「高品質は暗黙の前提条件」を中国は受入れるべきか
先日、厳しい納期を守りながら日本都合の仕様変更に対応したのに、プロジェクト終了後に「中国は品質が悪い」と日本からイチャモンをつけられて憤慨する中国人マネージャの談話を紹介しました。
このような、中国人マネージャの親切心が仇で返された事例を文章化すると、いかにも「アンフェアな日本が悪い!」と判官贔屓に走りがちです。ですが、実際には双方の当事者の声に耳を傾けないと判断できません。
◇中国人マネージャーの親切心:
とにかく日本の要求通りに納期に間に合わせた。細かい不具合があるかもしれないが、体裁を整えたので日本は助かっただろう。実際、当たり前品質を満たすプログラムを納品したと自負する。万一、細かい不具合が発生すれば、後から私たちはすぐに対応するし、そのための万全の体制を敷いている。うちの技術者は連日残業で疲弊しているから、日本側も営業努力でなんとかカバーして欲しい。
◆日本人発注担当者の本音:
日本都合の厳しい納期に間に合わせた根性は有り難いが、品質劣化は認められない。我々だけじゃなく、エンドユーザーが許さない。コーディング生産性を高めたら品質が下がる、という理屈は納得できない。中国では、計画時に合意した品質基準をクリアする前提でコーディング生産性を高める努力をしていると思っていた。ところが、中日の意識がズレていたのでビックりした。コーディング生産性が上がっても品質は一定水準を保つべきだ(trade-offではない)。もし品質水準を保てないなら、コーディング生産性が高いとは言えない。
■ 問いかけ ■
日本企業の100%子会社である中国現地法人のオフショア拠点では、親会社の意向に沿って「高品質は暗黙の前提条件」の文化を受け入れるべきでしょうか。
拙著オフショアプロジェクトマネジメント【SE編】(p64)の言葉を借りれば、中国法人の組織文化第二層に「高品質と高生産性は両立」の精神を根付かせるべきでしょうか。
それとも「郷に入っては郷に従え」とばかりに、日系子会社であっても中国企業の品質感覚を重視すべきでしょうか。
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