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【クイズ】認知を歪める5つの要因

認知と意味づけ
人は混沌とした状態の中で異文化と接触すると、その体験に何らかの意味を与えて自分なりに解釈しようと試みます。外国人ブリッジSEとの接触を「不快」だと認知しなければ、そこに不快な感情は生まれません。納期まで残り1か月を切ったとき、「あと1か月しか残っていない」と考えるか、「まだ1か月も残っている」と考えるかは認知によってかわります。
「オフショアプロジェクトマネジメント」技術評論社、p108より

<例題>

オフショア開発で異文化適応を妨げる多くの問題は、認知の歪みで説明がつきます。認知を歪める代表的な要因を挙げなさい。

<解答例>

(1)ステレオタイプ
人や事象を自分の思いこみで判断してしまう状態、あるいは、そうした態度。

(2)ハロー効果
ある特徴の際立った評価が他の評価項目にも影響してしまうこと。

(3)選択的認知
状況や背景、自己の経験などの影響要因に基づいて情報を取捨選択すること。

(4)投影
自分の関心や不安・期待などを認知結果に反映させること。

(5)認知的不協和
人はある認知と目の前の現実が矛盾したとき、心の中のもやもや違和感を解消したいと望む心理状態。不都合な事実から目をそらして不協和を解消するために、自分の認知を歪めること。


■問いかけ

オフショア教書では、認知を歪める5つの要因を紹介します。

(1)ステレオタイプ
(2)ハロー効果
(3)選択的認知
(4)投影
(5)認知的不協和


ここで問題です。下記の選択肢(a)~(e)から、認知を歪める5つの要因を説明する内容を選んで、それぞれ項目番号を対応させなさい。

[選択肢]

(a)
普段から残業も厭わず頑張る中国オフショア拠点のメンバなので、きっと納期通りに高品質の成果物があがってくるだろうと信じて疑わない態度。

(b)
普段から残業も厭わず頑張る中国オフショア拠点を頼もしく感じる一方、全く改善されない低い人材定着率に頭を悩ましているとする。このとき、米国プロ野球も人材流動が激しいが名門球団は常に結果を残していると認知することで、中国オフショア拠点の人材定着率の低さを棚上げにしてしまう状態。

(c)
日本語が流暢な中国人通訳をみて、この人はマネジメント能力にも長けているに違いないと根拠もなく評価してしまう状態。

(d)
とにかく「中国人はうるさい」と脊髄反射する態度。

(e)
心に余裕があるときに「スケジュールは、まだ1ヶ月残っている」と感じる一方、同じ状況でも心の平安が乱れているときには「スケジュールは、残り1ヶ月しかない」とますます焦ってしまう状態。

[解答例]
(1)-(a)
(2)-(b)
(3)-(c)
(4)-(d)
(5)-(e)

答えは拙著「オフショアプロジェクトマネジメントSE編」を参照のこと。来週のオフショア開発勉強会にて直々に解説します。

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