沖縄を踏み台に中国へ
中国人技術者を日本に招へいしたが、当初は戦力外でした
中国人から十数名の若手技術者を日本に受け入れています。来日したころは、日本語もままならず、期待したほど技術レベルも高くないため、OJTではとても苦労しました。
(日本企業/中国人OJT担当者)
■中国を見据えて、今は沖縄オフショア開発 |
●中国から新人プログラマーを日本に招へいして、仕事をしながら言葉や技術を磨いてもらう。ブリッジSEとしての実力が身についたら、中国に戻ってバリバリ活躍してもらう。
こんなことを目論む企業が増えている。
特に目新しい考え方ではないが、長期的な視点から着実に成果を出す方法として期待が高まっている。
●先週末から私は沖縄に滞在しているが、こちらでも中国と同様な動きが起きている。ただし、沖縄と中国では、派遣される人材の質が異なるようだ。
[中国]
20代前半の新人プログラマー(実務経歴3年未満、未経験者含む)
「鉄は熱いうちに打て」
[沖縄]
30代の中堅リーダー(即戦力のプロマネ候補生として選抜)
「将来の沖縄ソフト業界を背負って立つ」
●ところが現実には、下記のような風景がよくみられる。
会社としては「中国活用」が最重命題だが、現場で権限を持つプロマネが中国発注に首を縦に振らない。
そこで、「とりあえず沖縄で練習して将来の中国に備える」と考える会社が現れてきた。
■成功の勘所 |
国内オフショアの欠点は開発要員の絶対数が少ないこと。中国では20~30名のプログラマーなら数日で簡単に調達できる。
一方、オフショア開発の初心者にとっては、海の向こうの中国人が「何を考えているのか」全くつかみどころがない。
先日、私のセミナーを受講したある方は、
日本人同士なら「ああいえば」「こういう」という判断ができるが、相手が中国人だと「ここまでは言っても大丈夫」という安心感がない。
と不安を隠し切れなかった。
3年後の収穫(黒字化、人材育成、規模確保)を待てない企業は、中国をあきらめて沖縄を選択する道がある。最初に沖縄オフショアで弾みをつけて、次は中国に挑戦する道筋があってもいいだろう。
関係者として、沖縄が中国の踏み台として使われるのは忍びないが、企業戦略の一環としては「可能性大いにあり」ではなかろうか。
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