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チーム・ダーウィン Natural Selection

本当はタレが好きなのに「焼き鳥にはタレよりも塩」と自分にウソをついて見栄っぱりな選択をしてしまう人がいます。自分の意思ではなく、他人の目を意識しすぎた行為です。

同様に、ピーター・M. センゲの「最強組織の法則」を読んだけど、核心部分に到達できず全く共感を持てなかった。でも、今さら「センゲの学習する組織って何さ?」と言えない恥ずかしがり屋さんに朗報となる一冊を見つけました。

いくら名著と誉れ高くても、何となく気が乗らずに読み進められない本ってたくさんあります。「7つの習慣」しかり「失敗の本質」、はたまた“トム・デマルコ”とか。

今年6月に発刊された「チーム・ダーウィン」は、前出の学習する組織を読みやすい物語形式で解説するさわやかなビジネス小説です。センゲ通ならともかく、普通の人は、この本が「学習する組織」を疑似体験する流れになっているなんて、後付けで解説されない限り分からないでしょう。

前半部分で小説ではご法度とされる「視点変更」があり、一瞬おやっと戸惑いました。厳しい基準を適用すれば、そこはマイナス評価です。しかしながら、あくまでも、さらっと読み切る“ビジネス小説”と割り切れば、全く問題ありません。しかも、最後の場面では涙そうそうしたし。

末尾に添付された「エピローグ」は、ビジネス脳を使って読み返すと学習効果が高まります。

今までぼんやりしてた「自己マスタリー(personal mastery)」とは何かが、本書をきっかけに腑に落ちました。「自己マスタリー」という空虚な言葉が、過去の体験や既存知識としっかり結合した心地よい感覚です。

一方、「システム思考(systems thinking)」については、この本では十分に体感できませんでした。個人的には少し残念なところ。

最近の私は「対話」がマイブームになっています。自然との対話、意思決定プロセスを支える対話、北朝鮮との対話など、「対話」という単語は様々な局面で用いられます。これら3つは、全て異なる意味を持ちます。不思議な響きですね「た・い・わ」。

本書でも「対話」の持つ威力が十分に表現されています。ところで、なぜこの時代、改めて対話が再認識されるようになったのでしょうか。それは、合理性や論理思考(logical thinking)といった直線的な思考一辺倒ではビジネスが立ち行かなくなったからだと思います。

最初から本質をじっくり味わうことのできる「焼き鳥は塩派」には物足りない本ですが、今まで名著を“読んだふり”してきたあなたにこそ、お薦めします。

チーム・ダーウィン 、熊平 美香(著)、英治出版 (2008/6)

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