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日本的柔軟性や行間を読む力は「魅力的品質」か?

トップの主張
我が社は品質第一です。オフショア開発でもバグゼロを目指します。

あくまでも一般論ですが、「品質第一」というセリフは上位者の思考停止を意味します。

理由1:品質の定義が曖昧
理由2:プロジェクト成功要因の優先度はトレードオフで決まる


●理由1:品質の定義が曖昧

品質は、当たり前品質と魅力的品質に大別されます(*1)。ISOでは、ソフトウェア品質を6つのカテゴリに分類します。
・機能性
・信頼性
・使用性
・効率性
・保守性
・移植性

あなたの会社がどの品質特性(ベクトル:vector)で、どれくらいの水準(スカラー量:scalar)を目指しているのか、利害関係者の合意形成が求められます。

*1)オフショアプロジェクトマネジメントSE編、技術評論社(2009)

<ケース1>
あるオフショア受託企業では、日本での勤務経験を持つ幹部を複数揃えていて、日本的な「お客様は神様」を合い言葉に臨機応変に対応する柔軟さを自社の「魅力的品質」だと自認しています。ところが、お客様の側は「日本文化の理解」や「お客様は神様」の精神なんて、必要最低限レベルの「当たり前品質」と考えているかもしれません。もしそうなら、極めて重大な認識の乖離です。


●理由2:プロジェクト成功要因の優先度はトレードオフで決まる

現実には「出張禁止」「コンプライアンス」「親会社の都合」云々と様々な制約があり、結局は品質より大事なことがたくさんあります。


■問いかけ

あるオフショア受託企業では、日本での勤務経験を持つ幹部を複数揃えていて、日本的な「お客様は神様」を合い言葉に臨機応変に対応する柔軟さを備えています。お客様が仕様書で表現できない「行間」を読んで、あうんの呼吸によってシステムを作り上げます。

これは「魅力的品質」ですか? それとも「当たり前品質」ですか?

◆魅力的品質
◆当たり前品質
◆その他

○結果を見る
○コメントボード

締切:2009年06月11日18時00分
協力:クリックアンケート

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Comments

行間を読む能力は必要だとは思いますが、かえって邪魔になることもあります。
行間があることを検知して確認し文書化することのほうが重要です。

Posted by: 九山隆司 | June 03, 2009 at 11:08 PM

丸山さん
「行間を読む」能力は必要条件だけど、十分条件ではないというご意見ですね。

Posted by: 幸地司 | June 03, 2009 at 11:09 PM

「その他」を選択した方がいますが、どういう意味でしょうか。「行間を読む」なんてことは、そもそも品質にすらならないってことかしら。それとも、ケースバイケースで一概には決められないという意思表明でしょうか。

Posted by: 幸地司 | June 03, 2009 at 11:10 PM

日本経験がなくとも委託社側のシステムを熟知した上で「行間が読める」人材が育てば、オフショア開発大成功だと思います。

ただ、「行間を読む」余地を少なくするプロセスをいかに構築するかが品質向上の鍵と思っています。

Posted by: 大連帰り | June 05, 2009 at 12:14 AM

大連帰りさん

1) 委託社側のシステムを熟知した上で「行間が読める」人材が育てば、オフショア開発大成功

2) 「行間を読む」余地を少なくするプロセスをいかに構築するかが品質向上の鍵

2つの主張から、「委託社側のシステムを熟知」することがオフショア成功の必要条件で、「行間が読める」ことが十分条件という考えを持っていることが伺えます。

ということは、以下の命題が成り立ちます。
委託社側のシステムを熟知しているからといって、必ずしもオフショア成功するとは限らない。一方、相手に行間を読ませる必要がないほどプロセスが成熟した組織では、オフショアはほぼ間違いなく成功する(※)。

※例外
・仕様変更多発などの環境変化があったにも関わらず、プロジェクト成功基準が見直されなかった場合
・悪意を持った者によるプロセス破壊が起きた場合
・標準プロセスに準拠できないほど未熟な開発者が投入された場合
・地震や政治動乱など予測不可能な事態が発生した時

Posted by: 幸地司 | June 05, 2009 at 12:15 AM

>「行間を読む」余地を少なくするプロセスをいかに構築するかが品質向上の鍵と思っています。

ソフトウェア請負開発において、日本と中国・インド・ベトナムを比べた時、「行間を読む」能力は日本の絶対優位かつ相対優位を誇る分野です。

将来、日本人よりも外国人の方が上手に「行間を読む」なんてことは考えられません。したがって、日本には「行間を読む」能力の絶対優位は永遠に残ります。

ところが、もしも、請負開発のプロセスから「行間を読む」余地が減らされると、多くの日本企業の相対優位がなくなります。国際貿易の原則に照らし合わせると大変な事態になることが予想されます。


<ミニクイズ>
開発プロセスの標準化に成功して、「行間を読む」余地が限りなくゼロに近づいたソフト請負会社があったとします。この会社で働く従業員の国籍、年齢層、平均勤務年数/給与体系/人事評価で重視すること、を予想しなさい。

ヒント:日本人/正社員/男性/長期雇用慣行/年功序列/contentsとcontext

Posted by: 幸地司 | June 05, 2009 at 12:17 AM

コメントいたします。

>将来、日本人よりも外国人の方が上手に「行間を読む」なんてことは考えられません。
>したがって、日本には「行間を読む」能力の絶対優位は永遠に残ります。

上記の記述に同意しかねます。根拠を提示していただけませんか?現在の状況からの立証でもかまいません。

Posted by: 包 暁南 | June 16, 2009 at 11:15 AM

失礼。情報を省略しすぎました。

日本社会で「行間を読む」能力、あるいは日本語文書の「行間を読む」能力について言及しています。

中国社会で中国語によるビジネス環境の「行間を読む」能力については、当然ながら現地の人が永遠に優位性を誇るでしょう。

この程度の説明でいかが。

Posted by: 幸地司 | June 16, 2009 at 01:04 PM

更に補足。

特定の個人の話題ではなく、平均的な日本人、平均的な中国人を対象に考えています。

つまり、日本で日本語による一般的な商慣習で「行間を読む」能力は、平均的な日本人の方が平均的な中国人よりも優れている。しかも、永遠に逆転されることはないという主張です。

Posted by: 幸地司 | June 16, 2009 at 01:08 PM

 ありがとうございます、理解することができました。
 一般的に日本人が日本語の仕様書の行間読みは絶対優位でしょう。
 日本語を用いるビジネスにおいてはそうだが、言語ベースで論ずる国際的な相対優位性との関係が薄いと見ます。「行間を読む」とは【常識ではこうです】【これじゃこまるでしょう】と親切心でお客様のために定義してあげることではないでしょうか。【以上】の定義など言語的なものを除いて、仕様は論理的思考がもっとも徹底すべきです。
 だとすると日本人の行間を読む力は何の優位性もありません。
 「私の仕事を取るな」と外国人に怒られる日本人の逸話は皆さんご存知の通り、日本人の親切心は必ずしも正解ではありません。

 私はこのような日本人がすきですが。。。笑

Posted by: 包 暁南 | June 16, 2009 at 04:17 PM

連続カキコすいません。
 初来日した中国の方でマクドナルドの営業スマイルに圧倒されて、自分にほれていると勘違いをし、告白する始末に発展しました。
 笑い話ですが、これは「魅力的品質」と解釈すれば、日本人なら「当たり前品質」となんとも思わないでしょう。
 最低限の機能さえ満たせばいい、汎用性、保守性などできるだけ多く網羅した考慮をほどしたものがいいと確かに文化によって解釈がそれぞれだと思います。

 仕様書として行間のニュアンスをできるだけ単一にすることがもっとも品質を確保する効果的な手段だと今でも思っています。それだけ行間を読む余地を残したまま相手に「そのぐらいわかってくれよ」というのはあんまりにも手抜きではないでしょうか?

 さらに、顧客⇒日本企業⇒オフショア請負企業(外国)とブレークダウンしていくのがもっとも一般的だが、「顧客第一」と日本企業が叫びながらオフショア開発の外国企業の方にどれだけ仕様策定に参加させているしょうか?決定権、交渉権を付与していますか?彼らにとってのお客様は日本企業と認識しているのではないでしょうか?彼らに動機付けるため、仕様修正の提案、改修に使う費用などポジティブな前提条件を示していますか?日本の抱え込みの開発環境と彼らの環境は漁民と農耕のように根本的に違います。

 もっとも大事なのは「仕様書がまだ未完成で不備があると思われます。常に修正と提案をしていただき○×を満たすようお願いします」と認めることです。「一分銭、一分貨」まず互いの基準を明文化していくべきです。

Posted by: 包 暁南 | June 16, 2009 at 04:19 PM

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