素朴な疑問「最近のオフショアってどう?」
あなたは、今年4月入社予定の新米プログラマから次の質問を受けました。あなたは、先輩または上司として、新米プログラマの素朴な疑問に答えなさい。
<問1>以前のオフショア開発は失敗だらけでしたが、最近はどうなんでしょうか?
<問2>以前のオフショア開発はよかったですが、最近は中国の人件費が高くなってきたのでメリットが小さくなったのでは?
・・・
・・・
・・・
2010年3月5日追記
<答1>どの会社も、一度くらいは失敗するもの。実は、オフショア開発の成功事例は多い。一般にプロジェクトの成功事例を聞いても、退屈なだけでつまらない。しかも、苦労を重ねてようやくオフショア開発で失敗しなくなった会社が、堂々と「うちはオフショア成功した」と自慢するワケがない。「オフショアは相変わらず失敗ばかり」と思っている人は、選択的認知と呼ばれる認知バイアスに陥っていると自覚せよ。
<答2>答えはYesかつNoだ。優秀な中国人SE・PMの賃金は、毎年のように上昇している。ただし、チーム全体でならした中国人SE単価は、過去10年間ほとんど変化していない。生産性の向上が、人件費の向上を上回っているのだ。しかも、ダンピングも横行しているし。一方、中国法人の運営コストは毎年のように上昇しているため、原価削減だけが目的だとオフショア子会社所有のメリットは小さくなってきた。
JETROの2009年度調査レポートによると:
中国日系企業(通信・ソフトウェア業)のスタッフ月収は3604元、マネージャの月給は9232元(たぶん手取り額)。会社側の年間負担額は、それぞれ65,057元と151,231元。これを高いとみるか、安いと見るかはあなた次第。
参考:JETRO(2010)、在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査 ―中国・香港・台湾・韓国編― (2009年度調査)
Comments
拙い私の経験談です。
A1
オフショアで成功しているところはそのノウハウは公開しません。
宝ですから。
私も公開しません。
それで給料もらってますから。
私から見ると中国人は日本人より使えます。
A2
Noですね。
人件費は変わってないかむしろ下がってます。開発効率、生産性が上がっているからです。1人月いくらという昔ながらの費用換算はもう意味がありません。
1Ksいくらで換算すべきです。
そうすればわかります。
Posted by: うえさん | March 06, 2010 at 11:05 PM