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面子を理解する

日中の内外環境の違い

現在、開講中のオフショア大學第7期では、中国人の「面子」に関する質問が数多く寄せられました。特に関心が高いのが、食事や飲み会、お土産に関するTipsです。

・中国では客人をもてなすために「食べきれない量の食事を用意する」というが、食べきると面子を潰すとは本当か?

・食事は誘ったほうが全額支払う。誘われた方が財布をだすだけで面子を潰すとは本当か?

・(食事を豪勢に振るまい、なおかつ全額自分で負担する)中国の方は金持ち、貧乏、男女も関係なく「面子」は重要なのでしょうか?

先日の公開セミナー6時間コースでも、同様な質問が飛び出しました。なぜ、最近のオフショア大學受講生は、このような疑問を持つのでしょうか。私は、その理由を以下のように分析します。

<理由1>オフショア初心者はプロセス標準化や監視コントロールの強化といった教科書的な取り組みよりも、まずは相手と中国式の意味で親密関係を築くことを優先せよ。とオフショア大學では泥臭さい交流促進を強調するから。よって、その教えに従い、オフショア初心者は、中国人との交流場面を仮想演習するのではないでしょうか。

<理由2>オフショア大學の門をたたく受講生の裾野が広がり、中国未経験者が増えたから。以前の受講生は、中国経験者(オフショア中級者)が圧倒的多数でしたが、最近はメディアや他人の噂話に振り回されがちな中国オフショア未経験者が増えました。よって、日本と中国にちょっとした「違い」に関心が集まり、ある種の過剰反応を示しているような気がします。リーマンショック以降の新しい傾向です。

中国人の面子に関するTipsは、近所の本屋に関連書籍が並んでいます。一部には単なる中国誹謗論も混ざっていますが、普段はなかなか中国人と接する機会がないオフショア初心者にとっては、中国式「面子」を理解するうえで欠かせない情報源だと思います。

オフショア大學では、本屋に並ぶ一般書籍との差別化を図るために、ビジネスの基本となる人間関係の異文化間相違を理解する2つのフレームワークを導入して、巷に溢れる中国Tipsを解説するよう心がけています。

1)身内環境と外部環境の範囲と強度を分析するフレームワーク
2)信頼関係を「信頼」と「関係」に分割するフレームワーク

そこで、私はオフショア開発セミナー受講生に対して次の課題を出しました。

オフショア大學が提唱する2つのフレームワークを使って、日本人出張者が中国現地のオフショア拠点を視察する際の留意点をまとめなさい。日本人出張者の歓迎会での留意点、特にこれだけはやってはいけない、などのタブーを検討しなさい。

ちなみに、中国語の面子と英語のプライドは別物です。

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上海万博から学ぶ受入検査への対応

来月開幕する上海万博については、日本のお茶の間でも頻繁に取り上げられます。マスコミの報道によると、上海市民を動員したリハーサルではマナー問題など運営上の障害が次々と指摘されたそうです。

ソフトウェア業界の言葉を借りれば、5月1日からの本番稼動を目前に最終の受入検査(検収作業)を実施しているにも関わらず、いまだにバグが収束していない状況だと言えます。

そこで、私はオフショア開発セミナー受講生に対して次の課題を出しました。きっと教科書やTipsの暗記だけでは得られない深い考察に達するでしょう。

今週から来週にかけての上海万博の動きをよく観察しなさい。納期遅延が絶対に許されない状況下で、中国人従業員がどのように受入検査を実施するのか、どのように障害対応するのか、障害対応後の再発防止策をどのように打ち出すのか。これらの典型的な思考と行動特性を自分なりに整理しなさい。
さらに、上海万博が正式に開幕する5月1日以降は、保守運用に関する中国式対応が学べると思います。

ここで注意すべきは、決して批判的な色眼鏡をかけて中国を観察しないこと。同時に、中国への過度の感情移入も避けるべきです。

このような一連の動きを分析して、名古屋で開催するオフショア開発勉強会で紹介したいと思います。

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【写真ツアー】成都2010中日組込みソフトウェアセミナー

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【写真ツアー】成都天府ソフトウェアパーク訪問

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【速報】成都天府ソフトウェアパーク講演

4月19日は、中国内陸部の成都にて開催された2010中日組込みソフトウェアセンター(成都)で講演しました。組込みに関連した話題として、中日両国の人口分布から考察するOutsourcing戦略と世代別生産性の違いの克服法について講演しました。

<成都講演概要>
1)中日それぞれの人口ミラミッド分析から導かれる課題の整理
2)組込みソフトウェア分野における世代別生産性の考察
3)大連とは違う成都型Outsourcing組織の提言

昨日の出番は、同時通訳を使ったわずか15分間。当初の講演計画では、前半に中国の一般的な問題点を指摘しつつも、後半には成都の優位性を強調して、最後にうまく提言としてまとめるつもりでした。

ところが、時間が足りずに焦ってスライドを飛ばしまくった結果、「中国の問題点」ばかりが目立った講演だったかもしれません。翌日、成都天府ソフトウェアパークの方々からは「面白い講演だ」と褒めてもらいましたが、気を悪くされた方がいらっしゃれば、ごめんなさい。

成都初訪問の詳細は後日レポートします。

※参考情報 
中国ソフト博で中日ソフト産業大会、行政・民間とも関係強化を確認
http://biz.bcnranking.jp/article/news/1004/100419_122527.html

MIJS、成都進出へ、中国ソフト博・中日ソフト産業大会で幹部明言
http://biz.bcnranking.jp/article/news/1004/100419_122528.html

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「全体は合格、部分は不適格」の評価

開発プロセスがきっちり定められたある中国オフショア企業では、マイルストーン毎に品質報告書を作成します。この組織では、日本側と事前合意した工程別の品質指標を細かく定義しているため、品質報告書の体裁は毎回ほぼ一定です。

ところが明確に数値管理されるバグ密度とは異なり、定性的な品質目標についてはいつも属人的に評価されます。

<定性的な品質目標の例>

・ソースコードの可読性を確保すること
・ソースコードと設計書を一致させること(仕様変更多発の場合)
 ・・・・・・

全社統一的に数値化されたバグ密度目標ではありますが、モジュール毎の品質目標までは定義されていません。同様に、バグ種別ごとの数値目標も立てられません。

<定量的な品質目標だけど、大雑把なので主観が入り込む例>

・全体のバグ密度目標は明確だけど、モジュールによってばらつき が大きい。例えば、モジュールAのバグ密度は、モジュールBのバグ密度の2倍あるとする。これは正常か、それとも異常か。

ある日、中国人リーダが作成した品質報告書の一部分が問題視されました。

□□□システム品質分析結果:「全体目標は達成した。モジュールAのバグ密度は、モジュールBのバグ密度の2倍あるので不適格である」

この報告書を読んだ日本人担当者は、こう反論しました。

モジュールAに問題が残っているのに、全体目標を達成したと主張する中国の考えは間違っている。日本の品質管理では100点だけが合格であり、99点以下は不合格だ。

品質報告書を書いた中国人リーダも抵抗します。

全体目標値の誤差15%範囲内に収まっているので、計画通り目標達成と書きました。今回、我々は、計画外の品質についても、自発的に詳細分析しました。そして、事実を報告書に記載しただけです。だから、日本側の批判は間違っています。

■ 問いかけ ■

あなたは、上記会話を読んで、どちらの側の意見に同意しますか。あるいは、両者とも正しい/両者とも間違っているとすれば、このコミュニケーション齟齬をどう解決しますか。

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緊急アンケート「成都オフショア開発に興味あるか」

来週の月曜日(4/19)、成都のソフトウェアパークから招待を受けて、成都を初訪問します。現地では、第八回中国国際ソフトウエア博覧会が開催されます。

私は、この博覧会で催されるイベントの1つ2010第3回日中組込みソフトウェアセミナーで講演します。講演テーマは「在経済不況時期的対中国外包戦略及日本管理人員的心理分析」。短い講演時間ではありますが、張り切って参ります。

そこで、急遽アンケートを実施します。成都オフショア開発に関するあなたのご意見を教えてください。この結果を来週月曜日の講演で紹介したいと思います。

<問1>2010年4月現在、あなたは成都オフショア開発に興味がありますか?

興味ある(成都訪問あり/取引実績あり)
興味ある(成都は未経験
興味ない
その他

結果を見る
興味あり/なしの理由をコメントボードに書き込む

<問2>成都オフショア開発と聞いて、あなたがイメージするものは?

人件費が安い
人材が豊富
人材定着率が高い
発展著しい内陸部
優秀な大学
組込系ソフトウェア開発
欧米系
軍事産業
パンダ
三国志
料理

結果を見る
その他にイメージすることをコメントボードに書き込む

締切:2010年04月22日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/

例によって個人情報の入力は不要です。どうぞ安心してアンケートにご協力ください。よろしくお願いします。

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直属上司のみに従う傾向

昨年、中国子会社に赴任した日本人駐在員の部長さん(50歳)は、今月から役員に就任しました。立派な肩書きとは裏腹に、この駐在員は子会社での人事権を持っていません。

今月から子会社役員として張り切る日本人駐在員は、社内を歩きまわって得意の現場改善に乗り出しました。

早速、社内で真っ先に目についた中国人SE(28歳)に対して、改善指導を与えました。この現地法人では、ソースコードレビューは日本本社と同様にチームメンバーを一同に集めて、PCプロジェクターを使って全員で一つのコードを精査する方式をとっています。

ところが、注意を受けた前出の中国人SEは、忙しさのあまり自席で独りソースコードレビューを済ませていました。何か問題を発見すれば、該当箇所を制作した担当プログラマを自席に呼びつけて、個別に指導する簡易レビュー方式です。

ここで予想外の事態が発生します。本社で部長にまで上り詰めた実績豊富な日本人駐在員の助言であっても、この中国人SEは一切聞く耳を持ちません。指導を受けた中国人SE曰く「規則通りにソースレビューしたら納期に間に合わない」。

一向に改善されない現場に業を煮やした日本人駐在員は、当該SEの直属上司に相談しました。直属上司は、中国人の課長(33歳)です。すると、今度は全く同じ指導にもかかわらず、驚くほど素直に指示に従いました。

■ 問いかけ ■

日本人駐在員は、こう結論づけました。

 中国では「何」を言ったかではなく、
 「誰」が言ったかがより重要である。
 また、中国人SEは直属上司のみに従う傾向が強い。

あなたは、この意見に同意しますか? 
また、あなたなら、この日本人駐在員に対して何を助言しますか。

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「高品質は暗黙の前提条件」を中国は受入れるべきか

先日、厳しい納期を守りながら日本都合の仕様変更に対応したのに、プロジェクト終了後に「中国は品質が悪い」と日本からイチャモンをつけられて憤慨する中国人マネージャの談話を紹介しました。

このような、中国人マネージャの親切心が仇で返された事例を文章化すると、いかにも「アンフェアな日本が悪い!」と判官贔屓に走りがちです。ですが、実際には双方の当事者の声に耳を傾けないと判断できません。

◇中国人マネージャーの親切心:

とにかく日本の要求通りに納期に間に合わせた。細かい不具合があるかもしれないが、体裁を整えたので日本は助かっただろう。実際、当たり前品質を満たすプログラムを納品したと自負する。万一、細かい不具合が発生すれば、後から私たちはすぐに対応するし、そのための万全の体制を敷いている。うちの技術者は連日残業で疲弊しているから、日本側も営業努力でなんとかカバーして欲しい。

◆日本人発注担当者の本音:

日本都合の厳しい納期に間に合わせた根性は有り難いが、品質劣化は認められない。我々だけじゃなく、エンドユーザーが許さない。コーディング生産性を高めたら品質が下がる、という理屈は納得できない。中国では、計画時に合意した品質基準をクリアする前提でコーディング生産性を高める努力をしていると思っていた。ところが、中日の意識がズレていたのでビックりした。コーディング生産性が上がっても品質は一定水準を保つべきだ(trade-offではない)。もし品質水準を保てないなら、コーディング生産性が高いとは言えない。

■ 問いかけ ■

日本企業の100%子会社である中国現地法人のオフショア拠点では、親会社の意向に沿って「高品質は暗黙の前提条件」の文化を受け入れるべきでしょうか。

拙著オフショアプロジェクトマネジメント【SE編】(p64)の言葉を借りれば、中国法人の組織文化第二層に「高品質と高生産性は両立」の精神を根付かせるべきでしょうか。

それとも「郷に入っては郷に従え」とばかりに、日系子会社であっても中国企業の品質感覚を重視すべきでしょうか。

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コーディングの生産性と品質はトレードオフ(trade-off)

日本企業の発注担当者に憤りを感じる中国人マネージャーの発言を読んで、後の設問に答えなさい。

プロジェクト計画時に中日双方の話し合いによって、プロジェクトの目標値を合意しました。バグ密度や単位時間あたりのコーディング出来高などです。

ところが、蓋を開けてみると、プロジェクト途中から最後まで、日本都合による仕様変更が相次ぎました。にもかかわらず、納期は変わらず、仕事量も減らされません。

我々はコーディングの生産性を高めて対応するしかありません。いくら人材豊富な中国とはいえ、プロジェクト途中からプログラマを追加投入しても、生産性が下がるばかりで納期短縮には役立ちません。

ですから我々は、既存メンバーが残業することで、日本都合の仕様変更に対応しました。それなのに、日本人は、プロジェクト終了後に「中国は品質が悪い」とイチャモンをつけました。

中国はプロジェクト計画で立てたバグ密度を達成できませんでしたが、予定より多くの仕事量をこなして、かつ、予定通り納期に間に合わせました。納期遅延という最悪な状態を避けられたことで、日本側の面子も守れたはずです。

このような中国側の努力を無視して、一方的に我々を非難するなんて、日本人は不公平です。

■ 問いかけ ■

<問1>あなたは、この意見に同意しますか?
<問2>この中国人マネージャの更なる成長を願ったとき、あなたならどのような助言を与えますか。

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「最初の指示はこうだった」と反論を食らう

先週から開講したオフショア大學第7期「異文化コミュニケーション講座(eラーニング)」より。

中国オフショア委託先で唯一日本語が堪能な中国人ブリッジSE(陳くん:仮名)は、日本側の作業指示を現場に伝える通訳を担当しています。

ところが、日本側での陳くんの評判は良くありません。陳くんの日本語力は全く問題がりませんが、ときどき「嘘をつく」と思われています。

 1)すぐやると返事したのに、なかなか着手しない
 2)調べもしないで「わかった」「問題ない」と勝手に判断する
 3)言葉を正確に通訳せずに自分の意思を交える

日本側の窓口担当者と陳くんは、よく口喧嘩します。
「いい加減な事は言うな!」「そのときは、そうでしたよ!」

その他、よくある厄介な問答:

・私は先週「問題ない」と報告したけど、今は状況が変わった。
だから私は悪くない。→ いや、ほうれんそう不足だ、お前が悪い。

・なぜ日本人は製造工程になってから仕様変更しますか。
→ いや、あれは暫定仕様だと言ったはずだ!

■ 問いかけ ■

オフショア大學の授業で陳くんの行動特性を分析したところ、これは中国人気質なのか、それとも陳くん個人の癖なのかで意見がわかれました。

ある受講生は、こう疑問を投げかけました。

中国文化に「最初に言った指示が絶対」という傾向があるのか。 私の関わったプロジェクトでも「あの時はこう言っていた」と反論されることがしばしばあった。

あなたなら、どう答えますか。疑問を投げかけた受講生は、中国オフショア初心者ですが、仕事へは常に前向きで取り組んでいて、中国に対する偏見を持っていないと仮定します。

<読者アンケート>

「最初の指示はこうだった」と中国人から反論を食らうことが多いが中国文化の特徴か? 真面目な日本人部下から質問を受けたとき、あなたなら何と答えますか。コメント欄に模範解答を示しなさい。

基本Yesと回答
基本Noと回答
その他

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コメント欄

締切:2010年04月14日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/

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