外国人従業員に「日本人と同じ」を要求する同化政策
外国人SEを日本式に染め上げる同化政策の特徴・自分の仕事が終わったら、勝手に帰宅せず、必ず周囲のプロジェクトメンバーに「お先に失礼します」と挨拶をさせる
・終業後、上司から飲みに誘われたら、できるだけお付き合いするよう指導する
・迷ったら見切り発車せず、必ず上司に相談する癖を付けさせる
・衝突(conflict)の解消方法を教えるのではなく、そもそも衝突を起こさないような職務態度を身につけさせる
・日本人同士と同じ感覚で仕事が進められるよう外国人ブリッジSEをOJT指導する
・・・(枚挙に暇がない)
先週土曜日は、オフショア大學の土曜補習第2回目「企業内研修の企画と運営」が開催されました。
お天気の良い土曜日の昼下がりに、参加者2名+1名で4時間半、雑談と個人演習を交えながら学習しました。残念ながら、土曜補習は無断欠席者がいました。
企業内研修の企画の第一歩は、組織の診断です。土曜講座の前半2時間は、オフショア大學が開発したオリジナル組織診断ツールの使い方を解説しました。
・( A )な組織では、マネジメントの意識改革を促す評価者研修と異文化適応トレーニングが効果的
・( B )な組織では、制度整備と開発プロセスの標準化から着手すると効果的
後半は、様々な企業事例を取り上げながら、日本企業の同化政策の是非を討論しました。
同化政策とは、全ての料理に「醤油をかける」と隠喩されます。中華料理が出されても、ベトナム料理・インド料理であっても、味見する前に日本の醤油をかけてしまう行為です。
日本で採用した外国人技術者だけではなく、対日窓口の重責を担うオフショア委託先のキーパーソンに対しても「日本人と同じ」を要求するのが同化政策の特徴です。
■ 問いかけ
<問1>本文中の空白( A )( B )を埋めなさい。
<問2>あなたは外国人従業員に「日本人と同じ」を要求する同化政策に賛成しますか?
締切:2009年09月01日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/
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Comments
対日本の仕事をする以上、日本と同化政策はやむを得ず。
Posted by: 匿名 | August 24, 2009 06:08 PM
同化政策の進め方と卒業時期については、拙著オフショアプロジェクトマネジメント【SE編】第2部に書きました。つまり、同化政策が相応しい組織と、同化政策を卒業して次の高い次元に進むべき組織があります。
Posted by: 幸地司 | August 24, 2009 06:13 PM
対日SEとなるとき、日本人に同化されるが、もし将来対米SEとなったら、どうする?アメリカ人に同化されるの?人間はプログラムに従って動くロボットではなく、人間性がある、自己喪失だったら、戻れない。
Posted by: flyforlove | August 25, 2009 07:19 AM
同じ仕事をこなせれば平等に。
(同化政策に賛成)
Posted by: Mylene | August 27, 2009 06:52 PM
この話題、正に前職(日本のソフトウエア会社海外現法)の秘書(現社長)から相談され、何時間も相談に乗った話題ですので、私にとってホットな話題です。
私は経営視点で海外子会社の場合としてコメントします。
私の考えは、「同化政策は未来がない」です。
子会社や相手を同化させるという考え方は、結婚した相手に自分の言いなりになってもらうのと似ていると思います。
あるべきは、「相手と自分の優れたところを持ち寄って、新らしい価値を創造する」ということではないでしょうか。
いくら自分が優れているからと言って、相手を従属(奴隷・メイド扱い?)させるような考えや行動をしたら、教育自体が仕事になってしまいますし、相手も、「喜んで協力して高め合おう」などと思ってくれないでしょう。よほど、金銭ややりがいのある仕事を沢山与えるのなら可能かも知れませんが。
どうしても同化させたいのなら、出す方もUS並に詳細な完成度の高い要求資料を出すのは大前提ですね。
または、日本人を雇うという手段もアリです。今のご時世ならその方が手っ取り早いかも。
折角、外国人と一緒にやろうと思ったのなら、お互いの価値を最大限に生かし、尊敬し合って進める方が余程未来があると思いませんか?
またもや感情論ですが、基本スタンスは具体にも必ず現れますので、大事だと思っています。
Posted by: 丸山文幸 | August 27, 2009 06:59 PM
同化政策には、あまり賛同できない感じがします。
ただ、考え方や方針を、ユーザ/顧客に合わせることは、ビジネス上当然必要なことだと思います。
海外の会社に”同化”を求めるというのは、
完全に下に見下したような感じですよね。
相手の国の文化や情勢を見極めて、そのリソースが
最大限発揮できる力を引き出す。その力をうまく
使い、自らのビジネス発展につなげる。
そんな感じが理想かな。
Posted by: とくめい | August 28, 2009 03:34 PM
丸山文幸さん、こんにちは幸地司です。
ご意見ありがとうございます。
> どうしても同化させたいのなら、
> 出す方もUS並に詳細な完成度の高い要求資料を
> 出すのは大前提ですね。
一般的な日本企業は、詳細な完成度の高い要求資料を出せない/出す意志がないから「同化政策」を推進すると考える方が自然です。オフショア先の外国人技術者を日本式に同化させるとは、「日本人と同じように曖昧で穴だらけの要求仕様でも不思議なことに完成品が作れる」という理想を追求する経営方針に他なりません。
ITオフショアリング業界でも、ようやく何を「同化」させて、何を「融合」して、何と何を「統合」するべきかを具体的に議論できる雰囲気が整ってきましたね。
Posted by: 幸地司 | August 29, 2009 12:39 PM
同化政策は「日本人による差別だ」と発言する人がいますが、これは、認知の歪みである可能性があります。実際は、古き良き誠実な日本人管理者ほど同化政策を推し進めます。
なぜなら、日本企業の同化政策推進者は、外国人だってやればできる、彼らだって日本人と同等に難解な業務をこなせる素晴らしい能力がある、という極めて前向きで誠実な発想があります。だからこそ、多国籍分散チームのオフショア開発であっても、日本人同士の仕事の進め方、すなわち、互いを信頼して擦り合わせとよばれる密なコミュニケーションを繰り返せば絶対にうまくいく、と考えているのです。
拙著オフショアプロジェクトマネジメントSE編によれば、標準化&文書化よりも擦り合わせを好む古き良き日本人管理者の同化政策は、「無意識の不適切行動」と言えます。
Posted by: 幸地司 | August 29, 2009 12:51 PM