暗黙の慣行・ルールを見直す/共有する
身なりの重要性
日本の職場に相応しくない服装、髪型、持ち物など、これで失敗する中国人オンサイト技術者は少なくない。
(プレミアム版メルマガ 2008/07/09号)
オフショア開発では、日本の商習慣が通用せずトラブルが発生することがあります。この背景にある根本原因を探ってみましょう。
・初回のトラブル
特に目新しい発見はありません。トラブルの大半は、中国人技術者の勉強不足や経験不足、あるいは日本人窓口の過剰反応が原因です。国民文化や商習慣の違いだけではなく、企業文化の違いも見逃せません。
・二回目のトラブル
明文化したコーディング規約が遵守されないなど、オフショア開発では同じトラブルが再発するなんて日常茶飯事です。規約の重要性が理解できず勝手にルールを逸脱する自分を正当化する(「こんな規約は無意味です・・・」は典型的な発言)、理解できなくても面子が邪魔をして質問できない、日本語によるQ&Aが面倒なので、とりあえず目先の作業を優先する、などの理由から同じトラブルが再発します。
日本人の「これくらい言わなくても分かるだろう」や「一度注意したから次は大丈夫だろう」という以心伝心を期待する態度。さらに、「前に一度注意したから、二度目のミスは中国側が悪い。オレは知らん、責任はとれない」と開き直る態度もよく知られています。
他にも「仕事はミスしながら覚えるものだ」との丁稚奉公を連想させる日本的な仕事観から、中国側のトラブルを予期しながら放置する姿勢も珍しくありません。職人気質の日本人と、3年後は一直線に管理職を目指す中国人プログラマの気質が激突します。
■問いかけ
・三回以上繰り返されるトラブル
オフショア開発で同じようなトラブルが三回以上繰り返される時、どんな原因が考えられるでしょうか?
【中国側】
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【日本側(回答例)】
プロジェクトメンバがルールに反した際、日本人には厳しく指導しても、中国人正社員や出張中のブリッジSEは大目にみて、あまり指導しないから。
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Comments
日本側(回答例)に賛同します。
文化の差異だと思います。
日本では部下を育成するため、叱る。
中国は嫌いな部下を叱る。育成したい部下を教える、褒める。
プロジェクトメンバーを指導すると、嫌がらせる気持ちが取られる可能性があるから、普通はよく知っている友人みたいのメンバーに限って指導します。
日本でも、協力会社のメンバーをあまり指導しないと思います。
後輩育成する方法は中国の会社では授業の形で教えるのは普通です。問題が発生した時の叱るはなかなか欠けている感じがします。
中国人正社員またはブリッジSEは日本の会社で正社員の体験がないと、後輩を育成する方法が理解できないと思います。
話題を変えてしまい、申し訳ありませんが、ブリッジSEを選択する条件は日本の会社で正社員になる経験があるかどうかを考えたほうがいいかもしれません。
Posted by: レイコ | September 08, 2008 01:33 PM