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仕様変更の最上の策

仕様変更を依頼するとき

例の給与システム開発の帳票機能ですが、お客様の都合で仕様を変更してもらいたいんです。出力帳票の種類を増やして、さらに承認ワークフローにも若干手を加えていただきたい・・・

■最上の策は、追加発注をほのめかすこと

今回は、「仕様変更はやむを得ない」という前提で話を進める。一般にプロジェクトの目標はQCDの3要素あるが、さらにスコープ(S)を追加すると、全部で4要素を考慮しなくてはいけない。

納期を絶対視するならば、費用(Q)を多めに支払うなど、少なくとも残り3つの要素の中の1つを犠牲にしなくてはいけない。通常は、品質(Q)を落とすことはないので、開発費はそのままにして、代わりにスコープを狭めるという選択肢もよくある。

同様に、仕様変更を依頼するならば、納期を遅らせるか、作業範囲を狭めるか、追加費用を支払うつもりでなければ対等なビジネス関係とはいえない。つまり、「仕様変更はやむを得ない」という前提は、「QCD+Sのどれかが影響を受ける」ことを認めることに他ならない。

そこで、受ける影響を出来るだけ小さくするような努力と工夫が求められる。この場合、日本側でコントロールできる要素が3つある。

1.仕様変更通達の時期を早める
2.暫定仕様を段階的に実装させる(段階的発注)
3.別の仕事を追加発注する可能性を示唆する

現実的には、3.が最上の手段だ。「発注取り下げ」という極端な手段もあるが、本誌の趣旨に反するため、これ以上は扱わない。

仕様変更を依頼したら、中国ベンダから理由や背景などの詳細を聞かれるだろう。「どこまで細かい情報を伝えるべきか」については、オフショア開発の初心者ならずとも、判断に迷うところかもしれない。

本誌のスタンスは、「情報は可能な限り中国に伝える方が望ましい」である。つまり、仕様や設計内容の説明だけではなく、業務背景やエンドユーザの風土や方針などについても言及したい。

しかしながら、中国に情報を与えすぎたことによる弊害も見過ごせない。『対中交渉の落とし穴 ~7つのケーススタディ』にも1つ事例があるので、まだの方はぜひダウンロードしていただきたい。

■成功の勘所

中国と良好な関係を構築し、より一層のコスト削減を目指すには、ベンダと一体となった情報共有の仕組みが欠かせない。ところが、情報の与えすぎによる弊害にも注意を向けよう。

●最終納期を自分勝手に解釈する
エンドユーザのカットオーバーまで、まだ1ヶ月残っている。ここで残業しなくてもまだ間に合う!と、日本の作業量を考慮せず勝手に判断して、定時に帰宅する(涙)

●悪い事例をモノマネする
VBで構築された業務アプリケーションをWebアプリケーションで再構築することになった。ところが、旧システムの画面を新システムでソックリそのまま再現しようと試みたため、Webアプリの定石から外れた画面設計となってしまった。

●とんちんかんな提案を受ける
「この業務は効率が悪い。パッケージを使ってこうしなさい」等と、もっともらしい提案を次から次へと口にするが、日本的な商慣習を無視しているため、ユーザから総スカンを食らう。

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