性悪説による管理と性善説による管理
日本の"ものづくり"の強み
日本の製造現場では、組織や権限の壁を超えて双方向のコミュニケーションが機能します。時には、企業の壁すら取っ払われて、正社員と下請企業、派遣労働者が一つの目標に向かって一丸となって突き進みます。 (オフショア教科書執筆チーム)
今月のグローバルソーシング・レビューより。
中国では数年前まで、品質の良いことを表す宣伝文句は「我社の製品は100%検査しているので安心してください」でした。今では、こんな製品は不安で買えません。2007年、中国製の薬や食品が各国で問題を引き起こした時、中国の検査局のお偉いさんが「たった0.4%か1%しか出ていないのに何故こんなに騒ぐのか、中国いじめではないか」と発言。
輸入各国から「0.4%か1%も不良品が出ているのに、"たった"とは何事か、そんなもの恐ろしくて口にできない」と顰蹙をかってしまい、中国製品の売上が激減しました。
佐藤忠幸“品質作り込みの最前線”GSR誌2009年5月号 pp.13-15)
2009年5月号のテーマは「品質作り込みと検証技法の最前線」
一部の人にとっては常識ですが、検査だけで不良品を抑える事はできないというのが製造アウトソーシング現場の共通認識です。
<クイズ1>
「検査」以外の、不良品を抑える有効な手段は何ですか?
ISOやCMMIなどの国際標準に取り組み、全工程に監視カメラを設置したからといって、製造拠点の生産性と品質が改善されるとは限りません。つまり、性悪説を前提とした品質管理には限界があるということです。中国でも、性善説を品質管理できるポイントが必ずあります。
<クイズ2>
性善説に基づく品質管理を支える有名な手法(原則+行動指針)を1つ挙げなさい。
<クイズ3>
性悪説による管理が優れていると思われる領域を1つ挙げなさい。
■問いかけ
<クイズ1>の答え
品質の作り込み
<クイズ2>の答え
5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)運動
<クイズ3>の答え
情報セキュリティ管理
ここで問いかけです。
<問1>
ソフトウェア開発職における5Sの直接的効果を挙げなさい。
<問2>
ソフトウェア開発職における5Sの間接的効果を挙げなさい。
<問3>
次の活動は、5Sのどれに相当するか答えなさい。
(1)構成管理
(2)ソースコードにわかりやすいコメントを記載する
(3)交易会でもらってきた大量のパンフレットを破棄する
(4)自作ツールの導入マニュアルを整備して、部署内に展開する
(5)リファクタリング (refactoring)
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Comments
<解答案>
(1)-整頓
(2)-清潔
(3)-整理
(4)-整頓か躾?、もしくは該当なし
(5)-清掃
いかがでしょうか?
Posted by: 幸地司 | May 26, 2009 07:56 AM