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キックバックや領収書のない個人的な謝礼

今年の夏、私は2つの大きなテーマに取り組みます。

1つ目は、業務の切り出し。このテーマは、SEやプロマネが個人的に抱える仕事を棚卸して、組織の生産性を向上させる技法を含みます。8月オフショア開発勉強会でこのテーマを詳しく扱います。

2つ目は、世界に目を向けたグローバリゼーションです。地政学、貧困問題、国際政治、マクロ経済・グローバル経済を包括する壮大なテーマです。

昨日の問いかけ「今後も中国オフショア開発は安全か?」に回答するためには、日中関係だけではなくグローバルな視野と視座が必要です。

「今後も中国オフショア開発は安全か?」と問われたら

外交官には外交官なりの、オフショア実務者にはオフショア実務者なりのグローバリゼーションの知識と適応力を身に付けたいものです。


グローバリゼーションを学びはじめると、必ずといっていいほど企業倫理(Business Ethics)の問題に直面します。コンプライアンスと企業倫理の違いは何ぞや、と思った人は鋭い。疑問を感じたらすぐに調べましょう。

日本ではタダの部長が、海外派遣された途端に現地法人の経営幹部となる人事。これを目の当たりにして憤慨するあなたは、一つ上のグローバルリーダーを目指すために次の問いに挑戦しましょう。


■問いかけ

ビジネス環境に個人関係が深く入り込む中国やベトナムでは、仕事の仲介者が売り手から謝礼をもらうキックバックが正当な商習慣として認識されています。そのため、会社の調達担当者が調達先から不正に賄賂を受ける事件も横行します。海外オフショア事業を成功させるためには、「郷に入らば郷に従え」の格言通りに日本企業もキックバックや領収書のない個人的な謝礼を支払うべきでしょうか。

<選択肢>

(1) 正当な商習慣として支払うべき
(2) 日本で認められないキックバックは支払うべきではない
(3) どちらとも言えない

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締切:2009年08月08日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/

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「今後も中国オフショア開発は安全か?」と問われたら

<問い>
オフショア推進に否定的な事業本部の役員から「今後も中国オフショア開発は安全か?」と冷ややかな視線が送られました。オフショア推進の草の根運動を展開するあなたは、どのように答えれば良いでしょうか。次の選択肢のうち、最も不適切な答えはどれでしょうか。

<選択肢>

(1) 既に中国オフショア開発に着手した競合他社の情報を提供する
(2) 新規事業の成功率は「千三つ」、まずは挑戦しようと訴える
(3) 「中国オフショア無しで当社は15年後も安泰か?」と逆質問する
(4) 「外部から専門家を招いて講習会を開きましょう」と提案する

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締切:2009年08月07日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/

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オフショア大學音声講座テスト号

オフショア大學はこれまで「文字」を中心とする情報提供で業界に貢献してきました。セミナーに出席すれば、講師の熱弁や受講者同士の効果的なフィードバックが得られますが、東京以外の方だとなかなか接する機会がありませんでした。

そこで、オフショア大學の新サービスとして、音声によるテキスト配信を企画しています。これから、音声化に適したコンテンツの企画、ナレーターの選出、提供方法などの検討に入ります。とりあえず、昨夜、2時間ほどかけて収録した3本のうち、まぁまぁの出来映えだった12分ほどの原稿を期間限定で無償公開します。

→ 音声講座「日本品質を支える擦り合わせと終身雇用を前提としないオフショア開発モデルの必要性」 (講演者:幸地司 - 約12分間)

お聞きになって、ご意見・ご感想をこちらのコメント欄に記入してくださると嬉しいです。(自分の声だとあまりに恥ずかしいので、1.3倍速の合成音風に編集しました)

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テスト段階で設計ミスを発見したら「仕様変更だ」と反論

昨夜提出されたオフショア大學第5期生のレポート課題より。

<問い>
あるオフショア開発のテスト工程で重大な設計ミスが見つかりました。発注者のあなたは、直ちにオフショア委託先の外国人マネージャに不具合報告を通知したところ、「これは仕様変更だ」と返されました。

次の選択肢のうち、最も不適切な対応はどれでしょうか。該当する箇所を1つクリックしなさい。

(1) すぐに経営層に連絡する
(2) あくまでも設計ミスとして粘り強く説明する
(3) ひとまず保留、ある程度たまったら仕様変更として扱う
(4) 時間がもったいないので、今回だけは仕様変更として扱う

○結果を見る
○コメントボード

締切:2009年08月05日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/

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上海拠点から内陸部への予期せぬ再委託

次のケース文を読んで、後の設問に答えなさい。

上海にある合弁会社Aに20名チームを作ってもらい、詳細設計以降からオフショア開発に切り出すことが決まりました。

ところが、仕様説明を始めてまもなく、オフショア合弁先A社から「上海拠点の要員だけでは納期に間に合いません。内陸部の協力会社B社の開発資源を使いたい」と相談がありました。

寝耳に水の相談ですが、スケジュールの制約から日本側に選択の余地は残されていません。あくまでも、上海拠点A社の責任で中国内の分散開発に取り組んでもらうことで提案を飲みました。

■問いかけ

<問1>あなたが中国オフショア開発の発注者なら、上海合弁会社から内陸部への予期せぬ再委託を容認しますか?



締切:2009年08月03日18時00分
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<問2>あなたが、発注元のプロジェクト責任者なら、どんなことに注意しますか。

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叱咤バイアス

部下は褒めて伸すべきか、厳しく叱咤すべきか。一般には、子育ての場合と同様に、部下も褒めて育てたほうがよいとされます。では、いったい、どれくらい褒めるべきでしょうか。

会社への忠誠心が高く長期雇用を前提とする日本企業と、信賞必罰が徹底される中国企業では、上司が部下を褒める/叱咤する量的割合に違いはあると思いますか。

答えは、叱咤バイアス(私の造語?)を考えると明らかでしょう。これは、行動経済学や認知心理学の世界ではお馴染みの概念だと思います。叱咤バイアスとは、上司の勘違い行動を生む数多くの認知バイアスの一種です。

<典型的な認知の歪み>
通常、部下を褒めても、その後に継続して優れた成果を出し続けることは難しいと考えられます。むしろ、一時的なパフォーマンス低下は避けられません。一方、部下を叱咤した直後には、目に見える形でパフォーマンスが改善されます。

このような体験によって、上司は次のように認知します。
 「たまに部下を褒めてもろくなことはないけど、部下を厳しく叱咤すれば直後にパフォーマンスは向上する」

これが、典型的な叱咤バイアスです。

最近は、かなり高い確率でチームに神経症っぽい人が含まれます。教科書的には、オフショア下手な組織ほど、神経症を生み出します。

中国オフショアは、自社の成熟度を映す鏡です(by ITB)。中国企業や外国人技術者を活用できない企業は、やがて日本人従業員ですら活用できなくなるでしょう。

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オフショア大學「夏のバーベキュー企画」

オフショア大學「夏のバーベキュー企画」に参加しますか。

・ぜひ参加したい (6票) 17%
・都合がつけば参加したい (9票) 25%
・参加したいが、都合があわない (4票) 11%
・今回は遠慮します (13票) 36%
・その他 (1票) 3%
・自動車を提供して買い出しにも協力する (3票) 8%

会場:江東区立若洲公園キャンプ場
キャンプ場全体図 PDF:238KB

江東区立若洲公園キャンプ場

江東区立若洲公園キャンプ場

江東区立若洲公園キャンプ場

江東区立若洲公園キャンプ場

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文書の詳細化よりもコミュニケーション密度

次の発言を読んで、後の設問に答えなさい。

かつて「オフショア開発だから仕様書を詳細に記述せよ」と言われた初心者は、「行間を読まなくても分かる記述レベル」を目指して、膨大な時間をかけてドキュメント作成に没頭しました。
ところが、経験豊富なブリッジSEは、ドキュメントの詳細化に時間を割くよりも、電話やTV会議、電子掲示板を駆使した遠隔コミュニケーションを改善したほうが効果的だと指摘しました。

■問いかけ

いったい、なぜでしょうか?

(1) プログラマの大半は日本語仕様書を読んでも理解できないから
(2) 知らない相手から文書で指示されても外国人は動かないから
(3) 暗黙のルールや一般常識などは文書化されないから
(4) 嘘に決まっている。文書の詳細化に勝る秘策はない
Dsc02379

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第33回オフショア開発勉強会「出張者と駐在員問題」

昨夜は月に1度のオフショア開発勉強会でした。今月のテーマは、「出張者と駐在員問題」。ゲスト講師は、日経コラムインドIT見聞録でお馴染みの竹田孝治さん。

Dsc02363

余談あり、脱線しまくりの2時間でしたが、教科書には絶対に載らない竹田さんの独自性溢れるトークに、会場に集まった13名は魅了されました。

勉強会終了後は、いつものように会場近くで打ち上げました。昨夜は、過去最大の10名が参加して、夜23時過ぎまで男だらけで大騒ぎしました。

来月、第34回オフショア開発勉強会は、8月25日(火)開催予定です。暫定テーマは「残業を減らす」。お楽しみに。


Dsc02361

●個人的に興味深かった内容を列挙します。

・インドでの宴会では、駐在員は「客よりも先に食べる」のが鉄則

・日本出張中の中国人には、英語版の地図(路線MAP)を渡すべき。漢字が読める中国人こそ、日本語版の地図を渡すと地名を全く覚えない。

・講演資料にはカタカナがない。漢字・ひらがな・英数アルファベットのみ。

・最近、大連の小姐の質が低下したような気がする。なぜなら、飲みに行っても○○を○○するから。以前は違ったよ。

・日本人出張者は、現地の交通マナーの悪さをもっと意識して欲しい。公道では車優先。アテンドする側はいつも冷や汗。

・日本人出張者は、慣れない海外でもスケジュール計画通り緻密に行動してくれて嬉しいけど、一方で○○だけは制御不能。困った。

Dsc02385

●受講者アンケートから一部を抜粋します。

・日本人のインド研修では言葉や技術力よりも○○○○が期待できることが印象に残りました。

・インド駐在員に「単身者は無理」とのご意見は興味深い

・ブリッジSEの雇い主、人事権を持つ者の動向に気を配ってみる

・体のサイズが違うのは盲点

・人をもてなすことに注力する姿は意外でしたが勉強になった

・これからは、交渉相手の通訳は使わず、自分で調達します


Dsc02366

■問いかけ

日本人駐在員の失敗談を思いつくままに列挙します。失敗頻度の高い順、影響度の大きい順にそれぞれ並べ替えなさい。2×2のマトリクスに配置するとよいでしょう。

・食中毒
・自殺する
・メンタル面で支障をきたす
・肥満、メタボ、生活習慣病
・B型、C型肝炎が発症する
・現地に女ができて、帰国命令を無視するようになる
・現地従業員に舐められて、マネジメント不全に陥る
・他社の日本人駐在員と毎晩飲み歩き、待遇格差に憤慨する
・犯罪を犯して現地で逮捕される(酒の席で暴れる、脱税など)
・日本人コミュニティに入り浸り、毎晩現地従業員の愚痴をこぼす

Dsc02368

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外注を切って正社員の残業で乗り切る

今夜は、月に1度のオフショア開発勉強会です。今月のテーマは、「出張者と駐在員問題」。ゲスト講師は、日経コラムインドIT見聞録でお馴染みの竹田孝治さんです。

<NIKKEI NET 竹田孝治コラム「インドIT見聞録」の記事一覧>

第77回 サティヤムは「腐っても鯛」か マヒンドラのTOB失敗
第76回 干ばつという新たな危機がインドを襲う
第75回 インドIT企業が国内市場の開拓に乗り出す理由
第74回 ITと並び世界をめざすインドの製薬産業
第73回 立ち直るインド経済 IT産業だけは蚊帳の外?
第72回 ベンチ要員を切るインドIT大手の深刻
第71回 「スラムドッグ」の現実とインドITサティヤムの今後
第70回 インド人・中国人IT技術者に真に役立つ「日本語教育」
第69回 日本を去るインドIT技術者と日本語教育の問題
第68回 中国で6000億元のIT投資
第67回 中国ソフト開発1、2位が電撃合併
第66回 景気対策が効きだしたインド経済
第65回 粉飾問題を引きずるインドIT業界 成長は止まったのか
第64回 虎の背にまたがってしまった経営者
第63回 テロ・暴動を繰り返したインドの2008年
第62回 テロ多発国家インドで働くIT経営者の鉄則
第61回 インドでも中国でも、優秀なIT技術者が職を求めて列を
第60回 オバマ次期米大統領とインドIT産業の行方


オフショア大學が主催するイベントでは、常に100%キャンセルを認めます。「無断欠席したら次回から参加お断り」と厳しい条件を課しているため、無断欠席率は極めて低い水準に保たれています。

その代わり、ここ数ヶ月のキャンセル連絡増加中。今夜(7/21)のオフショア開発勉強会も例外なく「業務多忙キャンセル」の連絡が相次いでいます。

これは、果たして景気回復の兆しでしょうか。オフショア開発フォーラム会員からは、次のような声が聞かれます。

・相変わらず仕事は少ないので、協力会社を次々と切っています

・2年前に中国ラボを開設しましたが、いまだに稼働率は3割程度

・優秀な新卒中国人なら将来のために採用します。経験者の中国人は要りません。

・仕事は減り続け、協力会社を切り続けていますが、私の部署は全員残業です。別チームでは、残業規制のため若手はさっさと帰宅させられますが、管理職はいつも遅くまで働いています。

■問いかけ

<問1> あなたの職場環境における残業の状況を教えてください。あなたの残業だけではなく、職場全体の変化を分析すること。




締切:2009年07月29日18時00分
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<問2> あなたの会社の外注活用の状況を教えてください。あなたの部署だけではなく、会社全体の変化を分析すること。





締切:2009年07月29日18時00分
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職場で禅問答する昭和な上司=パワハラ

年中泥沼にはまる中堅ソフトハウスの中堅社員は、仕事の「見える化」で悩んでいるといいます。知識豊富な部下からは「計画がみえませ~ん」と突かれ、文脈系仕事術の上司からは「あれも、これもお願い」と仕事を無茶振りされます。

オフショア大學の夏期講座「グローバル・コミュニケーション基本講座」は、仕事の「見せる化」に苦しむ中堅社員を救います。

グローバル・コミュニケーションと言いながら、抑えるべき基本要素はさほど多くありません。職場で若者を相手に禅問答を繰り返す昭和な上司に苦しむあなたにこそ、オフショア大學の夏期講座を受けてもらいたいです。

上司は変えられません。あなたがグローバル水準のコミュニケーションを身に付けるしかありません。

ちなみに、職場で若者相手に禅問答を繰り返す昭和な上司の行為は、ほぼ間違いなくパワハラ(power harassment)です。コーチングやファシリテーション技法を勉強中のあなたは、下手な質問で相手を追い詰めないようご注意を。

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改善活動に対して支払われる報酬の違い(日中比較)

次の質疑応答を読んで、後の設問に答えなさい。

<問3>
中国オフショア拠点でPDCAマネジメントサイクルを回して、地道な改善活動を定着させる有効な対策を考案しなさい。

<答3>
中国オフショア拠点で「日本と同じような改善活動」は再現不可能です。これが議論の出発点です。よって、日本とは違う発想・違う管理手法による中国式改善活動の実践を目指します。具体的には、改善活動に対して支払われる報酬を中国式にあわせます。

~改善活動に対して支払われる報酬の違い(日中比較)~

日本:支払サイト=長、組織全体に一律支給、内的報酬を重視
中国:支払サイト=短、個人差をつけて支給、外的報酬を重視

日本企業の伝統的な改善活動では、今すぐ個人的に見返りが得られるなんて誰も考えていません。そもそも、改善活動とは、従業員が自発的に取り組む業務外の自己研鑽であり、残業代や特別手当の支給なんてもってのほかです。小グループ毎に一体感を醸成し、小さな改善成果をコツコツと積み上げる実績自体が、平均的な日本人従業員にとって魅力的な内的報酬でした。

一方、中国オフショア拠点で改善活動に寄与する行動が認められたら、即座に、担当者毎に、外的報酬を支払います。外的報酬とは、ご褒美など主に金銭報酬です。ボスのポケットマネーから支払われることも珍しくありません。

中国オフショア拠点で地道な改善活動を促すには、従業員の小さな行動実績を拾い上げる粒度の細かい管理、個人の貢献度を数値評価するための評価指標と水準、さらに、改善活動が成果に直結することを数値で証明する業績評価・出来高評価の仕組みが必要です。

■問いかけ

中国オフショア拠点で地道な改善活動を促すには、好ましい行動特性を示す従業員を見かけたら、即座に個人差をつけた外的報酬を与えると効果的です。

日本人が「飴とムチ」「信賞必罰」というセリフを耳にすると、つい厳しい側面ばかりに目を向けてしまいますが、優れた中国人管理者は実にうまく飴を与えます。

あなたの会社では、どんな報酬を与えれば、組織的な改善活動の定着に役立ちますか。美味しい飴や効果的な報酬を列挙しなさい。

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制約の大きさと改善活動の関係

次の質疑応答を読んで、後の設問に答えなさい。

<問1>
中国オフショア拠点では、問題の根本原因を探って地味に改善する手法は好まれません。すなわち、中国ではPDCAマネジメントサイクルが回りません。これは本当ですか?(Y/N)

<答1>
Yes:日本との相対比較においては、まさにその通りです。


<問2>
中国オフショア拠点で、PDCAマネジメントサイクルがうまく回らない根本原因を分析しなさい。

<答2-1>
日本と中国では、社会全体の豊かさが違うからです。国土が狭く、人も資源も少ない日本では、コツコツを地道な改善を積み重ねるしかありません。一方、広大な国土を持ち、人も資源も豊富な中国では、ダメならさっさと見切りをつけて、新しい人や資源を再投入するほうが遥かに合理的です。

<答2-2>
日本と中国では、職業人としての選択肢の幅が違うからです。日本では、就職は就社を意味します。一度、会社に入るとその後のキャリアは、本人の意志よりも会社都合が優先されます。転職という選択肢も乏しいため、日本企業では職場で自由裁量を発揮しにくいと考えられます。このような制約から、日本人従業員は、突飛な発想を持って画期的なイノベーションを発揮するよりも、地道にコツコツと改善を繰り返す行動特性が好まれるようになりました。つまり、日本人従業員を縛る強い制約が、PDCAマネジメントサイクルを回す牽引力です。中国ソフトウェア業界には従業員を縛る強い制約が存在しないため、わざわざPDCAを実践するインセンティブに欠けます。


<問3>
問2の答えを踏まえて、中国オフショア拠点でPDCAマネジメントサイクルを回して、地道な改善活動を定着させる有効な対策を考案しなさい。

<答3>
・・・・・・(後日)

参考:PDCAマネジメントサイクルが回らない改善下手な中国人

■問いかけ

あなたは、上記の質疑応答の流れに大筋で同意しますか(Y/N)。

中国オフショア拠点でPDCAマネジメントサイクルが回らない原因は上記2つ以外にも存在しますか(Y/N)。

中国オフショア拠点で地道な改善活動を定着させる方法を考案せよ。

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オフショア教科書社内輪講会

Offshoretext_seminar2009
今朝は、東京都内の某所・某社にて、オフショア大學指定教科書を用いた初めての社内輪講会を開催しました。参加者は10名ほど。

拙著「オフショアプロジェクトマネジメントSE編」と「オフショア開発に失敗する方法」を題材に、オフショア開発の具体的なノウハウや技法を学ぶ社内勉強会です。

詳しくはこちらの案内チラシをご覧ください(PDF: 202KB)。

そういえば、今日はアイコーチ株式会社の設立記念日です。
おめでとうございます。
船上でお祝いパーティーしたいな。

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PDCAマネジメントサイクルが回らない改善下手な中国人

次の事例を読んで、後の設問に答えなさい。

<ある日本人マネージャからの相談>

中国オフショア開発プロジェクトの終盤、日本側で品質改善の対策会議を開きました。そこで問題を分析して、日本側で反省すべき点と中国側で反省すべき点をそれぞれ列挙しました。

対策会議後、中国オフショア委託先のキーパーソンに「報告された問題の原因を分析して、再発防止策を報告せよ」と依頼しました。ところが、中国からは、

「この問題は修正済みです」
「申し訳ありません。すぐに対応します」

などと見当違いの回答が寄せられます。私は慌てて、こう付け加えました。

「責任追及ではなく、再発防止策のために問題分析して欲しい」

ところが中国からは、相変わらず対処療法的な回答しか得られません。困った私は、同僚のオフショア経験者に良い知恵はないかと尋ねました。すると、次の助言をいただきました。

「中国では、 WHY(なぜ)を何回も自問して、問題の根本原因を探るような改善活動は好まれません」

これが本当なら、中国オフショアチームはいつまで経っても成長しません。

評価と報酬マネジメントによる改善活動の促進については、 今夜のオフショア開発勉強会にて(7/14東京・錦糸町)

■問いかけ

<問1>
中国オフショア拠点では、問題の根本原因を探って地味に改善する手法は好まれません。すなわち、中国ではPDCAマネジメントサイクルが回りません。これは本当ですか?(Y/N)


<問2>
中国オフショア拠点で、PDCAマネジメントサイクルがうまく回らない根本原因を分析しなさい。


<問3>
問2の答えを踏まえて、中国オフショア拠点でPDCAマネジメントサイクルを回して、地道な改善活動を定着させる有効な対策を考案しなさい。

回答例:オフショア拠点で公式にアンケート調査を実施すると、ほとんどの場合は日本人の感覚よりも常に高い評価が返ってきます。その原因は不明ですが、公式アセスメントでは外国人従業員の本音は拾えません。そして、これが、オフショア開発でPDCAが正常に回らない大きな原因の1つとなっています。

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婉曲表現とタテ社会

●オフショア教科書執筆チームより。


・日本人は、良い返答を期待しないでという意味で「検討します」とお茶を濁すことがあります。日本の商習慣に疎いブリッジSEは、文言通り「YES」を期待して待ち続けることがあります。日本人は“No”と言えない・言わないと外国人から呆れられますが、実際には“No”と意思表示しているのに相手に気付かれない状況も多々ありそうです。互いに相手を気遣っての言動なのに、習慣の違いからそれが裏目にでる事もあります。


・中国語でも、相手の気分を害さないよう表現を遠まわしにする傾向もあります。例えば、相手のミスを直接言わず、遠まわしに言うような感覚は、中国語ネイティブも持ち合わせています。公の場などでは「尊敬的~」という言い方をし、相手を立てる表現をすることもあります。ただ、一般的に、自分の上司に対してこのような表現をすることは日本のようには多くありません。


・中国人も、断るときは、直接の表現ではなく婉曲表現を多用します。文字通りで理解せぬこと。例えば「研究」。


・ベトナム人は、互いに名前(ファーストネーム)を呼び合います。日本人の感覚で名字ばかりを連呼されると、大勢がいる場では誰を指しているのか分からず困惑してしまいます。最悪の場合、日本人に不信感を抱くことすらあります。


・あるフランス人上司が日本人の部下に対して、その部下がよくやるフランス語の間違いを紙にまとめて渡したら、とても反発されていました。フランス人上司としては、その人のフランス語上達に繋がれば、と善意でやったのかも知れませんが、日本人の部下にとっては、「もうこれだけ頑張って外国語であるフランス語を使っているのに、全然認めてもらえない」という不満があったのだと思います。


・インド人ネタは、今月のオフショア開発勉強会にて(7/21東京)


■問いかけ

<問1>
日本語、中国語、ベトナム語それぞれの婉曲表現の度合いを5段階で示しなさい。レベル1=最も直接的、レベル5=最も婉曲的。

・日本語  =(       )
・中国語  =(       )
・ベトナム語=(       )


<問2>
社会学に縦社会と横社会という用語があります。カタカナでタテ/ヨコと書く方がしっくりくるかも。ヨコ社会を「横並び社会」と書くと、また違った印象を受けます。

日本、中国、ベトナムそれぞれの「タテ社会」の度合いを5段階で示しなさい。レベル1=最もヨコ的、レベル5=最もタテ社会的。

・日本  =(       )
・中国  =(       )
・ベトナム=(       )


<問3>
ある国の婉曲表現の度合いと社会のタテ/ヨコの度合いは、何らかの相関を示すと思いますか(Y/N)。

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現地化の布石となる3つの基本指針

これまでの中国オフショア企業統治
オフショア拠点の規模が大きくなると、同じ会社にスポットライトが当たる華やかな高給取りの設計者と、地味で低賃金な保守運用/テスタ/業務系オペレータが混在するようになります。 これまでの中国企業では、社内の組織を機能毎に分断して、互いの接触をなくするよう分割統治してきました。規模の割には相乗効果を発揮できないのが難点です。
(オフショア大學)

「新卒で入り、定年まで勤め上げる」という意味の終身雇用がないオフショア現地法人では、日本本社よりもメリハリの利いた人事マネジメントが必要です。

経営の観点では、オフショア現地法人の課題は「現地化」です。海外法人の現地化は、親会社からの自立と自律、並びに親会社からの権限委譲によって実現されます。

現地化の布石となる3つの基本指針を論じます。

(1) 人事制度の透明性

役職に付随する権限、昇進昇格の要件を社内中に周知。昇進や昇格の願いが叶わなかった従業員には、その理由を論理的に説明できる体勢を整えておく。
いつまでも、日本人駐在員が人事権を握っていると、駐在員にへつらう者ばかりの集団に成り下がります。そこで、早い時期から、日本人駐在員から現地幹部社員への権限委譲を計画します。

(2) 「      」
(3) 「      」

・・・(2)と(3)は、今月のオフショア開発勉強会にて(7/21東京)

■問いかけ
今後、オフショア現地法人の統治機構を設計する前提条件が徐々に変化するとオフショア大學は予測します。

第一は、「短期成果」一辺倒から、長期成果も考慮。
第二は、「数値結果」一辺倒から、職場の質や人間関係を重視。

そして、オフショア現地法人は、2つの対照的な競争環境にさらされるようになるでしょう。

第一は、より競争的な対日オフショア部隊。
第二は、より安定的な内需部隊(例えば中国IT需要)。

オフショア拠点の現地化の出発点は「人事制度の透明性」ですが、とんちんかんな人事制度を透明化しても意味がありません。むしろ悪影響すら懸念されます。

<問1>
オフショア企業統治の前提条件が変化しつつあるとの仮説を受け入れたとき、積極的に透明化すべき人事制度・人事慣習・報酬制度の項目を挙げなさい。

<問2>
オフショア企業統治の前提条件が変化しつつあるとの仮説を受け入れたとき、今後見直すべき人事制度・人事慣習・報酬制度の項目を挙げなさい。

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知らない協力会社を視察案内する準備と度胸

未知の取引先の道先案内人に指名されました
来週、日本の本社から偉い人々が現地法人の取引先を視察するためにやってきます。私が案内役に指名されました。正直、この取引先のことをよく知らないのですが、どんな点に注意すればよいでしょうか。
(中国駐在員)

オフショア教科書執筆チームより。

日本から偉い人を招いた視察案内のコツを2点挙げます。

第1に、日本人視察者の目線で資料を事前準備することです。例えば、視察予定企業から提供された会社パンフレットをそのまま渡すのではなく、視察者が興味を持つような追加情報(訪問企業の主要経営データと市場平均との比較など)を必ずまとめておくこと。

第2は、視察先の十分な下調べです。例えば、視察当日のこんな作法は不合格。案内役が視察企業の受付にたどり着いた時、おもむろに部下が作った取引先名簿を取り出し、自分の名刺を片手に持ちながら訪問先の担当者名を呼び出します。こんな状態では、視察先と案内役の付き合いが浅い関係だとすぐにばれてしまいます。

日常の接触は部下に任せていても、前日までに自分でも訪問しておいて受付や相手先担当者に自分の顔と名前を覚えてもらいたいところ。さらに、会議室の位置まで覚えておき、当日は何食わぬ顔で視察者を道案内してあげます。

偉い出張者を頻繁に迎える駐在員や現地スタッフは、一夜漬けもいいので最低限の準備を整えて、かつ、こうした影の努力を表に出さない度胸を身に付けたいものです。

・・・この続きはこちらから「出張者と駐在員問題

■問いかけ

視察後、案内役が即座にとるべき行動を全て挙げなさい。

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担当者もオフショア発注金額で査定評価される

次の目標設定の問題点を具体的に指摘しなさい。

 <よくある今期目標設定>
 今年度中にパイロット案件を2件立ち上げて、
 中国オフショア開発の可能性を見極めます。

オフショア開発の目標設定では、3つの側面を考慮します。

・期日 「いつまでに」「いつから」の目標
・業績指標(ベクトル)「何を」の目標
・水準(レベル)「どのレベルまで達成するか」の目標

さらに「手段(どのようにして)」を目標の一部に加える組織もありますが、試行錯誤を避けられないオフショア開発ではあえて設定しなくても構いません。前出の“よくある今期目標設定”の問題点を指摘します。

期日目標 → 「今年度中に・・・」OK
業績指標 → 「可能性を見極める」甘い
水準設定 → 皆無

例えば、以下はオフショア開発でよく聞く業績指標の例です。

・グループ単価と比べて安くできるか
・エンジニアを大量に確保できるか
・日本語が出来なくても構わないから先端R&Dを任せられるか、
・日本語が堪能なブリッジSEがたくさんいるか
・日本並みのセキュリティを確保できるか
・テスト工程の力量がある

まず、このような業績指標をすべて洗い出します。次いで、それぞれを定量評価するために目標水準を設定します。

<例>グループ単価と比べて50%減なら合格。単価50~30%減なら再調査、それより悪いと不合格。

最後に、各社の事情にあわせて、それぞれの業績指標を重みづけします。

<例>金融系の顧客が多いので、我が社では人月単価よりもセキュリティ面を重視します。

前出のよくある目標設定には「パイロット案件を2件立ち上げ」と明記されています。業績指標の水準を測る適切な数値目標のような気がしますが、単なる手段に過ぎません。目標と手段をはき違えないように。

■問いかけ

トップ自ら積極的にオフショア推進運動を展開する中堅SI企業から、次のような相談を受けました。

オフショア開発を担当する主任クラスにも、
オフショア発注金額を人事査定指標に加えたい。
どう思いますか。

あなたなら、どう答えますか?

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