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よかれと思って残業 → 不良在庫の山

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先週金曜日は、第27回オフショア開発勉強会(東京場所)。受講者19名、講師陣2名、そして私を加えて総勢22名で会場を埋め尽くしました。日本橋セミナールームがぎっしり満員となる大盛況に大感激です。

当日になっても全く連絡せずに無断欠席された方が2名いました。一両日中に連絡がないと、次回から当社主催のあらゆるイベントにご参加になれませんのでご注意を。
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テーマは、サルでもわかる CCPM (Critical Chain Project Management)。たっぷり3時間、巧妙に設計されたゲームを通して、TOC の制約条件を徹底的に活用することを体験しました。短時間で理屈を体に叩き込まれて、すがすがしい気持ちになりました。

*TOC(Theory of Constraints=制約条件の理論)
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CCPMにより「残業が大幅に減った」、「納期遅延がなくなった」などのお話がありましたが、あながち嘘ではなさそうです。ただし、強烈なトップダウンで現場を改革する強い意志が欠かせません。

あまりにも簡単に改善効果が得られるため、つい“なぁなぁ”の興味本位で取り組んでしまいそうですが、生兵法は怪我のもと。顧客を含めた利害関係者への根回しが不十分だと、すぐに化けの皮がはがれて大怪我します。

名著ザ・ゴールを読んだ人は覚えているでしょうが、TOC の実践では、あくまでも制約条件の能力改善にのみ集中します。つまり、TOC では、プロジェクトの足を引っ張るボトルネック以外には基本的には興味がありません。

ですから、プロジェクトメンバが制約条件に無関係な場所で一生懸命に頑張っても、TOC の観点では全く評価されません。むしろ、全体の生産性を悪化させる原因になるので、何もしない方がましだと叱られます。プロジェクトメンバの一体感を醸成する効果がある、善意の“つきあい残業”もCCPMでは御法度です。

連日、無謀な残業を繰り返すあなたへ。TOC の観点では、活動目的に直結しない努力は、全て無駄な在庫を作り出す行為です。そろそろ、あなたの残業をやめませんか。残念ながら、ほとんどの場合は、あなたが頑張って残業しても仕事の納期短縮にはつながりません。さらに、残業すればするほど損失が拡大します。人材も疲弊して潰れます。

日本側がボトルネックなのに、中国に増員を要請して人海戦術で乗り切ろうとしてもパフォーマンスが改善されないことが、CCPM的に説明がつきます。

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か、ダイヤモンド社 (2001)

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