中国派遣者・出張者が満たすべき最も大事な条件=「尊敬」
中国派遣者・出張者が満たすべき最も大事な条件は何か?
「信頼関係」も大事ですが、あるベテラン指導員は、あえて別の「ある単語」を連呼しました。・感謝 (26票) 38%
・尊敬 (25票) 36%
・躾(しつけ)(18票) 26%
(オフショア開発フォーラム調べ)
オフショア開発を成功させるために中国に派遣もしくは出張する者は、次の3領域への適応が求められます。
1.仕事への適応
漢字表記された“管理”、カタカナ表記の“マネジメント”、ならびに英単語“management”の意味の違い。日本と中国とマネージャの自由裁量度の感覚の違い。レビュー方式の違い。プログラマの責任範囲の違い。出世スピード。職場での衝突・対立の違い・・・。中国派遣者・出張者には、これらへの適応が求められます。
2.中国人との対人適応
日中の文化的相違に基づく価値観の違い。明文化されたルールや暗黙の規範の違い・・・。中国派遣者・出張者には、これらへの適応が求められます。
3.仕事以外の一般的な環境への適応
いわゆる中国式○○への適応です。食事の作法やマナーの違い、政治や宗教のしきたり・タブー、交通規範・交通手段、娯楽、日中の歴史観の違い・・・。中国派遣者・出張者には、これらへの適応が求められます。
参考)『海外派遣とグローバルビジネス』、J.ステュアート ブラッ
ク他(著)、白桃書房 (2001)、p167-169
冒頭の質問「中国派遣者・出張者が満たすべき最も大事な条件は何か?」への答えを発表します。
正解は「尊敬」です。
ただし「他を疎かにしてよい」という意味ではありませんので、誤解なさらぬように。
ベテラン指導員曰く「信頼よりも尊敬が先だ。尊敬する気持ちがあれば後から信頼は付いてくる。中国に赴任する日本人は、本社の顔色ばかりうかがわずに、もっと自信を持って中国で暴れて欲しい」と檄を飛ばしました。
■問いかけ
中国派遣者は下記3つ領域への適応が求められます。この3つを適応しやすい順番に並べなさい。
1.仕事への適応
2.中国人との対人適応
3.仕事以外の一般的な環境への適応
凡例:「仕事>対人>一般環境」・・・この順番で適応しやすい
◆仕事>対人>一般環境
◆仕事>一般環境>対人
◆対人>仕事>一般環境
◆対人>一般環境>仕事
◆一般環境>仕事>対人
◆一般環境>対人>仕事
締切:2008年09月30日18時00分
協力:クリックアンケート
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Comments
一般環境>対人>仕事です。
1.本件中国派遣者とは、業務で中国に派遣され長期に滞在している日本人のことを指す(いわゆる駐在員かもしくは長期出張員)と理解します。
2.しかし、幸地はんも、ビミョーな質問してくるねぇ最近、ずいぶん腕あげたなぁ・・・
3.日本人の特長は、世界でもまれに見る会社へのいわれのない忠誠心。
中国人の特長は、会社への忠誠心よりも100倍大きな自分の仕事への熱心さ。帰属組織への忠誠心は蟻の涙くらいでも、職務に対しては組織を超えて非常に熱心。仕事での上昇志向は、日本人は足元にも及ばず、ただしそれがほとんど個人の能力向上を目指すもので、組織力にはなりにくい。
4.従い、日本人駐在員の場合、仕事はそこそこでも何とかこなせる。極端な場合、下に有能な中国人スタッフを揃えれば、日本人はその御輿の上に担がれて、本社とのパイプ役だけを果たしておればそれで事足れり。ところが往々にして能力のない人間が派遣された場合、自分の存在価値を出すために、中国人よりもはるかに高いコストでありながら、中国人社員と同じレベルの仕事をしてしまう。本来なすべき自分の職務に到達せずに、中国人の仕事を奪って、その挙句中国人は給料ほど働かないとぼやいてしまう。
5.さて本題。
小生の手元で失敗させた事業では、その事業に派遣していた駐在員は常に夜一緒に行動して、場末のスナックで中国人小姐相手に、中国の悪く口ばかりをいう。これだから中国はダメだ。郵便ポストが赤いのまでも、中国のせいにしてしまう。そうした夜な夜なの愚痴を、出張したときに聞き役に回って居たが、まるで進歩がない。年季が明け、日本に帰れる日々を指折り数えながら、結局酒で体を壊して、任期前に返した人間ばかりだった。
まず、駐在員というのは、その国に馴染むもの、その国を棲家として、その国の国土や法律、文化の上で仕事させてもらっていることを認識すべし。それができないと駐在員にはなれない。その意味で、一般環境に馴染むこと、更に言えば、その国を好きになり、理解しようと勤めること。この姿勢がなければ仕事もうまくいかない。相手の文化を理解しないままでは対人関係も成立しない。まず必要なのは一般環境=その国に住むことに慣れる。これが大前提。
その上で、自分と接する機会が多い会社周りに人間との対人関係・・・これも結局人間としての付き合いが大事。相手を信用しない、夜毎にスナックで酒をあおって中国の悪口を言っているような御仁では、人間関係に敏感な中国人の信用は得られない。
棲家としての国や地域を理解し、その上に立って日ごろ付き合う人との関係を、普通の人間関係にすれば、仕事上の問題は自ずから解決する。
以上
Posted by: 芋 たこ 北京 | September 28, 2008 09:11 PM
芋 たこ 北京さん、こんにちは幸地司です。
>2.しかし、幸地はんも、ビミョーな質問してくるねぇ最近、ずいぶん腕あげたなぁ・・・
恐れ入ります。よき先輩とよきパートナー、良書、そして志の高いクライアントに恵まれ、すくすくと成長しております。
>棲家としての国や地域を理解し、その上に立って日ごろ付き合う人との関係を、普通の人間関係にすれば、仕事上の問題は自ずから解決する。
よく読むと、一般環境と対人への適応が大切でかつ難しい。仕事への適応は、前の2つと比べると「容易」ともとれますが、いかがでしょうか?
> 一般環境>対人>仕事です。
もしや、↑は難易度の順番ではなく、プロセスの順番を示したのかな? もしそうなら、上記説明は納得です。
Posted by: 幸地司 | September 28, 2008 09:12 PM
幸地さん
ご指摘通り、問題読み間違えていました。
一般環境>対人>仕事という順番は、
適応しやすい順番・難易度の容易な順ではなく、
① 適用すべき順番であり、
② 重要な順で並べ、
② なおかつ、難度の高い順番で並べていました。(汗)
従い、本件は、容易な順で並べると、全く逆の
仕事>対人関係>一般環境となります。
投票した結果のキャンセルって、できないよぇね・・・
Posted by: 芋 たこ 北京 | October 04, 2008 01:33 AM