日本のソフトウェア業界の構造的欠陥
ソフトウェア業界には、次の深刻な問題があると感じています。業界の「欠陥」とはいいませんが、日本のソフトウェアには個人の努力だけではどうしようもない課題があるような気がします。
●自明な問題
・人手不足、タレント不足
●原因(私の仮説)
・異業種からソフトウェア技術者に転身するのは難しいから
・ソフトウェア技術者が異業種に転職するのは比較的に容易だから
要するにソフトウェア業界への参入障壁は高く、撤退障壁は低い。
ソフト会社の優秀なプロジェクトマネージャは、どの業界に転職してもそこそこ活躍するでしょう。でも、一般に逆は難しいとされます。例えば、イベント企画会社の優秀なプロデューサがシステムインテグレータに転職して、優秀なプロマネになれるか? といえば、現状では極めて難しい。
お菓子会社の社長がITサービス企業の社長に転身して、見事に成功を収めました。ても、ナビスコのプロマネがIBMに転職してソフトウェア開発のプロマネが務まるかと言えば、極めて困難だと思います。
ソフトウェア技術者が生命保険のセールスマンに転身するのは十分可能。逆は恐らく無理。ソフト技術者が優秀なホテルマンになるのは十分可能。優秀なホテルマンが、優秀なソフトウェア技術者になるのは極めて難しい。
右肩上がりの成長が続き、ソフトウェア技術者の社会的地位が高ければ、毎年一定数の新人プログラマが業界に参入するため、持続的成長が可能。ソフトウェア業界から出る人(転職+引退)と、新規参入する人の均衡が取れるから。
でも、ソフトウェア業界から出る人と、新規参入する人の均衡が崩れた今、日本のソフトウェア業界はピンチに陥りました。なぜなら、日本のソフトウェア業界は、基本的には労働集約型の産業構造ですから。
先に挙げた「原因」が正しいと仮定するなら、次のような夢の対策があれば課題は解決します。
●高い参入障壁に対して
(IT音痴は克服できないという前提)
・技術は専門学校卒レベルでも、マネジメント系スキルを磨けばプロジェクトマネージャになれるような短期集中の教育プログラムを開発する
・そもそもIT音痴でも、優秀なマネジメント経験者ならプロジェクトマネージャになれるような部品組立&水平統合的な業務サービスを指向する仕事のやり方に変える
●低い撤退障壁に対して
(ネガティブな方法で撤退障壁を上げるはご法度)
・思い切って撤退障壁を限りなくゼロに近づける。例えば、職歴10年以上のIT技術者は、簡単な試験のみで公務員や教職員になれる制度をつくる。
・個人のIT投資を経費処理できるようにする(減価償却も)
・IT技術者同士の国際結婚を増やして、子供をたくさん産ませる(蛙の子は蛙作戦)
・大手システムインテグレータを全て統合して国営化。オフショアを完全凍結して業界を国内で垂直統合する。
以上。
ps.
最後の二つの解決策は、自分でも意味不明だな~。
The comments to this entry are closed.
Comments