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悪い報告の三大悪(隠蔽/嘘/言い訳)

先日から、日本語能力検定試験3級程度の外国人ブリッジSEを対象した研修カリキュラムを検討しています。プログラマとして独り立ちしたものの、プロジェクト管理の経験に乏しい「PG以上/PM未満/SE修行中」のソフトウェア技術者が対象です。

ブリッジSE育成研修の内容は、3分野に大別されます。

1)日本語研修
2)ソフトウェア技術研修
3)ブリッジSE研修

これまで、オフショア大學では主に領域3に特化した研修トレーニングを提供してきました。ところが、「早い安い使える」を合い言葉にしたブリッジSEの垂直立ち上げ教育への要求が日々高まっている現状を踏まえて、オフショア大學でもブリッジSE育成を全方位で網羅することになりました。

そこで、普段オフショア大學がお世話になる日本語学校の校長先生とも相談しながら、外国人ブリッジSE垂直立ち上げに必要な日本語研修の課程を企画しています。

オフショア大學が考える初中級用ビジネス日本語研修は、以下の流れに沿って進められます。一般的な日本語学校の教育とほぼ同じです。

・自己紹介
・あいさつ
・許可/依頼/誘い
・電話/メール
・提案/申し出/アポイント
・ほうれんそう
・会議/意思決定
(最大2週間の短期集中トレーニング)

出典:米田隆介ら (2006)、ビジネスのための日本語 初中級、スリーエーネットワーク を参考にオフショア大學が整理

オフショア大學の日本語研修は、3つの分野で構成されます。

a) ビジネス日本語(基礎編)
b) 日本ビジネスマナー(一般/ソフトウェア業界)
c) 専門用語(ソフトウェア業界/ブリッジSE業務)

数年間、日本で働く覚悟を持つ外国人ブリッジSE候補者に対しては、それなりに厳しいスパルタ教育を施します。ところが、仕様検討や業務切り出しで通常2週間、長くても3ヶ月間の日本出張予定者に対しては、費用対効果に優れた短期集中型の日本語教育が求められます。

オフショア大學では、後者を意識した研修プログラム(OJT+OffJT)を構築しています。ちなみに、今月開催のオフショア開発コーディネータ養成講座では、人材育成を企画する担当者が知っておくべき理論と実践法を学習します。

■ 問いかけ

<問1>以下の慣用句を英語に翻訳して、適切な使い方を指南しなさい。

「ちょっとよろしいでしょうか」
「よろしくお願いします」
「いつもお世話になっております」
「~っけ?」(例:どうなっていましたっけ?)
「さっとやってもらえるかな」
「これは、ざっくりでいいから」
「それは先にやること」
「すみません」
「どうも」
「ほうれんそう」
「社会人の自覚を持つように」
「責任を持って自発的に行動しましょう」

<問2>あなたは、PG以上/PM未満/SE修行中のブリッジSE候補者に、「悪いことも必ず報告する」という社会人としてのビジネス常識を教育します。どうすれば、いいでしょうか。

ホウレンソウを怠ったら人事査定で厳しくマイナス評価する
隠蔽/嘘/言い訳の三大悪を見分けるチェックリストを運用する
隠蔽/嘘/言い訳の三大悪の弊害を叩き込む
悪いことを報告したら褒める

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補足:選択肢1は、仕事の失敗ではなく、報告遅延そのものをマイナス評価します。選択肢1は評価制度にメスを入れます。選択肢2は日本側の自衛策。選択肢3と4は完全な精神論です。

参考
・村上吉文(2008)、しごとの日本語 IT業務編、アルク
・釜渕優子(2008)、しごとの日本語 ビジネスマナー、アルク

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Comments

見事に回答がばらけましたね。

回答者には、日本式ほうれんそうの徹底に関しては、日本人新人育成と同じ教育方針でいいと思う人がいるでしょう。一方で、日本人新人育成と外国人ブリッジSE候補生の育成手法は違うと考える人もいるでしょう。

教育方針について、信賞必罰の是非について、若手技術者の育成について、日本式ほうれんそうの功績について、いろいろご意見をください。よろしくお願いします。

Posted by: 幸地司 | September 07, 2009 at 11:27 PM

本件、現場での運用面から検討してみましょう。
また、本件のGOALは、「悪い事も報告する」ことで、お客様への迷惑をかけない=会社に損害をかけないということです。言い方を代えれば、無報告による損害リスクの回避手段として、どれが適切かという切り口ともいえます。
基準として、運用のし易いものは○、実際面で運用に難があるのはXとし、その理由を4項とも検討します。
X人事査定でマイナス評価
 理由:報連相を怠ったらというが、何処までを報告事項にするのか、何処までは自分で処理できるのかが曖昧。人事査定でのマイナス評価が思考の前提になり、悪い報告を怠った場合マイナスになるので、自分で何とか処理しようという方向に行く。既に悪い状態で、更に報告遅れ・隠蔽による2次災害の危険性が生じ、リスク管理の面では大きくマイナス。
△チェックリスト
理由:チェックリストも運用者により判断がぶれる。判断にぶれが生じないほど、各人の業務の標準化がなされている日本企業は極小。とはいえ、ここで敢えて△にしたのは、職場では部下の報告に対して、上司はその経験から有る程度の嘘を見分けるチェックリストが頭の中に出来ている。逆に言えばそれすらチェックできない人材では、管理者として不適切。
▲弊害を叩き込む
理由:弊害ではなく、隠蔽の結果を社内で情報共有して予防に努めるのは大事な作業。しかしながら叩き込むといわれても、現場は生き物、全ての不正事例はそれぞれ固有の背景がある。叩き込んだ後でも、現場で同様な自体が発生した場合、渦中の担当者は前例とは違うと内面的な言い逃れを考え、更に悪い方向に展開していく可能性が高い。予防面を考えて▲の評価。
○悪い報告を誉める
悪い報告をさせるのは、それ以上に悪い状態に陥らぬように問題発生の初期対策を迅速に行うこと。そのために悪い情報、計画からの若干の遅れなども早めに報告させることで、時間的な余裕もあり、対処の選択幅も広がる。
以上

Posted by: 芋 たこ 北京 | September 10, 2009 at 12:30 PM

アンケート作成時、あえて「弊害を叩き込む」と厳しい表現を用いましたが、現実のビジネスでは、選択3「隠蔽/嘘/言い訳の三大悪の弊害を叩き込む」が主流派ではないでしょうか。

新人研修や日本語ビジネスマナーの教科書を見ると、ほとんどが選択肢3のような有り難い「教え」が詰まっています。実際には、「メンバに迷惑をかけるな」「お客様にご迷惑をかけないように」という温かい表現を使って、報告三大悪の弊害を叩き込みます。「叩き込む」を心理学用語で言い換えれば、洗脳/条件付け/強化などが相応しいでしょう。

現実のビジネスでは、選択肢3に次いで、選択4も意識されていると思います。選択肢4「褒める」は、原価はタダなのに効果は必ず得られるのでお得です。

Posted by: 幸地司 | September 10, 2009 at 04:16 PM

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