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相手の理解度を試す罠

拙著「オフショアプロジェクトマネジメントSE編」より。


互いに顔が見えないオフショア開発では、仕様伝達の精度を検証するための「罠」をしばしば利用します。

(1)要求仕様に記載しない項目に関するQ&Aの発生状況を監視する

要求仕様に記載されなかった暗黙の条件等について、オフショア先に意見を求めます。オフショア先が正確に仕様を理解していないと、とんちんかんな回答が寄せられます。

(2)暫定版テスト項目を提出させて、仕様の穴を指摘させる

日本側で粒度の粗いテスト項目一覧を作成して、オフショア先にテスト項目を詳細化させます。途中で詳細化に行き詰まるはずなので、直ちに適切な質問が投げかけられるかどうかを監視します。


「罠」の利用は賛否両論です。特に、オフショア開発では何より信頼が重要だと考える担当者にとって、上記は裏切り行為に他なりません。そのため、拙著ではこう助言します。

「罠」の利用に心理的抵抗がある人は、予めオフショア拠点のプロジェクトマネージャだけにこっそり相談するとよいでしょう。

■問いかけ

オフショア委託先の理解度を試す「罠」は、倫理上問題があると思いますか?

◆倫理上、問題有り
◆倫理上、問題なし
◆分からない/どちらとも言えない
◆その他

○結果を見る
○コメントボード


締切:2009年04月13日18時00分
協力:クリックアンケート

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Comments

1.中国の委託先との関係は、利害の対立するゼロサムではなく、お互い協力して取引先によりよい品質/納期/価格を提供するパートナーであり、長期的により相互理解/相互信頼の高い関係を目指すものである。
2.相手の理解度を確認するための罠は、徒に双方の不信感を醸しだすための役割しか果たさず、罠をかけた方は引っかかったという事実への自己満足と、掛けられた方は、爾後日本側の指示に対して、ある種の懐疑心を持って臨まざるを得ない。
3.本来有るべき姿は、双方が時間をかけてでも、お互いの認識の溝を双方で埋める努力であり、そのためには現場での時間をかけた話し合いが有効。コミュニケーションは相互理解のもとに始めて成立つもので、一方的な強制は厳に慎むべきである。
以上

Posted by: 芋 たこ 北京 | April 06, 2009 at 02:56 PM

「罠」という言葉からは、上から見下す立場を感じます。日本側が「罠」という意識を持つのであれば、問題があると思います。

アウトソーシングのPJにおいて、委託先の度量を測るため、何らかのテスト的なPJ対応をさせることはありますが、それは、双方が合意してのこと。
やはり、オフショアPJにおいても、事前の合意のもとで、そのような対応をする必要があると思います。

Posted by: ひろせ | April 06, 2009 at 02:57 PM

仕様伝達の精度が低い場合に、受託側である中国を責めるのではなく、仕様伝達しきれなかった委託側である日本のSEへ改善を促すようであれば一定の効果はあると思います。
特にプロジェクトの一部だけをオフショアへ委託する場合は、正確に仕様を理解するのは非常に困難であるはずです。
これは、中国に限らず、日本でも初めて委託するようなベンダーであれば同じ事が起こると思います。
そのような場合、日本企業に対しても「罠」を仕掛けるような手法は有効なのでしょうか?
私はそうは思いません。

Posted by: 大連帰り | April 06, 2009 at 02:58 PM

仕様理解度確認の手法で、特に問題がないと思います。ある意味で、設計書レビュー、ソースコードレビューなどのプロセスと同様なものと考えられます。オフショア限定ではなく、外部発注の場合に有効に利用すればリスク低減に役に立つと思います。

Posted by: 周 | April 06, 2009 at 03:00 PM

「罠」というと厳しい意味を連想しますが、トラップを書き換えると(言い換えると)不思議なことにいやらしさが和らぎます。現場では「トラップ」という人が多いようです。

「罠」ではありませんが、抜き打ちチェックも現場に嫌われます。確かに賛否両論ですね。

飲食チェーン店が覆面調査員を派遣して、お店の対応をチェックするなんて日常茶飯事。こちらは、「罠」と「抜き打ちチェック」の複合技です。

では、覆面調査員が、お店でわざとクレームを出して店員の対応を採点する行為も倫理違反でしょうか? 飲食業では認められるけど、製造業やソフトウェア業ではNG?

Posted by: 幸地司 | April 06, 2009 at 03:01 PM

覆面調査員は、経営スタッフ部門による自社内での品質監理、監査行為であって、パートナーとの利害関係は発生しません。 委託契約の中で、あらかじめトラップ(罠)仕掛ける事により、品質の効果測定を行う旨の合意がとれているならばいいとは思います。 また、トラップによる効果測定を日本の委託先に対しても行っており、中国の委託先にも同様に行うのであれば、これも問題ないと思います。 ただし、中国へのオフショア開発だからというだけで、トラップを使った効果測定を行うというのはいかがなものでしょうか。

Posted by: 大連帰り | April 08, 2009 at 10:19 AM

大連帰りさん、自社内なら「罠」OK。パートナーには「罠」NGという立場ですね。ということは、飲食チェーンのフランチャイズ加盟店に対する「罠」は卑怯であり、中国子会社への「罠」はOKですね(^^;)

以下、「罠」を軟らかい意味で使います。

日本では「罠」を使わない企業が、中国にだけ「罠」を使うのは疑問だとのご意見、なるほど正論ですね。

私は、自社の国際化対応の成熟度や中国との取引形態によっては、「中国特別扱い」を容認する立場です。

一般論ですが、国際化対応(グローバル化)が進んだ多国籍企業では、中国だけを警戒して特別に「罠」を仕掛けるなんて非効率的。対照的に、まるでドメスティックな日本企業が、慣れない中国オフショア開発プロジェクトで戸惑いながらも「罠」を仕掛ける事は、倫理上の問題はないと考えます。

向こう10年、特定の中国パートナー企業と心中するつもりの組織では、相手に「罠」を仕掛ける必要性は薄いでしょう。もしやるなら、「(意地悪系)罠」ではなく「どっきり!」や「ひっかけ問題」という認識だと思います。対照的に、初取引で、単発案件で、かつ複数の取引先の1つとしての中国パートナー企業に対しては、多少強引な「罠」を仕掛けるくらい何ら問題はないと考えます。

いずれにせよ、「罠」というネーミングに大きな問題がありそうです。きわどい局面では、わざと「カタカナ」英語を使って、その場を煙に巻くテクニックも時には有効かもしれません。

Posted by: 幸地司 | April 08, 2009 at 10:20 AM

【罠】、教育の観点でいうならよいかもしれません。

 営業などで取引前に罠を使って相手の力量を測るのもよいでしょう。

 だが、PJ進行中にそれを何のために使うのでしょうか?罠に引っかかれば取引をやめますか?相手をとがめますか?

 相手はその程度か、と喜ぶのか悲しむのか?あんまり生産性がないように思います。

 それより違う方法でいくらでも不足の部分を気づくのではないでしょうか?それを先手、先手で予知して助けてあげるのが立派だと思います。

 何か怪しい、ほんとなの?と疑うときに罠を使って真相を探ることができます。だが、それは信用されていない、何かの恐怖に駆られてうそをついています。そこまで洞察して、信頼関係をまず築きましょう。

Posted by: 包 暁南 | April 20, 2009 at 01:58 PM

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