社内の公式行事には「協力会社さんは参加不可」
連休前の賑やかな雰囲気
中国オフショア先は、昨日から一斉にお休みに入りました。理由はお分かりですね。※答えは最後に。
先週は、日本でも多くのソフトウェア開発現場で、和やかな雰囲気で飲み会が開催されたようです。古き良き日本的な社風を持つある中堅SI企業の風景を紹介します。
幹事「部長、今夜の飲み会には、部署の全員に声をかけようと思うのですが、よろしいでしょうか?」部長「いや、まて。今夜は部署が主催する公式の社内行事なので、協力会社のメンバにはご遠慮してもらいなさい」
幹事「そうですか、了解しました・・・(渋々)」
(協力会社さんだって同じフロアで仕事をする仲間なのに・・・)
部署の飲み会を仕切る若手SEの幹事さんは、なぜ部長が社内行事への協力会社メンバの参加を渋るのか理解できません。
・公式飲み会では社内の機密事項を扱うから?
・正社員同士の結束力を強めたいから?
・行事予算の一部が、正社員の積立金でまかなわれているから?
この会社に常駐する協力会社メンバは、社内行事(飲み会)への参加が認められません。飲み会当日の夕方になると、正社員だけが一斉にそわそわして帰宅準備を始めます。幹事を任された若手SEさんは、不条理な状況に頭を抱えつつ職場を後にします。
※正解 1/25から春節休暇(旧正月)だから
■問いかけ
社内の公式行事には「協力会社さんは参加不可」を貫く偉い部長様。そのせいで行事が近づくと憂鬱になる若手SE。
あなたは公式行事への「協力会社さんは参加不可」を支持しますか。社内に常駐する大半の中国人ブリッジSEは協力会社出身なので、飲み会で親睦をはかることすらままなりません。
締切:2009年02月02日18時00分
協力:クリックアンケート
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Comments
一概に賛成とも反対ともいえない。
懇親会・親睦会であれば協力会社参加を”仰ぐ”べきだが、主催が中小企業の場合、社内福利厚生費等の補助に関する費用負担率の調整が必要だったり、会の主旨(腹案)が協力会社”評価”に関する意見交換会(雑駁な意見:評価)である場合もあるので。
→ 欠席裁判・魔女狩りとも言うが。
Posted by: ちり | January 26, 2009 05:48 PM
社内行事とプロジェクト懇親会は別けるべきだと思います。
社内行事は、あくまで社内の内輪であり、主目的が同じ部署でも外部へ出ている事の多い人達との交流など、社内の交流を活発化させる物だからと考えます。
逆に、プロジェクトの活性化を図るのであれば、社内行事ではなくプロジェクトとしての懇親会を設けるべきであると考えます。これは、同じ目的に向かっている者同士のコミュニケーションを深める意味で、必要と考えます。
Posted by: 佐倉 | January 26, 2009 05:49 PM
その他にしたのは、社内の公式行事というのが、何なのかという点が曖昧に感じたので。飲み会レベルが公式行事といえるのか?疑問を感じます。費用が会社の経費ですべてまかなわれるということなのでしょうか。会社の共済会などが、参加者のわりかんで開催するような飲み会であれば、協力会社さんの参加に問題ないと思います。会社の経費で行う新年会ということであれば、協力会社さんにはご遠慮願うことは理解できます。
Posted by: HM | January 26, 2009 05:50 PM
反対に、一票。
理由:
① 日本人と中国人の職業意識の大きな違いの一つが、
日本人は、就職よりも就社意識が強い。どこの会社で働くかが、就職活動中の日本の大学生の興味の中心。一方中国人ではどんな職に就くのかという、就「職」意識が強い。
②その意味で社内常駐者に対する、日本的な所属会社による線引きは、中国人社員には、頭で理解できても、納得性の低いモノになる。
③心情的にも同じ仲間として働いているなかで、突如公式行事の参加で線引きされることに、双方で違和感は発生する。
④新年会を会社経費でやるので協力会社云々は、厳しい日本の税務署相手ならわかるが、中国ではこうした経費面での使い方の中身までを、税務署がいうケースは殆どない。
⑤むしろ私などは、積極的に社内常駐者も、所属組織を良くしたい、利益を上げたいという同じ目的を持つ仲間として、積極的に参加を呼びかけるし、呼びかけてきた。
Posted by: 芋 たこ 北京 | January 26, 2009 05:51 PM
ちりさん
> 欠席裁判・魔女狩りとも言うが
このプロセスが明文化されて、正社員だけではなく組織で働く全員に周知されていればいいのですが、そうでないと「不公平感」が蓄積されそう。
テーマからはずれますが、組織の人的交流網から阻害された従業員の寂しさといったら、大企業・日本人・正社員・男性には分からないかもしれません。
中国もそうでしょうが、日本企業には公に語られない非公式なルールやタブーが多く存在します。新人研修では教えず、ましてや中途採用者や一時的なレンタル移籍者(ブリッジSEなど)が不文律を知るよしがありません。
会議での発言について「お前、あの一言は余計だったぞ」とか「あの場は○○部長が結論を出す役割なんだから、その後で混ぜ返すな」と喫煙所で上司に言われたり、根回しについて「会議にあげる前に、○○課長には内々に相談しておけよ」と居酒屋で飲みながら示唆を受けたり・・・、なんて枚挙に暇がありません。
参考:『実践ダイバーシティマネジメント』英治出版(2008/7) p105
Posted by: 幸地司 | January 26, 2009 06:58 PM
佐倉さん
> 主目的が同じ部署でも外部へ出ている事の多い人達との交流など
これは重要な目的ですね。偽装請負もとい、客先常駐が日常茶飯事のSI業界では、年に2,3回しか本社に顔を出さない正社員もごろごろいますから。
正社員同士だと、日本人の上司が日本人部下に対しては、しばしば飲みながら仕事の面白さを語って聞かせます。飲み会出席を拒む社員や日本語が下手な外国人部下には、そのような機会は滅多に訪れませんが。
Posted by: 幸地司 | January 26, 2009 07:00 PM
HMさん
> 会社の経費で行う新年会ということであれば、協力会社さんにはご遠慮願うことは理解できます。
巷では、社員食堂の値段の違いも問題視されるようです。福利厚生により安い値段(市価の半値)で昼食を食べられる正規社員と、一般値段の非正規労働者・協力会社メンバーの格差問題。
プロジェクトメンバーが揃って仲良く社員食堂で昼食をとる姿は美しいですが、協力会社の一部は「この程度の食事で750円か。できれば外で安く済ませたい・・・・」と心の中でため息をつくひともいるそうな。
うちの食事に文句があるなら「外注さんは外食せよ」と言いたくなりますが、ほとんどの日本企業では、昼食やタバコ休憩など非公式コミュニケーションの中で組織の暗黙知が伝達されます。非正規雇用者にとって、正社員と一緒に時間を過ごさないと、仕事が円滑に進められないという事実は無視できません。
Posted by: 幸地司 | January 26, 2009 07:01 PM
芋 たこ 北京さん
>日本人は、就職よりも就社意識が強い
>中国人社員には、頭で理解できても、納得性の低いモノ
>双方で違和感は発生する
>厳しい日本の税務署相手ならわかる
>同じ目的を持つ仲間として
詳細説明ありがとうございます。こんな意地悪な反論を思いつきました。
(1)日本企業に「就社意識」を持たない外国人が来ても、思ったほどパフォーマンスが上がらない
(2)感情論で「納得できない」と主張する理屈の通じない者はグローバル社会で通用しない
(3)違和感が生じるのは残念だが、多様性に満ちた社会なら利害衝突は避けられない
(4)不正防止や公平性の観点から、公式行事への参加資格限定はやむを得ない
(5)正社員ですら「同じ目的」を持つ仲間であるはずがない昨今、わざわざ非正規雇用者や「就社意識」を持たない外国人従業員を優遇するのは非合理的
Posted by: 幸地司 | January 26, 2009 07:03 PM
「就社意識」を持たないのは外国人もしくは異文化だけではなく、協力会社の日本人も同じです。社内の公式行事には「協力会社さんは参加不可」によって差別されるのも原因の一つではないかと思っています。
Posted by: レイコ | January 27, 2009 12:35 PM
レイコさん
> 「協力会社さんは参加不可」によって差別される
差別と区別の判断が難しいですが、いずれにせよ客先常駐する協力会社メンバが疎外感を味わうのは悲しい事実です。仕事のポータビリティが低い日本企業では、「イベント参加が認められない=人格否定」と認識される可能性すらあります。
一方、いくら多様性マネジメントが大事だからといって「何でも受け入れるべき」かというと、それは否。真面目で手が速い従業員であっても、人前で笑顔が作れないヒトはファーストフード店の接客はできません。恐らくディズニーでも不採用。こうした真面目なヒトが。接客業の世界からは除外されるのは当然。
派遣先の社風に馴染めない従業員(協力会社さん)が正社員から差別的扱いを受けること自体は、必ずしも悪とはいえません。もっとも、時代に合わない非合理的な社風は、適者生存の法則で淘汰されるべきだと思いますが。
Posted by: 幸地司 | January 27, 2009 07:28 PM
幸地さん 意地悪な反論への回答
1) 就社意識を持たない外国人・・・って、考えられますか?日本の常識、世界の非常識。もし、外国人で就社意識を持つとはっきり言う人がいたら、あえて割り切った言い方をすると、就「社」する会社のブランド名にあこがれているだけ、会社の組織風土や企業理念への尊敬や憧れが、そう簡単に生まれてこない。これは実際日本人の新卒の大学生でもほぼ同じ状態だが、日本的な企業の暗黙知文化の中で、自然に習得して就社意識がでるのが日本の特徴であり、その背景には、戦後培われてきたと錯覚している「生涯雇用」がある。
2)グローバル社会だから、理屈が通じるものではない。グローバル社会では、多様性は認められるが、同時にその個人の意思や感情までコントロールすべきではない。
3)違和感と利害衝突は、全く異なる概念。
4)公式行事の中で、飲み会は飲み会・懇親会。社内戦略の会議等なら、当然協力会社には遠慮してもらうが、その後の1年の打ち上げ等は参加させる。
5)十人十色、いや一人十色位に、1人の人間が色々な側面で多様性を持ち、その場その場の価値判断で、色々な組織にボランタリーに参加できる社会になった事は、指摘通り。但し、その中で協力会社の参加が、即優遇とするのは、理論の飛躍がある。優遇するのではなく、同じ仲間として、参加意識を共有する機会を増やすのが、目的。
Posted by: 芋 たこ 北京 | January 28, 2009 03:21 PM
芋 たこ 北京さん
わざわざ意地悪反論に回答をくださり、ありがとうございます。
2/22(日)には、ぜひオフショア大學イベントにご参加ください。
Posted by: 幸地司 | January 28, 2009 03:23 PM
たまに、終身雇用こそ日本企業の競争力の源泉だと真顔を話す人を見かけます。30年前なら「正解」ですが、今では「間違い」。
子育てが一段落した元SEの中国人妻(主婦)が日本で社会復帰しようと思っても、日本的な終身雇用がある限り実力に応じた待遇は受けられません。主婦活用の立場からすれば、日本的な終身雇用は悪魔の制度です。
Posted by: 幸地司 | January 28, 2009 03:29 PM
芋 たこさんの意見に賛成に1票。
日本の常識と言っても、会社はそれぞれです。十人十色、十社十様。どんな飲み会でも人間の感情を繋げる為の目的だと思います。参加意識を共有する。同じプロジェクトでここで区別されたら、仕事の責任感も同様に区別すると思います。社員会費払ってなければ、自払いの形でも、誘われるだけで気持ちが違うと思います。
幸い私が今まで常駐した会社はいつも社員同様な感じで、私自身も社員と同じ気持ちで責任を持って頑張ってきた昨今です。
Posted by: レイコ | January 30, 2009 12:56 PM