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隣席で鳴り続ける内線電話にでない

平均的な中国企業では、隣の席に掛かってきた内線電話に他人がでる習慣はありません。残業好きな日本人が夕方6時半過ぎに中国現地法人へ電話すると、受話器の向こうから虚しい呼び出し音だけが響きます。急用なら、直接担当者の携帯電話に連絡することもしばしば。

このような「不親切」さは中国固有の現象ではありません。実際、米国企業だと、たとえ善意であっても他人の電話に出ることは越権行為だとみなされる恐れがあります。

■ 問いかけ ■

ここで、話を中国の日系企業に限定します。

<問1>
中国の日系オフショア現地法人では、親会社の商慣習にあわせて、他人に掛かってきた内線電話を取るべきでしょうか。それとも、郷に入っては郷に従えの精神で、あくまでも中国式の商慣習を優先すべきでしょうか。

<問2>
あなたは、中国の日系オフショア現地法人へ1ヶ月間の予定で出張することが決まりました。あなたの役割は技術指導です。あなたは、中国現地法人トップの意向により、現場改善の一環として、電話応対を含む中国人従業員間の情報共有を促進する役割も担うことになりました。さて、あなたは、どのようにして、内線電話への対応方法を指導しますか。

*オフショア勉強会ではチームビルディングの観点から議論します。8月20日(金)東京でお会いしましょう。

<問3>親会社に勤続30年の日本人男性部長(53歳)はこう言います。「部内の内線電話すら共有できないチームでは、到底よい仕事が出来るはずがない。中国オフショア子会社の品質と生産性を高めるためには、社内電話を互いにとりあうチームワークが必要だ」。

あなたは、この意見に同意しますか? 同意しませんか?

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締切:2010年08月06日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/

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本来、日本側が要求する目標とは

最近の私は、今さらながら目標設定の重要性を実感しています。プロジェクトマネジメントの知識体系として有名なPMBOKガイドは、チーム編成の説明で目標設定という言葉を使っています。

チーム形成は、共通する目的意識により結束した個人の集団が、 同僚、リーダー、外部ステークホルダー、組織等と相互に協力して作業を行うことを支援するプロセスである。チーム形成活動は、2つの要素からなる。

・タスク(目標設定、役割と手続きの定義と適切な処理)
・プロセス(コミュニケーション、コンフリクトマネジメント、動機づけ、リーダーシップを重んじた対人行動)

ある程度成熟したオフショア開発の目標設定では、明文化された数値目標(品質、コスト、納期、生産性等)よりも、数値目標の裏に隠された暗黙的なContexのほうが仕事の成果に影響します。

例えば、目標達成の判定基準には、明示的基準と黙示的基準があります。

明示的基準:定量的指標、文章化された評価観点など
暗黙的基準:文章化されない定性的指標、担当者の個人的感情など

経験豊富な日本人マネージャは、時々このような発言で物議を醸します。

<プロジェクト反省会での発言>
「本来、日本側が要求する目標水準には達していないが、中国側はよく頑張ってくれた」

[PR]2010年8月オフショア勉強会のテーマは「チームビルディング

■ 問いかけ

<問1>
中国オフショア開発プロジェクト反省会で、ある日本人が何気なく発した下記セリフが問題視されました。その理由を分析しなさい。

日本:本来、日本側が要求する目標水準には達していないが、中国側はよく頑張ってくれた(褒めているつもり)。

中国:・・・(驚愕)

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総集編オフショア温度差

今夜は、第39回オフショア開発勉強会が開催されます。今月のテーマはオフショア開発で発生する温度差です。復習を兼ねて、過去に議論したオフショア温度差に関する原則や技法を整理します。ご参考までに。

●温度差解消のために可視化すべき6つの要因

(1)作業員
(2)開発環境
(3)ドキュメント
(4)ソースコード/品質
(5)プロセス
(6)ガバナンス

●次世代オフショアの3つのキーワード。

(a)保守
(b)国際多拠点
(c)Agile

オフショア保守の主な課題は2つあります。

(a-1)技術者のモチベーション管理
(a-2)原因分析による「コツコツ」改善

三カ国以上での多拠点オフショア開発の主な課題も2つあります。

(b-1)Globalなコミュニケーション
(b-2)Globalな開発スタイル

●オフショア開発における温度差の5要素

1) 指示・命令の伝達不備
2) 情報共有の不備
3) モチベーション低下
4) ビジネス社交関係の未熟さ
5) 信頼関係の誤解

●異文化間ビジネスにおける信頼関係の3要素

1)実績
2)社交性
3)正当性

●オフショア温度差に関する事例

オフショア保守での温度差に関する2つの事例
中国企業のリーダー配置に関する温度差
マイクロマネジメントが改善活動を阻害
分散拠点間の温度差解消フェーズ
日本人リーダの率先行動が何より大切??
ソフトウェア品質に関する「暗黙の前提条件」の誤差調整
・報告書作成プロセスの温度差
・作業標準の賞味期限に関する温度差
・「今日終わります」は既に完了済み
・状況を尋ねたらテストケース一覧だけが送られた

■ 問いかけ

今夜のオフショア開発勉強会参加者へ。

あなたの身のまわりで起きたオフショア温度差を1つ挙げなさい。実際にやって良かったと思う温度差解消のための具体的対策を1つ挙げなさい。

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マイクロマネジメントでは改善が促されない

今週水曜日、第39回オフショア開発勉強会が開催されます。今月のテーマは、オフショア開発で発生する温度差です。オフショア大學では、下記6項目を温度差解消のための大事な可視化指標として提唱します。

(1)作業員
(2)開発環境
(3)ドキュメント
(4)ソースコード/品質
(5)プロセス
(6)ガバナンス

オフショア温度差に関する事例を1つ紹介します。

古き良き日本的な社風を持つソフトウェア企業のG社は、ある中国企業とラボ契約しています。古き良き日本的な社風とは「品質第一/顧客第一/日々改善/根性と気合/技術は教えて貰うものではなく盗むもの/親分が部下の面倒をみる」などです。

G社では、これまでも自社に常駐する外注を日次単位で工数管理してきました。その代わり、外注要員だからといって差別することなく、彼らをG社の社員と同様に長期的にOJT指導します。

中国ラボを遠隔指揮するG社の日本人中堅リーダーは、これまでの外注管理方針をそのまま踏襲して、中国拠点をマイクロマネジメントしはじめました。

「今週、陳さんが担当する□□□機能は5人日でやってください」
「管理業務は、いつものように15%の工数を割り当てること」
「障害が発生した根本原因を調査して木曜日までに報告せよ」

中国ラボの運営リーダーは、G社の重箱の隅をつつくような管理手法に対して意外にも柔軟に対応します。ところが、どうしても1つだけ不満があります。

それは「改善活動のための工数」に関する認識の食い違いです。

G社では、あらゆる部署や立場を超えて組織横断的に「改善活動」を推進します。中国ラボの運営リーダーは、このようなG社の社風を高く評価しています。

ところが、G社のやり方をそっくりそのまま中国に適用させようとする「押し付け」には心理的抵抗を隠せません。なぜなら、G社が作成した中国ラボの作業工程表には、改善活動に関する項目が全く含まれていないからです。どうやら、G社では改善活動はプロジェクト業務外でやるべき「雑務」の扱いです。

中国ラボのリーダーは、常々このような不満を漏らします。

G社の要望に応えて中国でも改善活動を推進したいですが、私たちにはそのための工数が与えられていません

■ 問いかけ ■

<問1>上記の事例を「温度差」と「可視化」の観点から分析しなさい。第39回オフショア開発勉強会(東京/代々木)では、日中の認識の食い違いが発生した原因や有効な解決策を議論します。

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温度差解消のために可視化すべき6つの要因

今週の水曜日、第39回オフショア開発勉強会が開催されます。今月のテーマは、オフショア開発で発生する温度差の研究です。前月から、本誌でもオフショア温度差に関する議論を続けてきました。

オフショア温度差が生じる原因は様々ですが、オフショア推進環境を可視化することで暗黙の仮定/善悪の判断基準/共通指針や標準プロセスに関するメンバー間の意識乖離を小さくできます。

オフショア大學では、下記6項目を温度差解消のための大事な可視化指標として提唱します。

(1)作業員
(2)開発環境
(3)ドキュメント
(4)ソースコード/品質
(5)プロセス
(6)ガバナンス

一般に、プロジェクトの「可視化」といえば、品質の可視化とプロセスです。オフショア開発では、作業員の可視化と開発環境の可視化が軽視されがちで、ときどき思わぬ落とし穴にはまります。

■ 問いかけ ■

<問1>中国から納品されたソースコード一式を確認しようと思ったら、なんとコンパイルすら通りません。あなたは、当該プロジェクトの利害関係者ではないとします。「開発環境の可視化」の観点から当事者に効果的な助言を与えなさい。

<問2>あなたは、中国オフショア側のサブリーダー劉さんとは個人的な信頼関係があります。ところが、ある日、重大な事実が判明しました。劉さんは、なんと1ヶ月前に転職しており、現在あなたとメールするサブリーダー劉さんは同じ苗字の別人だというのです。さて、この事実を中国側プロマネから聞かされたあなたは、いったいどう反応しますか。

<関連メルマガ記事>
・2010/06/04(第1,208号) オフショア保守における温度差
・2010/06/07(第1,209号) ソフトウェア品質に関する「暗黙の前提条件」の誤差調整
・2010/06/28(第1,213号) 報告書作成プロセスの温度差
・2010/06/29(第1,214号) オフショア開発における温度差の5要素
・2010/07/02(第1,216号) 意味が無いと思います

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次世代オフショアの3つのキーワード

先日、名古屋で今年2度目のオフショア開発勉強会が開催されました。テーマは最新の中国IT投資環境について。

政府や特定企業の提灯記事など絶対に書かない私の本音トークが炸裂した2時間でしたので、参加者のほとんどは「目から鱗」の連続だったのではないでしょうか。特に、中小企業に的を絞った中国現地法人の設立ネタは、現地で情報収集しないと絶対にわからないと思います。(文字で残すとやばいのでここでは公開できません。あしからず)

さらに、中国マーケットが要求する「次世代オフショア」の姿が頭の中で描けたと思います。今月、中国江蘇省の無錫市でも、次世代オフショアに関する講演会が予定されています。

私が考える次世代オフショアとは、さほど目新しい概念ではありません。キーワードは以下の3つです。

(a)保守
(b)国際多拠点
(c)Agile

次世代オフショアの阻害要因と対策については、7月14日の第39回オフショア開発勉強会「温度差の研究」で紹介します。

例えば、オフショア保守の主な課題は2つあります。

(a-1)技術者のモチベーション管理
(a-2)原因分析による「コツコツ」改善

三カ国以上での多拠点オフショア開発の主な課題も2つあります。

(b-1)Globalなコミュニケーション
(b-2)Globalな開発スタイル

オフショアAgileについては、オフショア大學オンライン講座で議論を深めたいと思います。

■ 問いかけ ■

<問1>オフショア保守の評価指標を検討しなさい。定量的目標/定性的目標、成果物品質/サービス品質などの観点から分類するとよいでしょう。

<問2>オフショア大學の予想通り、今後三カ国以上での多拠点オフショア開発が増えるとしたら、第三国として最も期待される国や地域はどこだと思いますか。理由を添えて答えなさい。

回答例:日本ー中国-北朝鮮。大連から距離が近い、かつ、朝鮮族のブリッジSEを活用すれば、高い技術力と安い人件費の両方を一気に獲得できるから。

<問3>オフショアAgileに適した仕事と適さない仕事を列挙して、それぞれ検討しなさい。

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