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Microsoft中国合弁会社がコード盗用

今週発覚した旬のネタをお届けします。

Microsft中国合弁会社が提供するサービスから、コード盗用ならびにユーザーインターフェースの模倣事件が発覚しました。Microsoft も正式にこれを認め、正式に謝罪しました。

Microsoftの発表:MSN China Joint Venture's Juku Feature
模倣された側の訴え:Microsoft China rips off Asia's No. 1 Microblogging Service


拙著オフショアプロジェクトマネジメント【SE編】より抜粋。

第5.4節 企業倫理がオフショア開発に与える影響

(1) 商用ソフトウェアの不正コピー、ライセンス不足
中国の街中では、至る所で海賊版ソフトウェアが違法販売されています。善悪ではなく、あえて「違い」に着目してこの状況を分析します。中国には、過去2000年以上の歴史において「知的財産権」の概念が存在しませんでした。その為、一般の中国人は、極めて近代的な権利である「ソフトウェアの著作権」に関して、権利意識を有していません。2001年中国がWTO に加盟した後も、大小を問わず多くのソフトウェア企業では、違法コピーが相次いでいました。・・・

(2) ソースコード流用
中国ベンダでは、第三者のソースコードを部分的に流用する行為がしばしば目撃されます。文化的な背景は先述した通りですが、さらに次の2つの特徴が問題を深刻化させます。・・・

(3) ソースコードの私物化
中国ベンダでは、仕事で扱うソースコードを不正に持ち帰り私物化してしまう、軽いノリで勝手にソースコードを書き換える、お節介からソースコードに新しい機能を追加する、許可なく不正に流用して自社製品に組み込むなどが実際に起こっています。その根底には、会社や公共の資産を私物化してしまう中国人気質があります。資産の共有化なんて日本の田舎でもよくある話ですが、この慣習をオフショア開発に持ち込んでしまうと、企業倫理の問題として国際間の軋轢を生みます。企業倫理の問題として扱うと、個人を罰するだけではなく以下の組織的な取り組みが解決の鍵となります。・・・

出典:オフショアプロジェクトマネジメント 【SE編】 pp.72-73

■ 問いかけ

中国ソフトウェア業界では、今でもコード盗用やデザイン・UI模倣は日常茶飯事だと思いますか?

はい(Yes)
いいえ(No)
どちらともいえない

結果を見る
コメントボード

締切:2009年12月26日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/

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週末研修への参加率を高める法

あなたは、あるソフトウェア組織の責任者だとします。この度、優秀なSEを選抜して、彼らを対象に4日間の社内リーダ研修を実施することになりました。業務への影響を最小限にとどめるために、一連の研修はすべて週末に実施されます。

週末に実施される社内研修への参加率を高める方策を検討しなさい。管理する側の手間も考えて、できるだけ「楽」な方法で参加率を高めたい。

(a) 研修対象者が日本人SEの場合
(b) 研修対象者が中国人SEの場合

<回答例>

(a) 部長から受講者に対して4日間の講義に全て参加するよう業務命令を下す。そして、最終日に確認試験を実施すると伝える。以上。試験問題の作成と採点する手間がかかるのが難点。

(b) 部長から受講者に対して4日間の講義に全て参加するよう業務命令を下す。初日の参加率はこれで100%達成できるが、講義内容に満足できない一部の受講生は2日目以降の講義を欠席する恐れがある。そこで、さらに・・・・・・と立て続けに・・・・・・する。

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外国語を話すと人格も変わるか、他

昨夜の中国ビジネス系メルマガ主催の忘年会より。

a)わたし、中国語の「r」の発音がうまくできません。フランス語の「r」と同じような発音ですか?

b)中国ビジネスで大成功した女性実業家の粉飾決算疑惑。中国で1,000名規模の工場を経営しているが、工員一人当たりの売上高と決算書の数値が大きく乖離。なぜ、銀行は見抜けなかった?

c)中国出張中、中国人の運転手が「ここからB地点まではたった3時間の距離です」と答えたときの正しい反応の仕方。(Hints:うちなータイム)

d)日本人が中国語を話すときには、身振り手振りだけではなく、聞き手に与える印象まで異なる現象の真意、ならびに原因分析(Points:外国語を話すと人格も変わるか?!)

e)日本人が北京風の発音で中国語を話すと、上海では印象が悪くなるので要注意。という都市伝説の真意と対策。(Hints:東京と大阪は仲が悪いか?)

f)外国語によるコミュニケーション能力は、母国語以上には伸びない。ならば、外国語による交渉力を伸すためには、日本語を鍛えるべきですか?

<問>あなたは、友人から上記(a)~(f)について相談を受けました。友人の立場から、コメントしなさい。

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嘉興科技城訪問記

先月の浙江省嘉興市訪問より。

目的:2009浙江オフショア開発シンポジウム「嘉興投資商談会」
日時:2009年11月8日(日)

嘉興(Jiaxing)には、省級開発区が7箇所あります。

・嘉善経済開発区
・嘉興経済開発区
・平湖経済開発区
・乍浦経済開発区
・桐郷経済開発区
・海宇経済開発区
・海塩経済開発区

私たち日本訪問団は、そのうちの2箇所を訪問しました。はじめは、桐郷経済開発区(11/7見学)。そして、翌8日、市街地から最も近い嘉興経済開発区(嘉興科技城)を訪問しました。

最初、ほとんどの資料は、中国語もしくは英語で書かれていると思っていました。実際には、日本語による案内資料も入手できました。嘉興市として、本気で対日投資に取り組んでいる姿勢が感じられました。

以下、私たちが見学した嘉興科技城の概要を紹介します。

嘉興科技城
計画面積は 3.64km2。研究開発および技術移転の集積地として、浙江清華長江デルタ研究院、中国科学院嘉興応用技術研究ソフトウェアセンター、ウクライナ国家科学院国際技術移転中国(嘉興)センターが進出しました。嘉興科技城は、清華大学と中国科学院を中核とし、ソフトウェア園区/通信園区/半導体チップ園区/バイオ園区/国際園区/インキュベーション園区の6つの園区から構成されます(双核六園)。

私の手元にある資料の記載内容をざっくり紹介します。

嘉興市サービス・アウトソーシング投資環境のあらまし(中日)
都市概要/発展環境/優位性/発展計画/重点産業/発展の歴史/重点企業/教育機関/政府の支援政策/公共サービス

2009浙江オフショア開発シンポジウム紹介資料(中日)
浙江省各都市のサービス・アウトソーシング産業紹介。杭州市/寧波市/温州市/湖州市/嘉興市/紹興市/金華市/舟山市/台州市

Project for Foreign Investment in Jiaxing City(中英)
嘉興市における対外投資案件76項目のリスト。

Office Buildings for Rent in Jiaxing City(中英)
嘉興市の賃貸用オフィスビル25か所のリスト。建物名、場所、住所、投資者、投資額、築年数、施設管理者、建物面積、建物高さ、部屋面積、部屋高さ、賃借面積などが、25か所について統一フォーマットにて記載。

Workshops for Rent in Jiaxing City(中英)
嘉興市の賃貸用商業施設40か所のリスト。

Land for Commercial Use in Jiaxing City(中英)
嘉興市の商業用土地22か所のリスト。建築密度、容積率、緑化率等の基準値が載っていて面白い。また、項目合作方式(way of cooperation)をみると、基本的には独資或合作のような気がしますが、やはり細かい合弁やVCの規則がありそう。

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採用選抜期間は4年間、平均在職期間は10年間

先月、開催されたオフショア開発フォーラム2009 in 無錫より。

東誠(上海坦思計算機系統有限公司 副総経理)

演題:政府系合弁IT企業のオフショア事業動向と中国内需への技術展開
講演者:東誠(上海坦思計算機系統有限公司 副総経理)

講演者が所属する会社は、中国国家重点大学の1つ上海華東師範大学が直接経営する華師大軟件企業集団の中核企業です。社長イコール教授、幹部社員イコール大学職員(准教授待遇)という、中国でも一風変わった社風を持つソフトウェア企業です。

上海坦思計算機系統有限公司の特徴は、何といっても人材獲得です。なんと、新人プログラマは、全て上海華東師範大学出身。より正確には、同社の従業員は、ほぼ全員が同社社長を務める教授が主宰する研究室の出身者で固められています。

つまり、採用選抜のための期間は4年間。学生は、技術力もさることながら、会社への忠誠心がないと青田刈りの対象者にはなれません。

会社への忠誠心というよりは、大学への忠誠心、もしくは、教授への忠誠心と言い換えた方が適切かもしれません。この会社の技術者は、みな中国国家重点大学のポストを狙っています。そのため、労働争議などとは全く無縁であり、「給与が安い」と不平をいうものは一切いません。従業員の平均在籍期間は10年です(驚)。

かといって、同社の技術力は決して低くありません。むしろ、大学の研究室と密に連携できるために、先端的な技術分野に普段から接する機会に恵まれています。単純労働と揶揄される対日オフショア開発要員とは対照的です。

このような中国でも特異なソフトウェア企業である上海坦思計算機系統有限公司は、対日オフショア受託事業よりも、むしろ国内向けの営業力に長けています。

無錫シンポジウムでは、蘇州開発区政府および南通市政府と、華師大軟件企業集団の共同工作による中国地域市場への高度情報化技術の移植展開に力を注いでいます。

ちなみに、同社は日本の大手○○○社と深いつながりがあります。

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【報告】中国江蘇省無錫シンポジウム「オフショア開発フォーラム2009 in 無錫」

無錫熱烈歓迎

2009年11月10日、江蘇省無錫市人民政府と日本オフショア開発フォーラム実行委員会(オフショア大學)は、無錫市「ラマダプラザ無錫」(RAMADA PLAZA WUXI)にて「オフショア開発フォーラム2009 in 無錫~グローバルソーシング時代を担う国際IT人材戦略~」を開催いたしました。

本大会は、オフショア開発の成功の為の具体的な人材育成の貴重な経験則や実務的な専門知識を公開するシンポジウムです。

集合写真無錫シンポジウム

江蘇省無錫市は、中国でも特筆すべき成長性のある市場と良好な投資環境を持ち、ここ数年来、日本と商工、文化、観光等の各界で友好交流と協力関係を深めております。

今度の大会を通じて、江蘇省無錫市に進出しておられる日系企業をはじめ、日中両国の経済発展に多大な貢献を頂いている皆様に感謝の意を表し、さらに江蘇省無錫市のアウトソーシング産業の発展企画を御紹介し、中日間IT情報サービス企業交流の機会を提供しました。

江蘇省無錫市人民政府 方偉副市長をはじめ、中国側関係者の皆様、本当にありがとうございました。

Xuxi_audience

以下、11月10日に開催されたシンポジウム概要を一通り報告します。

まず、主催者代表として中国江蘇省無錫市人民政府 方偉副市長から開会のご挨拶がありました。

無錫ご挨拶

午前の部の前半は、グローバルソーシングに関する講演が2件ありました。午後の部の後半は、無錫市政府対外貿易経済合作局さまから「無錫市外資政策、投資環境」に関するご説明、ならびに無錫恵山ソフトウェアアウトソーシングパーク(O-PARK)のご紹介が続きました。

昼食をはさんだ後、午後の部も講演が続きます。日本訪問団から3名、中国代表団から3名の講演者が壇上にのぼりました。

講演が終了した後は、無錫市恵山区政府主宰のご宴会。次々に出される無錫名物料理に舌鼓を打ちながら、中日交流の会話が弾みました。中国側の心づくしのおもてなしに、大会参加者はみなあたたかい気持ちで一杯でした。心から感謝いたします。


では、無錫シンポジウム大会の詳細を報告します。

日本オフショア開発フォーラム 北島義弘実行委員長の司会により、江蘇省無錫市人民政府 方偉副市長のご挨拶で無錫シンポジウムは幕開けしました。

中村先生無錫講演

プログラム第一番目は、慶應義塾大学 中村維男教授による基調講演です。

中村維男先生は、1972年に東北大学大学院博士課程修了され、工学博士(PH.D)、1988年に東北大学教授、1994年に米国スタンフォード大学(Stanford Univ)客員正教授、2007年に東北大学名誉教授、英国ロンドン大学インペリアル校(Imperial Colledge)教授・フェロー、2007年から慶應義塾大学教授(現職)、IEEE(米国電気電子学会)計算機科学大学教授・世界トップ賞(2004年)受賞、IEEE シンポジウムCOOL Chips組織委員会委員長、IEEE FELLOWです。

日本だけではなく欧米の一流大学で教鞭をとられた経験のある、計算機科学の世界的な権威です。

基調講演のテーマは「全球外包時代的国際IT人材戦略」。これからの時代について計算機科学の最先端から見られた見識をご披露頂きました。特に、計算機科学の歴史を踏まえ、今後の発展方向が環境に配意したグローバルソーシングに向うであろうこと、並びに国際IT人材戦略の良し悪しにより、企業や国家の命運が左右されるであろうという主張は、本フォーラムに参加しないと聞けない貴重な内容でした。

二番目の講演は、日本国経済産業省の許可により代表的な情報サービス企業で構成される社団法人情報サービス産業協会(JISA)の副会長を務める杉山尋美様から「日本のIT産業の現状と今後の動向」についてお話をいただきました。豊富なデータと大局的な視点による分析は、日本の情報サービス業界で要職を重ねてこられた氏ならではの切り口です。

三番目の講演は、無錫市政府対外貿易経済合作局様による無錫市外資政策と投資環境、ならびに、無錫市恵山区が誇るソフトウェアアウトソーシング産業集積基地 O-PARK のご紹介です。
翌日、日本代表団は、無錫市政府対外貿易経済合作局様ならびに無錫市恵山区政府様のご案内によりO-ParkならびにK-Parkを視察しました。見学の様子を写真におさめましたので、後述します。

昼食をはさんで、午後の部は、日本を代表する中国語学者(元御茶ノ水女子大学教授、文教育学部長)で中国語コミュニケーション協会代表の相原茂先生による特別講演から始まりました。

相原先生無錫講演

相原茂先生は、長年NHK(日本放送協会)の中国語会話講師(テレビ、ラジオ)を担当された日本で最も権威ある中国語教育者の一人でもあります。実際、中国に駐在する日本人ビジネスパーソンの多くは、相原先生の中国語会話の薫陶を受けていると言われています。著述、マスメディでも活躍されており、特に中国語学習に必須の辞書(本、電子)においても大きな貢献をされています。今回の講演では「日中文化の差異を乗り越えるコミュニケーション術」というテーマで、オフショア開発に必須の日中間のコミュニケーションを円滑に行う方法を解説して頂き、本フォーラムに参加にした中国側、日本側の両方の参加者に十分役に立つ、実践的な内容で聴衆から時折、大きな笑いがある非常に楽しく実践的な内容でした。

第五番目の講演は、無錫の民間企業を代表して、無錫軟通動力科技有限公司の盧九評 総経理から「中国のオフショア開発の現状」と題した自社の経験談を中心としたお話でした。対日オフショア業務に適した人材の選抜と育成、キャリア開発・労務管理の秘訣について、実体験に基づく貴重なノウハウを惜しみなく披露してくれました。

廬無錫講演

握手

第六番目の講演では、日本から訪中したUMLモデリング推進協議会(UMTP)の小林正博事務局長から、UMLモデリング技術者試験の動向について報告がありました。分散開発におけるUMLモデリング技術の活用実績の紹介と認定試験の最新動向は、現地で活躍する対日オフショア関係者にとって貴重な情報となりました。

第七番目の講演では、日本代表団を率いた日本オフショア開発フォーラム実行委員の副委員長を務める幸地司から、世界同時不況に苦しむ日本企業のOutsourcing戦略が紹介されました。特に、日本人管理者の心理に深く斬り込んだ分析は、中国に漠然とした不安を持つ平均的な日本人技術者の気持ちを理解する上で欠かせないノウハウだと評判でした。

幸地無錫講演

第八番目の講演は、上海の代表的なIT企業の一つである上海坦思計算機系統有限公司の副総経理 東誠様より、政府系合弁IT企業のオフショア事業の動向と中国内需への技術展開に関する考察でした。富士通の中国進出の歴史に始まり、最近特に関心が高まってきた中国内需への技術展開に関する取り組み事例は、日本代表団だけではなく現地で活躍する業界関係者をも驚かせました。

東誠無錫質疑応答

第九番目、最後の講演では、オフショア開発フォーラム会員を代表して、無錫天狗ソフトウェアディベロップメントの増満工将董事長兼総経理から、「オフショアではなくオンショア ~大家来来無錫(是個好地方)」と題したご自身の中国営業展開の体験紹介がありました。開発言語Rubyの可能性を信じて、中国でのRuby普及活動に取り組む姿勢は、中国人技術者コミュニティからも好評でした。

招待晩宴

講演が終了した後は、無錫市恵山区政府主宰のご宴会。次々に出される無錫名物料理に舌鼓を打ちながら、中日交流の会話が弾みました。中国側の心づくしのおもてなしに、大会参加者はみなあたたかい気持ちで一杯でした。心から感謝いたします。


Opark

翌11月11日(水)午前、日本代表団一行は無錫市恵山区が誇るO-Parkを見学しました。

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この写真は、O-Park内に設置された大規模な講堂です。次の国際会議は、無錫市恵山区政府様のご厚意により、この講堂を使わせていただくかもしれません。

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O-Parkは、訪問者をもてなすだけではなく、そこで働く人々を満足させるための施設が充実しています。開放的な共有空間は、色鮮やかな椅子・机・備品がセンス良く配置されています。運動器具を完備する施設やヨガ室など、抜群の居心地を誇ります。

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日本代表団一行は、この後も場所を K-Park に移して視察を続けました。K-Parkでは、先進的な取り組みで有名なIBM クラウドセンターを皮切りに、無錫を代表するオフショア企業の無錫iSoftStones、そして、米国一流大学が進出して話題になった iCarnegi の施設をそれぞれ訪問しました。

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