駐在員の医療リスク対策実例「中国でヘルニア治療」
中国の大都市に駐在するある日本人は、持病のヘルニアが悪化したため市内でも指折りの総合病院(国営系)に駆け込みました。
ところが、診察した中国人医師は「やれMRIスキャンを撮れ、料金前払いせよ」と患者の苦悩には一切関心を持ちません。挙句の果てには、すぐに「手術だ!」と結論を急ぎます。
しかも、そのMRI画像を他患者に見せびらかして、「君たちも早めに治療しないと、この日本人のように背骨が出っ張って歩けなくなりますよ」と大声で院内営業します。
中国の有名総合病院ですら、個人情報保護など何処吹く風。
突然の宣告に驚いた日本人ヘルニア患者は、東京本社から紹介された日本勤務経験を持つ別の中国人医師にも相談。すると、彼もMRIを見るなり「あまり急ぐ必要はないものの・・・」と前置きした上で、やんわり手術を勧めました。
あまりのショックに呆然とする日本人ヘルニア患者さん。ようやく立ち直り、改めて本社経由で日本人医師にMRI画像を観てもらいます。すると、このような回答でした。
「手術は不要です。もし・・・などの症状が出た場合には緊急手術
が必要ですが、現状では運動と減量で様子を見てください」
それ以来、この日本人駐在員は、中国の医者を信じなくなりました。
<問>なぜ、中国の医者は、すぐに「手術だ!」とわめくのでしょうか。マネジメントの観点から、あなたの仮説を述べなさい。
結局、この日本人駐在員は総合病院(国営系)での治療を諦めて、ある日本人向け医療支援サービスを利用して別の病院で治療を続けました。もちろん、手術はなし。リハビリテーションの専門医師(中国人)の牽引によって、痛みはすぐに和らぎました。
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