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中国IT労働環境の変化「固定期間のない労働契約」

占いを参考にする中国人経営者
日本ではあまり聞かない話ですが、中国では、幹部候補になりそうな社員を登用する際に、その人の誕生日や血液型を聞いて、占い師に自分との相性を占ってもらう経営者がいます。
グローバルソーシングレビュー誌 2009年2月号)

中国オフショアリング業界を取り巻く労働環境の小ネタを紹介します。

・中国では、2008年1月1日に施行した新労働契約法(労働合同法)により、企業側に下記が義務づけられました。

「同じ会社で連続勤務年数が10年以上の場合、期間の定めのある労働契約を2回連続締結した場合、固定期間のない労働契約書を締結しなければならない」


・2008年12月15日、国務院国有資産監督管理委員会主任李栄融氏が中央企業(国有企業)の責任者に対して、次のように呼びかけました。

「職員数の相対安定を維持し、できるだけ人員削減を避けてほしい。賃金カットしても人員削減しない、自宅待機しても失業者を増やさない。各レベルの責任者は身をもって範を示し、先頭に立って困難を克服しながら、経費を削減し、業績と賃金報酬を連携させるべき」


・最近、うちの中国子会社では人材流出がぴたっと止まりました。幹部連中だけではなく、20代伸び盛りのプログラマまで誰も会社を辞めようとしません。


・最近、うちは日本本社の従業員を1割カットしました。開発や運用業務の中国移管を急ピッチで進めていますので、もはやこの会社に事務方は不要です。最後は、私自身の墓穴を掘って、この会社を去ることになると思います。


■問いかけ

景気悪化に伴い雇用情勢が厳しくなる中国ソフトウェア業界では、短期間の雇用契約から長期雇用契約へ移行が真剣に議論され始めました。一部では、中国新労働契約法でうたわれる「固定期間のない労働契約」を根拠に、中国ソフトウェア業界でも終身雇用を採用すべきだとの声が聞こえます。ちなみに、現在の主流は1年契約です。

以上の環境変化を踏まえて、次の各問に答えなさい。

<問題1>

日本的雇用慣行の「終身雇用」を正確に定義しなさい。
※ヒント「終身雇用はオフショア開発業界に必要ですか」


<問題2>

中国新労働契約法でうたわれる「固定期間のない労働契約」と日本的雇用慣行の「終身雇用」は同じですか?(Y/N)


<問題3>

中国ソフトウェア業界の雇用情勢が変化して、固定期間を定めない労働契約が主流となったら、日本企業が負担する人件費総額(オフショア発注金額)はどう変化しますか。ソフトウェア開発プロセスの成熟や生産性の変化を考慮しつつ、答えなさい。

              ※

海外ソフトウェア人材の雇用環境に関するアンケートを実施します。1人1回の投票権利がありますので、どうぞ清きワンクリックをお願いします。

オフショア開発を成功させるためには、中国やベトナムでも固定期間を定めない労働契約に移行すべきだと思いますか? 中国新労働契約法の精神は労働者保護であり、経営側の権利を保護する条文はありません。オフショア発注企業の立場から回答してください。

◆Yes:固定期間を定めない労働契約に移行すべき
◆No:海外では期間限定の労働契約が望ましい
◆どちらでもいい(雇用形態とオフショア成功は無関係なので)

○結果を見る
○コメントボード

締切:2009年02月11日18時
協力:クリックアンケート

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Comments

いつもより回答が少ない。
あまり興味のない設問だったのかもしれませんね。「オフショア拠点の雇用形態なんて知らん」という方も、頭の体操だと思って、ぜひ挑戦してみてください。

Posted by: 幸地司 | February 04, 2009 at 09:57 PM

「どちらでもいい」を選びました。
終身雇用は必ずしも雇用安定に繋がるとは限りません、単価安定には尚更遠いでしょう。例えば逆選択、即ち優秀な人材を流失し、やめってほしい人ばかり残る現象、が起こる可能性もあります。かつでの優秀な方でも、競争の圧力がないと勢いがどんどん失ってしまうでしょう。ので、その文化、その人の望みをcase-by-caseでみたほうがよいではないでしょうか。

余談ですが、とある場所が労働者の基本権利を保護のため、「年休最低でも5日間」の政策を出したところ、もともと10日以上がある企業も5日に合わせたそうだ。

Posted by: 張小東 | February 04, 2009 at 09:58 PM

「どちらでもいい」
理由:上に政策あれば、下に対策ありのお国柄。
国家の規程をいかにして、経営者に有利なように理解/運営するかが勝負。
終身雇用が、労働者の権利保護であっても、給与レベルについては、なんら言われていない。リストラ必要なら、リストラ対象者に対して、最低水準の賃金にすれば、自然とリストラは進む。国家規程には、前年度年収何%以上の減給は違法とかいうのは、なかったと思う。また、成果主義を導入してボーナスポーションを増やして、あえて仕事を渡さない形で、実質的な減給の実行もできる。
雇用を安定させるというような目的だけの実効性を上げるには、海外研修等を増やして、研修帰国後は、2年以内の離職者には研修費用の何割りかをペナルティーで支払う(実際には給与やボーナスから差し引き支給する)ような形を取ればよい。

Posted by: 芋 たこ 北京 | February 04, 2009 at 09:59 PM

張小東さん

> 逆選択、即ち優秀な人材を流失し、やめってほしい人ばかり残る現象

恐ろしい現象ですね。もし、中国ソフトウェア企業で固定期間を定めない労働契約を採用したら、契約交渉の代わりに「目標面談」によって給与が決定されるのでしょうか。実質、従来と同じかもしれませんね。

Posted by: 幸地司 | February 05, 2009 at 03:13 PM

芋 たこ 北京さん

>2年以内の離職者には研修費用の何割かをペナルティーで支払う

こうした労働者を「縛る」慣習は、新労働契約法で厳しく制限されそうですが、そんなことはないのですね。

Posted by: 幸地司 | February 05, 2009 at 03:14 PM

幸地さん

1.現在、中国駐在は終わっていますので、
新労働契約法にこうした条項があるのかは、調べて見ないとわかりません。

2.ただ、一つはっきりいえるのは、
中国人の労働者が、権利を主張しながら義務を果たさない場合が多い事は、日本人以上に中国政府は知っています。
飴と鞭の使い方を知っているからこそ、あの大きな国を大過なく治められるのです。

3.法律でも、良くあるパターンが、先に噂だけを流して世論の反応を取ったり、あるいは、特定の地方にだけ先行試行させて(地方政府の判断という形で)様子を見たりということが頻繁に行われます。

4.中国は「法治の上に立った人治」であり、法律解釈は、有る意味どうにでもなります。例えば日本に2年間研修させ、それも、実務をさせずにきちんと学校で勉強させて、その滞在費から学費まで丸抱えしたとすれば、2年で1000万円近い金がかかる。労働者を「縛る」慣習を制限するにしても、それだけの金額を法律が前提にしているかといえば、していません。

Posted by: 芋 たこ 北京 | February 05, 2009 at 03:15 PM

詳細設計やCodingなどの標準化された下流肯定をアウトソーシングする事が多いので、開発フェーズによって必要な人数が異なります。外部のリソースを活用する際には(オフショアに関わらず)期間限定が良いです。また、顔の見えない分オフショア方が情が絡まず人員調整出来、発注側としては、それもOffshore開発のメリットです。
Offshore側は、協力会社を雇ったり、学生インターンを雇ったりして対応しているようです。

Posted by: zhuye | February 05, 2009 at 03:16 PM

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