコスト効果性を評価してみよう。プロジェクト単体の開発生産性を算出する会社は多いが、他プロジェクトとの比較は意外に少ない。
●海外オフショア開発では、国内の開発体制では不足する部分を補う。これまで自社に蓄積してきた開発生産性のデータを中国ベンダにまで広げてみよう。
例えば、ある中国オフショア開発では、次のようなデータが報告された。
[○○業務システム開発/Java, Webアプリケーション]
・中国ベンダの平均単価:30万円/人月
・対象システムのファンクションポイント:1,000FP
・工数実績:50人月
・開発規模:100万ステップ
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【当該プロジェクトの開発生産性】
★20FP/人月
★1,000ステップ/人月
・・・ → 国内標準値と比較する
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【当該プロジェクトのコスト効率】
★\15,000/FP
★\300,000/キロステップ
・・・ → 国内標準値と比較する
※
●ファンクションポイント、工数(人月)、ソースコードステップと、開発生産性の指標はいくつかある。しかし、それらの定量データを収集し、分析して、社内標準化するのは誰だろうか。
●マネジメントの定型化が叫ばれているが、すべてのベースとなるのが過去プロジェクトの積み重ねであるということはいうまでもない。プロジェクトマネージャが上流から下流まで全てを押さえることが重要だが、一人で社内中の全プロジェクトに目を光らすのは、きわめて困難だ。
●中国オフショア開発では、ブリッジSEと称する技術者を投入するケースが多い。ところが、ブリッジSEの活躍範囲は当該プロジェクトに限定される。つまり、これまでのオフショア開発は属人的、ないしは、場当たり的なスタイルであるといえよう。
●「同じ土俵」で国内開発と海外オフショア開発の生産性を比較する。さらに、インドと中国を比較して、地域特性や得意分野を活かした戦略的な海外パートナー推進。これこそが「過去の蓄積」を踏まえた賢い試みだ。
その主役を担うのが、オフショア開発コーディネータだ。
■ 成功の勘所 ■
あなたは、一人のプロジェクトマネージャにプロジェクト目標達成(QCD)と定量データ蓄積の任務を押し付けていないだろうか?
この2つは似て非なるモノである。ましてや、ブリッジSEの職務領域ではない。
社内人材が不足しているのならば、社外からの情報を得るルートを意図的につくり、会社全体の仕組みとしてオフショア開発の精度向上に取り組もう。
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