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終身雇用はオフショア開発業界に必要ですか

終身雇用とは
学校を卒業してから1つの企業に就職し、その企業で定年まで雇用され続けるという、日本の正社員雇用において一般的な雇用慣行である。明治時代の末から大正時代の初めにかけて発明され、第二次世界大戦終戦後に定着した。
参考:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

オフショア開発と終身雇用の相性を検討します。

1958年アメリカの経営コンサルタントが、日本企業の競争力の源泉は「終身雇用」と「年功序列」にあると発表しました。ある会社、もしくは、ある業界で終身雇用が有効に機能する条件を考えます。

(1)年功序列

能力給や成果報酬を否定。若い世代がたまたま成果を出したからといって、突然基本給が上がるわけではない。年をとったら、成果によらず一定の高収入が約束される。長期間に渡り働き続ける人が、年金・退職金・その他福利厚生で優遇される。


(2)1社だけではなく産業全体が終身雇用を採用する

若い世代が転職しようにも、他社も年功序列なので安い給料しかもらえない。一方、年をとった者は、転職先でも相応の役職と給与が保証される。


(3)人材の移植性(portability)が低い

ある会社で培った技術や経験を他社で活かしにくい。その代り、暗黙知の塊「職人」を尊ぶ文化が醸成される。


以上の3項目が必要条件だとすれば、下記(4)は十分条件です。

(4)少なくとも四半世紀以上、社会全体が安定した経済成長を保つ

若いうちは泥のように働いて会社に尽くしても、経済成長が続く限り将来のリターンは約束される。毎年7%成長を10年続けたら、複利効果で2倍に膨れあがる。成長率26%なら10年で10倍。つまり、自分が積み立てた企業年金や退職金は、長く勤務すればするほど複利効果で増えていく。


上記4項目を、現在の日本のオフショア開発業界(システム業界)に当てはめて分析します。

(1)年功序列

条件を満たす。補助的に成果主義が導入されるも、概ね年功序列は当てはまる


(2)1社だけではなく産業全体が終身雇用を採用する

条件を満たさない。非正規雇用(派遣技術者、フリーランスSE)が大勢いる状況を鑑みるに、日本のオフショア開発業界はこの条件は満たさない。


(3)人材の移植性(portability)が低い

条件を満たさない。プログラマの移植性(portability)は高い。ブリッジSEやプロマネは、どこに行っても引っ張りだこ。


(4)少なくとも四半世紀以上、社会全体が安定した経済成長を保つ

判定保留。1990年代バブル崩壊以降、日本の経済成長率は実質ベースで横ばいか衰退傾向。2008年時点で日本は人口減少国。


■問いかけ

日本企業の競争力の源泉と称えられた「終身雇用」が有効に機能する条件を整理しました。

終身雇用が機能する必要条件
(1)年功序列
(2)1社だけではなく産業全体が終身雇用を採用する
(3)人材の移植性(portability)が低い

終身雇用が機能する十分条件
(4)少なくとも四半世紀以上、社会全体が安定した経済成長を保つ


<問1>
あなたは、この分析に同意しますか?(Y/N)
もしも、同意しないなら、有効な反論を1つ挙げなさい。

<問2>
今後も、終身雇用はオフショア開発業界に必要ですか?(Y/N)

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