« ウイークリーニュースダイジェスト(2008/12/26) | Main | 日本のソフトウェア業界の構造的欠陥 »

分散拠点の一体感を高める方法

集団(group)とは
特定の目的を達成するために集まった、互いに影響を与えあい依存しあう複数の人々をいう。
(ステファン・P・ロビンス)

国民文化によって集団のとらえ方や、集団への帰属意識は異なります。オフショア開発の世界では、人材定着率、チームワーク、サービス残業リテンション(retension)、などでその違いが表面化します。

日本人は、10名未満の身近な職場や数万人規模の巨大なグループ企業も同様に集団として認知して、当該集団に帰属意識を感じます。一般的な中国人の感覚だと、顔見知りのいない巨大な集団に対して、ほとんど帰属意識を持ちません。

特に、期間限定で、顔も名前も知らない寄せ集めのメンバーで構成されるプロジェクトチームに対して、特別な思いを寄せる中国人IT技術者は少ないと考えられます。

日本では、お客様から厳しいプレッシャーを受けながら、正月返上の覚悟で毎晩遅くまで作業しています。ところが、中国拠点で働く開発メンバーは自分の担当箇所が済んだら、さっさと定時帰宅します。

全く一体感のない状況にいらつく日本人窓口担当者。それに対して、中国拠点の責任者はこう反論します。

「我々は日本からの要請を受けて、急遽社内の人員を集めました。大連だけではなく、中国内陸部のA拠点にもそれぞれ開発チームを設けました。中国側の開発体勢は整っています。日本がきちんとコントロールしてください」


プロジェクトチームの一体感がないと嘆く日本人窓口担当者、人海戦術で急場をしのげないのはコントロールが甘いと指摘する中国拠点の責任者。日本側の総責任者(PM)は、予算の制約から、二箇所に分散して開発を進める今の中国のやり方を支持します。

「とにかく大連からA拠点をコントロールするよう指導しなさい」

日本側PMは、チームに一体感のないと嘆く日本人の窓口担当者に厳しく言い放ちます。権限はないのに責任だけ押しつけられた日本人窓口担当者は、それでも必死に中国拠点の指導にあたります。


■問いかけ

どこから手をつけて良いか皆目検討も付かない日本人窓口担当者ですが、とりあえず「分散拠点の一体感を高める」ことから始めようと決意しました。課題は下記2つ。

・日本チームと中国チーム(二拠点)の温度差を埋める
・大連から内陸部A拠点をコントロールする仕組み作り

ここで問題です。

日本チームと中国チーム(二拠点)の温度差を埋めたい。さらに、大連がA拠点をコントロールする仕組みを作りたい。下記選択肢の中から、分散拠点の一体感を高めるための有効な施策を選びなさい。そして、答えの根拠を述べなさい。

◆大連とA拠点のチームをより小規模に分割
◆進捗率やバグ率などを用いて拠点間の競争を促進
◆拠点を超えた仮想チームを形成(大連2名+A拠点4名等)

○結果を見る
○コメントボード

締切:2009年01月06日18時00分
協力:クリックアンケート

|

« ウイークリーニュースダイジェスト(2008/12/26) | Main | 日本のソフトウェア業界の構造的欠陥 »

Comments

3です。相互に依存しなければならない状況をつくることが必要だと感じたためです。

さらにオンサイト(日本)にオフショアの開発リーダーを配置することで日本チームとの連帯感を創出できるのではないでしょうか。私は個人的にこのプランを「オフショアから人を拉致する」と呼んでいます。

Posted by: さかいあつし | December 30, 2008 at 01:10 AM

さかいあつしさん
「オフショアから人を拉致する」は、各社ともよく使う作戦ですね。拠点間の相互依存が強まると、弊害も出るような気がします。

日本と中国の温度差が縮まったどうかを判断する一つの指標は、「互いに名前で呼び合っているかどうか」です。以前「大連が・・・」「東京が・・・」と仕事相手を拠点名で呼び合っていた頃は、信頼関係もなく、ぎくしゃくした関係が続いていました。

そこで、人的交流を含む様々な施策を打った後は、「大連の李さんが・・・」「鈴木さんが・・・」と互いに個人名で相手を認識するようになりました。

当たり前の話ですが、意外に出来ていない組織が多いのでビックリです。以下、私からのお正月目玉プレゼント問いかけ(^^)。

<問1>
拠点間の相互依存が強まる弊害を分析して、それでもなお「拠点を超えた仮想チームを形成」が有効かどうかを検証しなさい

<問2>
日本と中国の温度差が縮まったどうかを判断する指標を出来るだけたくさん挙げなさい。

Posted by: 幸地司 | December 30, 2008 at 09:57 AM

>「オフショアから人を拉致する」

中国から拉致したリーダ人材を、日本のトップと直に討論・対話する機会を与えてみてはいかがでしょうか。一般に、モチベーションアップに絶大な効果を発揮します。

「モチベーションアップ → ・・・ → 温度差が縮まる」を期待。

中国人に限らず外国人スタッフは、社長がわざわざ時間を割いてくれて、自分への期待を言葉で表してくれることに対して感動を覚えます。

チームワーク重視の日本企業では、社長と若手社員が現場で議論を交わす光景は珍しくありません。ですが、少なくとも、欧米企業ではほとんどありえません。中国でも、総経理が技術出身だと、トップと現場の対話はあり得ますが、規模が大きくなるとなかなか難しいのではないでしょうか。

Posted by: 幸地司 | December 30, 2008 at 10:41 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« ウイークリーニュースダイジェスト(2008/12/26) | Main | 日本のソフトウェア業界の構造的欠陥 »