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武士道

2月と3月は、東京と上海を往復するだけではなく、国内の各地を訪問します。手始めに沖縄と福岡行きの日程を決めました。沖縄では、県の地域情報化の促進と情報通信産業振興に関わる記念祝賀会で講演します。
ソフトウェア開発の業界動向(日本や世界)、ならびに沖縄の方向性を示すような話にまとめたいと思います。これも1つの親孝行。

日本や沖縄、中国オフショアの展望を予測するためには、日本人の伝統的な思考パターンや行動様式を学ぶ必要があります。そこで、上海出張に持っていくスーツケースに一冊の本を放り込みました。

以前から自宅にあるこの本、巷では○○○ブームと呼ばれるほど有名でしたが、なかなか手に取ることがありませんでした。上海ではTVを見ることもないため、人と会わない時間帯は本を読むか、PCの前に座っているかのどちらかです。

という訳で、上海2日目に読み始めました。
この本、わずか204ページしかありませんが、いわゆる「かたい」内容です。もともと歴史や哲学が好きですが、堅苦しい本を敬遠して「やわらかい」本ばかり読んできました。そんな私ですが、読み始めて数分後には強い衝撃を受けました。

「これが1世紀以上も前に書かれた本なのか?」

著者は日本人。外国人に日本の精神的支柱を説明するために書かれたそうです。つまり原書は英語。私が読んだのは翻訳本。

現代語に訳した翻訳者の力量も見事ですが、最初から最後まで格調高い文章が続きます。読むものの背筋をキッと伸ばしてくれます。恐れ多くて、寝そべって読むことが出来ませんでした。上海に滞在中、何度も何度も読み返しました。

前置きが長くなってしまいましたが、この本は五千円札の顔としてもお馴染の新渡戸稲造(にとべいなぞう)が著した「武士道」。なぜ、彼がお札の顔に選ばれたのか、その理由がはっきり分かりました。(遅すぎですか^^;)

私が読んだのは↓の本ですが、他にも武士道本が山のようにあります。何が「正しくて」何が「間違っている」、そういう判断は抜きにして読んでいただきい一冊です。

武士道 - いま、拠って立つべき“日本の精神”新渡戸稲造(著)

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2/10 第1回オフショア開発勉強会

上海/静安寺
こんにちは、オフショア開発専門コンサルタント 幸地司です。

お待たせしました。
以前から予告していた、お財布に優しいオフショア開発勉強会(東京/品川)がついに開催されます。初回は、2月頭開催の上海オフショア開発交流会の内容を報告します。いつものように、突然のキャセルや人数追加をすべて受け付けます。ただし、必ず事前連絡をください。ご協力をお願いいたします。

日時:2004年2月10日(木) 19:00-21:00 (18:30開場)

場所:品川イーストワンタワー 21階 小会議室Ⅰ(地図)

内容:
19:00-20:00 上海関係者から聞き出したオフショア開発の最新事情
20:00-21:00 与えられた課題に対するグループ討議

定員:30名(先着順)

参加費:一般参加 2,000円(税込)

特典:中国オフショア開発実践セミナー受講者、オフショア開発実践マニュアル購入者には参加費割引制度あり

こちらの専用フォームからお申込ください

問い合わせ:cip@ai-coach.com (【2/10オフショア開発勉強会】)

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春節と爆竹禁止令


上海の日系百貨店
2月9日は春節です。香港のTVを見ていたら、街中での爆竹を禁止すべきか否かについて、弁護士や教育関係者らが集まって喧々諤々と議論していました(笑)。いやいや、笑い事ではありません。彼らは真剣そのものです。

ご存知の方も多いと思いますが、中国では街中で爆竹を鳴らすことは法律で禁止されています。ところが、少なくとも上海では、爆竹禁止令など何のその。当社の上海オフィスの周辺でも、昼夜を問わず爆竹の炸裂音が響き渡っていました。

そう、本当に夜中でも、

バン・バン・バン・バン・バン・バン・バン・バン・バン・バン
バン・バン・バン・バン・バン・バン・バン・バン・バン・バン
バン・バン・バン・バン・バン・バン・バン・バン・バン・バン

と爆竹音が鳴り響きます。住宅街では、大きな爆竹を持って歩く家族連れの姿も見られました。正月前に準備すべき物として、欠かせない一品なのでしょう。

香港のTVでは、視聴者に爆竹禁止令についてアンケートを実施していました。

 爆竹を解禁すべき  60%
 禁止令を継続すべき 40%

ちなみに、香港では爆竹ではなく花火をあげるそうです。もちろん、上海でも花火は上がっていました。

TVの一般視聴者からは、下記の声が寄せられていました。

「爆竹は庶民の娯楽である」
「爆竹は百害あって一利なし」
「そんな金があればもっと他に使うべき」
「けが人が続出する」
「香港では禁止されて10年経つが何の不都合も無い」
「禁止令などを続けると、中国の民族文化が滅ぶであろう」

TV討論会に出演する爆竹解禁派の女性弁護士は、下記2点から、爆竹禁止令の問題点を指摘します。

1. 伝統文化の保護
2. 法の執行のコスト削減

中国社会の合理的な慣習を尊重すべき。爆竹等の伝統文化は、法律など人工的に規制されるべきものではない。さらに、20世紀初頭のアメリカにおける禁酒法を引き合いに出して、爆竹禁止令の不当性を訴えていました。

爆竹を鳴らすとあたり一面にゴミが散乱しますが、翌朝には全て掃除されています。早朝の上海は驚くほどきれいです。一度ご覧あれ。

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進捗管理の「モノサシ」

初めてのオフショア開発で手こずっています

東京都内のある独立系ソフトウェアハウスにお邪魔して、苦戦が続く中国オフショア開発の実態についてお聞きした。全国数箇所に拠点を持つこの会社、国内の分散開発ではそれなりの実績を残しているが、中国企業との共同開発は今回が初めてだという。

さまざまな工夫を凝らして慎重に進めているものの、なかなか思うようにはかどらないようだ。
<プロジェクト概要(※)>
・対象システム:Web系業務アプリケーション
・活用技術:Java, UML
・中国担当:製造~テスト(2ヶ月間)

■進捗管理の「モノサシ」、三つのポイント
◇:本誌執筆者(幸地) ◆:取材先のプロジェクトマネージャー

◇どのような開発体制ですか?

◆日本側6名、中国側4名、総勢10名の開発チームを組んでいます。中国オフショア開発の下準備という位置づけなので、現在は4名の中国人技術者をすべて社内に常駐させています。

◇中国ベンダに委託した開発工程は?

◆当初は、詳細設計から結合テストまでやってもらうつもりでした。ところが、こちらが期待するレベルのモノが出来上がってこないんです。残念ながら、今は計画を変更して、製造工程からやってもらうことにしました。

◇具体的にはどのような問題が発生したのですか?

◆本来、詳細設計で作成すべき資料を100だとすると、60点、いや、それ以下のモノしか作ることが出来ません。彼らの意識では、このレベルで合格だと思っているのでしょう。本当に参っています。

◇日本が期待するレベルを定量的に評価する基準はありますか?
例えば、この段階なら80点、ここまで出来たら100点満点など、明確で分かりやすい判断の拠り所となる「モノサシ」はなんでしょうか。

◆おっしゃることはよく分かります。口頭ではよく説明したはずなんですが、残念ながら、中国側と共有できるような判断の「モノサシ」は準備していませんでした。逆にお聞きしますが、具体的にはどのような基準を用意すればよいのでしょうか。

◇ポイントは3つあります。

1.全工程の成果物を漏れなく定義する
2.成果物のサンプルを事前に提示する
3.サンプルをお手本として、中国側に水平展開させる

中国オフショア開発では、最終成果物をチェックすればいいという考え方は通用しません。たとえ、あなたが正確な仕様書を提示したとしても、途中の開発プロセスが正しく実施されているかどうかまで、根気強くフォローする必要があります。

◇ご用意いただいた、レビュー報告書を拝見させてください。

◆はい。こちらになります。

詳細設計からコーディング初期に実施されたレビュー報告書の一部抜粋。

・検索機能の仕様が全く理解されていないような気がします
・「わかりました」「出来ます」といったのに、全くNGです!
・何度も同じ説明を繰り返したのに、全く対処されていません
・ソースコードにコメントが全く書かれていません

(本誌では、やわらかい表現に直しましたが、実物の報告書はもっと直接的で批判的な表現でした)

◇かなり辛辣な言葉が並べられていますね(汗)。この報告書を書いた(日本人の)担当者は、かなり感情的になっていますね。

◆そうなんです。実は、中国側との連絡窓口は経験の浅い若手社員が担当しています。いや、もちろん、技術的にはそこそこ出来るのですが、いろいろ事情がありまして・・。何とかしたいとは思っているのですが。

◇どこの会社さんも、そうおっしゃられます(笑)中国オフショア開発実践セミナーでも触れていますが、中国ベンダとの連絡窓口は、やはり実戦経験が豊富な方が適しています。社内事情があるのはお察しいたしますが、中国オフショア開発は一種の新規事業ですから。

◆・・・(苦笑)
中国オフショア開発は新規事業ですか。確かにそうかもしれません。短期的には絶対に原価削減効果は現れないので、長期的な視点で取り組む必要がありそうです。

◇おっしゃるとおりです。ところで、中国オフショア開発の設計からコーディング中に発生するトラブルの要因は大きく二つに大別されます。

1.中国側の仕様理解不足、あるいは考慮不足による設計差し戻し
2.日本側の仕様提示ミス、説明不足、設計不足による手戻り

前出のレビュー内容から察するに、中国側の作業が滞った原因は2.の割合が大きいような気がします。6:4、ないしは7:3の割合で、日本側に改善の余地があるのかと。

◆確かにそういう見方もあると思います。もちろん、開発標準などは、うちから事前にちゃんと提示しています。それでも、設計の考慮漏れやコーディング規約違反が大量に発生します。
こうなると、さすがにうちの担当者も頭にきて、先ほどのように、報告書で厳しいコメントを書いてしまうのです。

◇ところで、レビュー報告書には、担当者の愚痴も多く見られますね。担当者間で不満を言い合うのは、オフショア開発の負けパターンにはまっています。

◆では、どうすればいいでしょうか。

◇担当者の愚痴や不満を吸い上げるのは、大切なことです。特に、今回は若手社員に負荷がかかっているようなので、マネージャーや管理部門の方が親身になって話を聞いてあげてください。その上で、中国ベンダに伝えるべきことがあれば、担当者からではなく会社幹部が直接中国ベンダの総経理にぶつけてください。

御社の例では、現場レベルの対策ではなく、会社間の問題として扱うべきでしょう。風通しのよいコミュニケーションを実現させることを優先させてください。

◆そうですね。場合によっては、中国側現場リーダーの変更もありえます。実は、委託先の中国ベンダには3名の優秀な中国人マネージャーがいます。
次のプロジェクトからは、3名の役員のうち、最低一人は直接現場をマネジメントしてくれるよう要求を出したいと思います。

◇いい考えですね。可能なら「次回対応ではなく、即時対応」を要求してください。

◆次回対応ではなく、即時対応ですか。

◇そうです。中国オフショア開発では、トップダウン的なアプローチが効果的です。リーダーが替われば、プロジェクトの様相は一変します。ぜひ、会社上層部を巻き込んで組織的な解決を目指してください。

◆はい。ありがとうございます。

■成功の勘所
中国オフショア開発は新規事業という考え方を持ってみよう。視点を変えるだけで、違う解決策が見出せるかもしれません。
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上海オフショア開発交流会

shanghaiseminar200502032/3に開催された上海オフショア開発交流会、

夕方から突然雨が降り出して、最悪な条件であったにも関わらず、18名の方が参加してくれました。8名のスタッフと一体となってすばらしいサロンが実現しました。

終了時間が予定よりも40分以上延びてしまいましたが、帰り際も参加者のおしゃべりがやまず、満足そうな笑顔がこぼれているのを確認した瞬間、スタッフ一同大喜びしてしまいました。

わざわざ杭州から参加された方、日本から出張で来られたナイスタイミングの方、中国駐在の日本人、もちろん中国人技術者や管理者、そしてセミナー会場を提供してくれた東方欣康総裁の李様に改めて感謝いたします。

また、スタッフともにアルコールつきの2次会に参加してくれた皆さん、ありがとう!妙な日本語で盛り上がりましたね。

最後に、今回のセミナーを企画、運営してくださいました東方欣康カルチャーサロンの瀬谷夫妻、ならびに影の功労者土下さまにお礼を申し上げます。「イントニオアノキ!」

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BPO専門商社を目指す

上海の日本式居酒屋でお会いした本誌読者の30歳日本人男性が

「中国オフショアリングの会社を設立しました」

とおっしゃる。最初のうちは「物静かな雰囲気だが、なかなか見どころのある青年だな」と感心していたのですが、5分後には尊敬の眼差しに変わっていました。

私を驚かせた彼は、日本の大学を卒業後、単身22歳で香港に渡り起業して大成功を収め、次は日本で新たにオフショアアウトソーシング事業の発展を目論む、株式会社マルチリンガルアウトソーシングCEOの石倉良和さんです。

私にとって石倉さん最大の魅力は、何といっても斬新な発想力です。コンサルタントという仕事柄、前向きな発言が多い私ですが、石倉さんは私のはるか上を行くポジティブ思考の持ち主でした。

「これからはサービス業種のオフショアリングが本格化する。だから、私はこの業種の商社的な役割を担いたい」

オフショア開発は全くの素人だという彼ですが、危ない開発業務ではなくサービスに特化するところがさすがの着眼点です。

これまでの好調の波に乗じて、運を味方につけて巨大な市場に一石を投じたい、自信に満ち溢れた彼の言葉が強く印象に残りました。

石倉さんのブログ:ジャスダック上場までの軌跡 ≪日本 - 上海編≫

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