できあがった物を見てから修正する
中国企業の顧客に関する意識
会社経営者にとっては「お客様」。だが、一人一人の技術者にとっては、顔の見えない「ユーザー」。指示されれば当然やるが、頼まれもしないことをやろうという発想はない。
(第4回上海オフショア開発交流会 ゲスト講師 山中氏)
■できあがった物を見てから修正する・・・日本の設計は甘い! |
●中国側でオフショア開発に携わる多くの技術者は、自分が作ったシステムが、どんな顔のユーザーがどうやって利用するのか、全く知らない。
プロジェクトチームの大半を占める経験の浅い若手技術者の場合、運用者、利用者の立場に立って考える、ということを期待できない。
●一方、オフショア開発を発注する日本企業にとって、顧客やサービスとは以下のようなイメージを持っている。
「中国に仕事を出してあげている」
「お客様は神様」
「ソフトウェア産業はサービス業」
●「とにかくモノを見ないと分からない」といって、曖昧な仕様のままモノづくりに入るのが日本流(日常業務では私もそうしている)。
だから、出来上がったものをモノを見て、気に入らない箇所を修正する。良くも悪くも、こうしたやり方がまかり通るのが日本流である。
・修正が入るのは当たり前、やむを得ない
・顧客が直したいと望んでいるのだから、直すべき
・修正要望に臨機応変に対応するのもソフト会社の力量の一つ
■成功の勘所 |
上海オフショア開発交流会 ゲスト講師 山中氏によると、「できあがった物を見てから修正する」というやり方に対して、多くの中国人技術者は否定的な見解を持つという。
・本来設計にかけるべき時間と労力を省いている
・想像力や検討する力が欠けている
・能力の低い技術者が設計している
ちなみに、「顧客が望めば、何でも修正してあげたい」というのも中国企業の本音である。ただし、追加料金を払ってくれれば。
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