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仕様会議で外国語による質疑応答が盛り上がったらどうする

私の目の前で中国語で議論した内容が日本語に翻訳されない
ある仕様説明会では、中国委託先のプロジェクトマネージャ(PM)が通訳を兼ねました。仕様説明の途中で、中国人参加者から質問が出たとき、そのPMは中国語で質疑応答しました。その間、日本語による解説は一切なされません。

中国語による質疑が終わった後に、日本側が議論の経緯を説明するよう求めたところ、「大丈夫です。もう解決しましたから」と笑顔で返されました。


(オフショア大學レポート課題より)

現在執筆中のオフショア開発教科書では、オフショア開発の諸々の課題を集約して5領域に分類しました。

(1) 海外オフショア拠点と良好な関係を構築し維持する課題
(2) 分散環境適応の課題
(3) 多言語コミュニケーションの課題
(4) 異文化コミュニケーションの課題
(5) ガバナンス確立のための役割・責任・権限の課題

前出の事例は、言葉の壁による問題です。いや「問題」と断言するのは大袈裟かもしれません。なぜなら、この時点では、品質・コスト・納期への悪影響はありませんので。ですが、勘のいい読者なら、中国内部の質疑応答が日本語で説明されない状況から、いくつもの危険を察知するでしょう。


<例題>
前出の事例から察知されるリスクを抽出しなさい。

<解答例>

・残尿感
仕様説明で発生した原因が分からないので、次回も同じ質問を受ける可能性があります。もし、仕様書に落ち度があれば素直に指摘してほしいと願う改善大好きな日本人にとって、再発防止の機会を妨げる中国人PMの「優しい」態度には不満が残ります。

・コントロールを失う
委託先のPMに仕様説明の「場」をコントロールされる危険があります。中国人部下の人心掌握に秀でることと、日本の要求仕様を正確に理解することは全く無関係です。仕様伝達の責任は、あくまでも説明する側にあるので、不信感を募らせた日本人とPMとの間でコントロール権の奪い合いが始まる可能性があります。


■問いかけ

中国出張して現地メンバを相手に仕様説明する場面では、通訳の良し悪しが成果を大きく左右します。技術に明るいPMクラスが通訳すると安心ですが、それでも心配のネタは尽きません。

・PM通訳は理解したので、メンバへの説明を勝手にはしょる
・日本の意向を確認せず、PM通訳が勝手に判断する
・PM通訳が仕様伝達の会議をコントロールする
・業務知識の不足からとんちんかんな内容に翻訳される

ここで、いつもの問いかけです。

大勢の外国人メンバを相手に仕様伝達する会議で、突然、外国語(中国語・ベトナム語・英語)による質疑応答が盛り上がりました。あなたは、その内容を全く理解できません。ですが、議論の対象が当該プロジェクトの最重要ポイントであることは明白です。あなたなら、この場面でどう対応しますか?

◆外国語による議論を止めて、逐次通訳させる
◆外国語による議論を止めて、次の話題に進める
◆しばらく放置して、後からじっくり経緯を説明させる
◆しばらく放置して、後から結果を文書で報告させる
◆その他

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○コメントボード


締切:2009年02月17日18時00分
協力:クリックアンケート

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Comments

逐次通訳させるの一票。
1.いつも指摘していることですが、その通訳は目的にあわせて、2種類あり。
商談成立等を目的にした、相手の出方に応じての通訳。
いわば交渉型通訳と、
逐次通訳させる、翻訳機型通訳。

2.両者は同じ1人の通訳でも、その会議の目的により使い分ける必要があり、また通訳を使う場合にも、事前にどちらの形の通訳にするのかを、出来れば事前に話あっておく必要あり。

3.理由:交渉型通訳の場合、交渉を成立させるというゴールが明確であり、それに対するアプローチ-商談成立までの過程は、比較的属人的な要素が入る。
これに対して、属人的な要素が入り込んではいけない場合、例えば仕様の確認等は、確実に相手、その場の参加者が同じレベルで理解する必要あり。属人性を排除するためには、時間がかかっても、逐次通訳で双方の理解を一致させる必要がある。逐次通訳の場合、理解のブレが少ないため。

以上

Posted by: 芋 たこ 北京 | February 11, 2009 at 11:18 PM

アンケットの結果を見ると、「外国語による議論を止めて、逐次通訳させる」を選んだ方は40%ありました。私は、通訳PMとして、こういう場面を何度も経験したことがあります。議論をとめて、いちいち逐次通訳させるのは、議論の雰囲気に合わないし、全員から疑問を引き出すいい方法ではないと思います。十分議論させて、後に議論の内容と結果を確認し、必要に応じて、納得されるまでさらに議論し続けさせた方がよいでしょう。往々にして、仕様説明の時間が予定より倍以上にかかってしまいます。そもそも通訳を介したプロジェクトだったら、うまくいく確率が低くなりますね。上流工程からPMレベルのブリッジSEを参入させるべきだと思います。上流工程の工数が多くかかるかもしれませんが、後に、通訳や仕様説明のための出張、仕様を理解させるためにかかる時間と問い合わせの対応工数、誤解によるミスやバグなどによるロスよりは、ずっと得になると思われます。又上流工程の設計者は多くの場合、後に仕様に関する問い合わせの対応工数を考慮に入れておらず、忙しくて十分に対応できるとは限りません。
もうひとつ、仕様書を英語で書くべきだと思います。日本はお客様至上主義の社会です。何でもお客様の都合に合わせなければなりません。オフショア開発の場合も同様で、仕様書が日本語のものしか用意しません。残念ながら、日本の方は仕様書を書くときに、丁寧に分かりやすくするように書くことを意識しないと、曖昧な表現が沢山盛り込まれてしまうケースが多いです。英語や他の言語に反訳や通訳しないと、その曖昧さには気がつかないでしょう。英語にすることは、そうな難しいことではないと思います。なぜ英語にしないかというと、お客様至上主義や、共に努力してオフショアを成功させる意志が弱いためだと思われます。7,8年前はオフショア失敗の原因は日本側に50%だったが、今は80%にあると私は思います。

Posted by: 王 杰 | February 11, 2009 at 11:19 PM

基本的には、議論を見守ります。通訳担当者がいれば、途中途中で何を話しているのかは確認します。明らかに建設的な議論で無いときや、この後で説明しようとしている内容の場合は制止します。多少言葉がわかってくると、言葉の端々で雰囲気が掴めるようになりますが、それまではなかなか難しかったですねぇ・・・・・

Posted by: あのにます@さいごん | February 11, 2009 at 11:20 PM

重要と感じれば、当然、割り込んで逐次通訳に切り替えてかまわないと思いますし、相手にも会議内容は、参加者全員に情報が機会均等に与えられて議論するものだと認識させる必要もあります。私は、外資系企業の日本法人の日本人社員なので、いつも米国本社の駐在員同士が、英語でやり取りし始める場面で、「ちょっとまって、それ重要なコメントだから、逐次通訳入れてください!」と良くいいます。

Posted by: 後藤智 | February 11, 2009 at 11:21 PM

議論経過も含め内容をすべて把握し判断を下していきたいので、
逐次通訳を選択したいと思います。

Posted by: こう | February 11, 2009 at 11:22 PM

本当の現場担当者であれば、何度も遭遇する事象ですね。

相手が中国人であれば、迷わず「放置&後で説明してもらう」です。

日本語が分からないPG君がしゃべれる貴重な時間です。
いちいち翻訳させた場合の方が、情報伝達漏れのリスクが発生すると思いますがどうでしょうか?


「無断な議論は早めに辞めさせるべきだから。時間の無駄。」
「説明する立場としてなんとなく経過を知っておきたい」
というのは、こちら側の勝手な意見だと思います。

最終的に、BSE(通訳)とPG君で解決してしまう場合と、
こっちに質問される場合がありますが、
いずれにしても、「後で」詳細を聞くのが良いと思います。

Posted by: しみけん | February 11, 2009 at 11:23 PM

難しいですね。
後で説明させて、そこで問題があることが発覚しても訂正させるのは大変だし、
かと言って逐次通訳に切り替えると、折角の議論に水を差して台無しにしてしまう可能性もある。
ある程度は状況での判断になりますね。
「しばらく放置して、後からじっくり経緯を説明させる」を選択しましたが、
状況によっては「外国語による議論を止めて、逐次通訳させる」の場合もあると思います。

Posted by: ぺ | February 11, 2009 at 11:25 PM

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