サービス水準を意図的に低下させる慣行
SLA(Service Level Agreement)とはSLAとは、顧客とサービス提供者との間で取り決めたサービス水準の合意書です。サービス範囲、優先度、責任、保証、瑕疵担保に関する合意を交わします。サービス水準は、目標値や最低限、組織のパーフォーマンス水準を示す測定可能な平均目標値などで設定されます。
必ずしも中国に限った話ではありませんが、オフショアアウトソーシングを長く続けていると、いつの間にかサービス品質が低下する現象が確認されています。
これを、夫婦の倦怠期やマンネリ化に喩える人がいますが、間違った問題分析です。
問題の根本原因は、意図的なスタッフの入れ替えです。提供するアウトソーシングのサービス品質が高まった頃を見計らって、チームにこっそりと新人や未経験の転職者を加えます。と同時に、短い引き継ぎを経て習熟した中核従業員を他チームに引き抜きます。
この現象は、品質劣化を招く悪しき慣行です。アウトソーシング業者の利益確保のためにはやむを得ない措置だとする意見もありますが、長期的には顧客満足度の低下が容易に推測されます。また、企業倫理(business ethics)の観点からも疑問視されます。
■問いかけ
ラボ契約のサービス品質を高い水準で維持するために、常時監視すべき項目を検討しなさい。
<回答例>
・スタッフ入れ替え人数、入れ替え率
週間流動率 5%以下
年間流動率 60%以下
スキル経験(たとえばメンバーの75%以上は3年以上の経験者)
・新入りスタッフの事前研修の修了証明
オフショア大學の受講証明証を取得済みかどうか
顧客業務に関する6時間トレーニングを受講済みかどうか
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