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2009年オフショア開発業界が進むべき3つの道

今日の記事「外国人技術者は雇用調整弁、オフショア開発は需給調整弁」を書くために、5分ほどネット検索して世論やマスコミ報道の概況を確認しました。

日本では、昔から労働者は雇用調整弁でした。第二次世界大戦後から1980年代までの輝かしい日本の経済成長期ですら、間違いなく日本企業は労働者を雇用調整弁として扱ってきました。同じように、大手企業は下請企業を需給調整弁として扱ってきました。

だからこそ、かつて「人を切らない」と公言した日本人経営者は、世間から神様のように崇められました。逆読みすると、「その他」大勢の経営者は不況期には不本意ながら人を切っていたのです。

*人を切る=人員整理と称する非正規労働者の解雇、契約未更新

ここで問題解決のプロセスを誤ると大事です。原因と結果の因果関係をよく分析すると、昔から日本社会は、不景気になると非正規労働者が人員整理される“問題の種”を抱えていたことが分かります。

昨今のオフショア開発者の悩みは、継続発注できないことによる暗黙知の衰退と人的交流の断絶です。問題の原因は、世界同時不況ではありません。これまで説明した通り、世界同時不況は問題を顕在化させた引き金にすぎません。

ならば、2009年オフショア開発業界が進むべき道は3つあります。

(1)景気回復させてオフショア需給調整弁をこじ開ける(対処療法)
(2)オフショア需給調整弁を閉じたまま体力温存して起死回生を図る
(3)自社のオフショア拠点を景気に左右されない筋肉質な体に変える

民間企業の努力では(1)は難しい。でも、(2)と(3)の道は、どちらも「あり」だと思います。

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