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ソフトウェア品質に関する「暗黙の前提条件」の誤差調整

最近の記事は、主に中国側の視点で書かれます。

例えば、本ブログでは意図的に「日本は過剰品質」と主張します。これは中国(ベトナム、インド)の平均的な品質意識と比べて、日本の品質基準は相対的に高い、かつ、コストを度外視した品質最優先主義が根強く残っている、という意味です。

つまり、中国側の視点では、日本人は費用対効果を分析せぬまま割に合わない品質向上の努力を繰り返しているように感じられます。最近「ガラパゴス化」と揶揄される日式家電の過剰高機能化も好例です。

余談ですが、念のため、ここで1つ注意。

通常、本誌では個別製品に限定したノウハウ/技法を論ずることはありません。よって「うちは社会基盤システムを扱っているので過剰品質ではない」「わが社は○○なので、メルマガの理論は適用できない」などと大人気ない反論をなさらないように・・・。

「日本は過剰品質」という主張は、日本市場の全体傾向を中国視点で評しているに過ぎません。孫子の兵法「敵を知り己を知れば百戦危うからず」をビジネスに応用するためも、仕事相手となる中国人SEの思考パターンを知っておいて損はないでしょう。

そもそも品質に絶対的な判断基準などありません、したがって、異文化理解の原則に則り、常に「相対的な視点」で物事を見る態度を身につけて欲しいと思います。

私は、企業内研修やコンサルティングの際に、経験豊富な日本人役職者の暗黙の前提条件(根拠のない思い込み)を覆す発言で物議を醸します。私を呼んでくれた研修担当者の顔色が変わる瞬間です。

「日本は過剰品質である」

「かつての日本企業では、品質向上のための人件費はタダ同然だった。だから今でも、品質を費用対効果の観点から分析できない」

「貴社のソフトウェア開発業務にはマネジメントがありませんね。あなたが今までやってきたのは、主にラインコントロールによる業務改善の繰り返しです」

「中国オフショア子会社は日本の親会社の鏡です。あなたは中国子会社でプロセス改善といいますが、日本で実現できないことを中国に求めても実現されませんよ」

<補足>私を雇ってくれた顧客企業にとって、私はあくまでもヨソ者に過ぎません。だからこそ、私は心を鬼にして、現場の姿をありのままに報告します。現場に足を運ぶと、第三者コンサルタントだからこそ見える風景が無数に転がっています。(実際には、報告相手を選んで、言葉を選んで慎重に話します。私も客商売なのでw)

■ 問いかけ

<問1>あなたの組織には、経験豊富な日本人役職者が信じて疑わない「暗黙の前提条件」を疑問を持ち、心を鬼にして問題点をズバリ指摘する人はいますか?

例:貴社のソフトウェア開発業務にはマネジメントがありませんね。 あなたが今までやってきたのは、主にラインコントロールによる 業務改善の繰り返しですよね?

<問2>あなたの組織の「暗黙の前提条件」を定期的に棚卸して、チーム全体で共有化するためのプロセスを検討しなさい。日本人/男性/正社員/常駐作業/低い人材流動を前提としないプロセス設計を意識すること。(品質/人材育成/開発スタイルに関する暗黙の前提条件など)

<問3>あなたは、オフショア委託先の責任者から次の相談を受けました。
前回プロジェクトは仕様変更が多発したので、次回から欧米流の 反復型開発スタイルを採用したい。いいですか?
あなたは、どう答えますか。一般論ではなく、あなたの組織の「暗黙の前提条件」を十分に考慮した上で、あなたの組織環境に適した答えを検討しなさい。

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