「~しなければいけない」は「~するべき」に統一
良い文章作法
語順を乱すべからず
(オフショア開発PRESS特集1-3より)
中国語には「にておは」がなく、日本語と比べて語順の自由度は小さい。さらに「てにをは」を自由に使える中国人材はほとんどいないことを考慮して、語順をSOVに統一すべきである。
オフショア開発ではカタカナ外来語の弊害が有名だが、表面的な問題分析については、ほぼ議論し尽くされたと思う。オフショア開発では、仕様書や設計書からカタカナ外来語を減らす責任を発注者(日本人)が負うべきだとの見解が示された。
アンケートに回答した中国人読者から「~しなければいけない」を「~するべき」に書いて欲しいと、追加でご意見が寄せられた。英語の"must"と"have to"の意味が違うように、「~しなければいけない」と「~するべき」の意味も微妙に異なるはずだが、我々はどう対応すべきだろうか。



■成功の勘所
ソフトウェア仕様書は文学作品ではないので、「~しなければいけない」は「~するべき」に統一すべきである。発注者が文書作法の遵守に責任を持つべきである。
いや、こんなことを言い出したらきりがない。オフショア側の外国人技術者が努力して日本語の読解力を向上させるべきである。
あなたのご意見は?
◆発注者(日本人)が文書作法を遵守すべき
◆受注者(外国人)が日本語読解力を向上させるべき
◆その他
締切:2008年04月09日23時00分
協力:クリックアンケート
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Comments
「するべき」は「しなくても良い」というニュアンスを含んでいるように思えます。言語学者ではないので明確に表現できませんが。。。そのニュアンスを外国人が感じ取れるかどうかは分りませんが、少なくとも日本人も見る仕様書として曖昧な表現は行わないほうが良いと思われます。
中国人から「するべき」とはどういう意味ですか?と問われれば、「しなければいけない」という意味です。と答えてしまうような気がします。
質問された際、表現を変えて説明するぐらいであれば、初めから質問にならない表現にするべきかと思います。例えば言い切る形(「~する」など)にするなどの文書作法に日本人が遵守すべきかと思います。
Posted by: ひらじ | April 02, 2008 03:10 AM
皆さんは不具合処理票(bug report)の日本語をどのように感じていますか?
私が外国人の技術者を雇って海外でソフトウエア開発をしていた時に、外国人技術者が一番苦しんだのは不具合処理票の日本語でした。
度々その日本語の言わんとするところの解説を求められたのですが、日本人の私にもわからない書きぶりが多いこと。。。
時にはskypeで日本と何十分も話して、ようやく正確に理解できた内容を、きちんとした日本語に「私が直して」技術者に渡す必要がある時もありました。
書いた人が横に座っていれば、五感を総動員してちょっと確認すればすぐに理解できる内容でも、日本語の文章にしてしまうと難解になることが多いことを痛感したエピソードです。
「日本語の作文技術」の中で本多勝一が「日本語が曖昧なのではなく、使う日本人が曖昧に書いている」という意味のことを言っていますが、正にその通りだと思います。
設計書などの文書は英語で書くべきだという意見もありますが、正確には「英語のように明確に、意味を絞って、玉虫色の表記にならないように書くべきだ」ということになると思います。
もちろん個別の表現を一つずつ規定してゆくのも価値があります。
しかし、coding規定・ISO・CMMIなどの多くの文書規定がある中で、日本語の書法ガイドラインの集大成を作っても、実際に標準化して皆がそれに基づいて運用できるようになるかというと疑問が残ります。
簡単にチェック(気を遣う・訓練する)する方法は、少数の観点を常に意識することだと思います。
観点としては、次のようなものでいかがでしょうか。
●崩さず・短く・率直に
体言止めを使わず、正規表現の文で。
句点(。)を多く=短い文で。1文1concept。
情緒的、感情的な表現は百害あって一利なし。同じ表現があるのなら、短い表現で。
また、相手に判断を委ねる書き方をせずに言い切って責任を取る書き方。
もし判断を委ねる必要がある場合には、判断基準を明確に提示する。
「阿吽の呼吸」「皆まで言うな」「相手の気持ちを察して」など、
日本の素晴らしい文化は技術者同士の意思疎通に於いては御法度と思うべし。
●意味を絞って
自分の書いたものを無理矢理にでも別の意味で捉えてみる。
もし、自分の意図する意味以外に理解しようがない文になっていれば、伝わる可能性が上がる。
●どうしても自信がなかったら、翻訳toolにかける
自分の日本語を英語に変換し、再度日本語にしてみる。
元の日本語と英語を経由した日本語が同じ意味なら概ね正確に伝わる。
Posted by: 丸山文幸 | April 02, 2008 03:12 AM
ひらじさん、こんにちは幸地司です。
>「するべき」は「しなくても良い」というニュアンスを含んでいるように思えます。
”should”と”must”の違いでしょうか。
要求仕様書や設計書なら入念なレビューの対象となりますが、日常のちょっとしたQ&A連絡だと文書作法の徹底は難しいかもしれません。
「~かもしれません」
「~と思います」
「~とするべきではないかと思いますが・・・。」
実際、私だってこの程度の中途半端な文章を多用します。私の場合、文章の善し悪しは「音」で判断します。すなわち、耳で日本語の正確さを調整するのですが、他人に伝承しにくい個人技ですね。
今の時代、すぐに真似される技術で食っていけるはずもなく、やむをえず特殊技法に磨きをかけています。
Posted by: 幸地司 | April 02, 2008 03:13 AM
丸山文幸さん、いつもコメントありがとうございます。
具体的で素晴らしいノウハウですね。いただき!
さっそくメルマガや研修等で参考にさせていただきます。
>「日本語が曖昧なのではなく、使う日本人が曖昧に書いている」
オフショア大學の北島義弘氏も同じことを主張されます。
私は「日本語は曖昧だけど、何か?」と堂々と開き直る派です。ですが、これは「曖昧さ」を悪いことだと考えていないことが前提。つまり、日本語を母国語とする人は、曖昧でも互いに意思疎通できる超能力を有すると解釈します。自尊心も満たされてGood。
日本語は誰にとって「曖昧」なのかを定義すれば、議論が深まると思います。日本人同士で会話する場合、日本語は曖昧ではない。中国人と日本人が日本語で会話する場合は、日本語は曖昧なので気をつけよ。というのが私の考えです。
Posted by: 幸地司 | April 02, 2008 03:14 AM
こんにちは。
表記の件ですが、違う意味に理解されるとは知らなかったです。
最初、「~しなければいけない」を「するべき」にとの話で私が言いたかったのは「二重否定なら最初から肯定にして」のようなことでした。うまく解析しなくてすみませんでした。
私も日常のコミュニケーションで頻繁に下記を利用します。
「~かもしれません」
「~と思います」
「~とするべきではないかと思いますが・・・。」
曖昧さは自分に責任が追求されるときの回避策と相手のプライドを傷つけない為のものである意味でばっちりですね。
ですが、仕様書作成者が曖昧な書き方を元に責任回避しようとしたならそれは失格でしょう。曖昧な実装とはありえないでしょうから。
丸山様のコメントでの方法には同感ですが、実作業ではあまり求めておりません。そこまで考えて頂くのはありがたいことですが、一貫するなら「力が入りすぎ」と思われますので。それに、翻訳ツールで無事に仕事が進められるときは私みたいな技術に弱いものはオフショア業界を去るしかない時というのも有りますしね。アハハ。
「てにをは」ですが、中国語に無いわけでは無く文法的に解析する場合幾多の意味を持つ故、初心者が苦労するだけだと思います。
「日本語の読解力を向上させるべき」は個人向きなら達成可能ですが、業界としては不可能に近いと思います。上達できた時点で管理職への移動を望むのが普通ですので。
Posted by: Park yongjin | April 02, 2008 03:15 PM
「~するべき」は「~しなければいけない」に統一。
前者だと努力目標と解釈されても文句は言えない。
Posted by: ぺ | April 05, 2008 10:34 PM
ぺさん、こんにちは幸地司です。
日本語ぺらぺらな中国人SEに聞いたら、「~するべき」と「~しなければいけない」は同じ意味だと認識しているようです。
そして、できれば「~するべき」に統一してほしい。なぜなら「~しなければいけない」は二重否定っぽく、日本語に不慣れな外国人にとって意味を理解しづらいとのこと。
「ni應該去看々」
應該(ying gai)
「ni一定要去看」
一定(yi ding)
「ni必須要去看」
必須(bi xu)
Posted by: 幸地司 | April 05, 2008 10:35 PM
~しなければいけない」は「~するべき」に統一すべきではないと思います。←意味が違うと思います。
アンケートの答えとしては、発注側が、相手の立場を考えて、分かりやすい仕様書を作る必要があります。それは、開発効率をアップする基本と思います。仕様書を書く目的の1つは、開発者への意思表示だから、分かりやすくする工夫が当然と思います。
相手のことを考慮するのは、元々に日本人の強みでしょう?
日本人として、正しい日本語、美しい日本語を書くべきと思います。当然、受注側も仕様書を理解することに努力しなければなりませんと思います。
Posted by: 聶 | April 05, 2008 10:36 PM
「~しなければいけない。」という表現は避けた方がよいと思いますが、代案が「~するべき。」というのもヘンです。幸地さんが書かれているように「べき」は ”should” だからです。
ひらじさんが書かれている、「~する。」にすれば誤解は生じません。
Posted by: 小田原 | April 05, 2008 10:37 PM
どちらかが、という問題ではないと思います。双方が理解を進めて歩み寄るべきではないでしょうか。
Posted by: ビワ | April 05, 2008 10:39 PM
私の意見は『「~しなければいけない」は「必ず~する」に統一すべきである』です。
他の方もおっしゃっているように「~するべき」は努力目標にとらえられます。
一方で、発注者が必ず文書作法の遵守に責任を持たなくてはいけないかというと、ビワさんのおっしゃるように双方での歩み寄りが必要なので努力目標で良いかと思います。
Posted by: おおさけ | April 05, 2008 10:40 PM
文学小説であれば、どちらもよいのですが、
ソフトウェア仕様書に書くことでしたら、
「~するべき」と「~しなければいけない」のどちらも禁止語にすべきです。
仕様は、何をどうするかを明確にするものであるため、簡潔に「する」で表現すべきです。
ただ、設問の「発注者が文書作法の遵守に責任を持つべきである。」については、当然仕様書の作成要領を取り決めている日本側の責任になります。
また、仕様書の文言については、オフショア開発するからいろいろ、相手先に気を使って規定しなければいけないことではなく、同じ日本内の開発ベンダーに発注する際にも必ず必要なことです。
「あいまいな表現で作られた仕様書」は、発注側と受注側のどちらに対しても不幸なことであると私は思っています。
Posted by: サクライ | April 05, 2008 10:41 PM
聶さん、こんにちは幸地司です。
> 日本人として、正しい日本語、美しい日本語を書くべきと思います。
正論ですが、曖昧な主張ですね。私は「音」を大事にするため、どちらかといえば美しい日本語に賛成派ですが・・・。
来日間もない中国人IT技術者が東京都内のファーストフード店に立ち寄りました。
店員から「店内でお召し上がりになりますか?」と聞かれましたが、意味不明だったそうです。店員が気を利かせて「こちらで食べますか?」と言い直したところ、今度はバッチリOK。
後から、この中国人は「丁寧な日本語は分からない」とぼやいていたそうです。
Posted by: 幸地司 | April 07, 2008 11:17 AM
小田原さん、ビワさん、おおさけさん、サクライさん、こんにちは幸地司です。
解決策は十人十色ですが、こうした問題に意識を向けることが解決に至る第一歩だと思います。ご意見ありがとうございます。
「歩み寄り」や「擦り合せ」はハイコンテクストな表現ですが、私は好きですし、それなりに活用します。
Posted by: 幸地司 | April 07, 2008 11:18 AM
Park yongjinさん、こんにちは幸地司です。
いつも積極的にご意見をくださり、ありがとうございます。
>「てにをは」ですが、中国語に無いわけでは無く文法的に解析する場合
>幾多の意味を持つ故、初心者が苦労するだけだと思います。
追加説明をおねがいします。
可能なら、いくつか具体例を挙げてください。
よろしくおねがいします。
Posted by: 幸地司 | April 07, 2008 11:19 AM
こんにちは。
どういたしまして、こちらこそいろいろ考えることが出来ましてありがとうございます。
コメントボードでの追加説明は難しいと思われまして、私のblogに記述しました。
http://piaoyongjin.blogspot.com/2008/04/blog-post.html
ご参照まで。
Posted by: Park yongjin | April 08, 2008 04:57 PM