オフショア業界動向の未来(2006年時点の予想結果)
とある事情から、2006年5月、すなわち、今から4年以上前に執筆した自分の原稿を読み返しました。手前味噌ではありますが、先見性のある意見だと思ったので、ここで紹介します。
若い中国人SEをOJTで育てるための3つの要諦:(1) 10年単位で人材育成プログラムを計画できない会社は、中国人新卒技術者のOJTはあきらめるべき
(2) 3年後まで成果を待てるのであれば、他社で経験を積んだ第2新卒クラスの中途採用に主眼を置くべき。採用した10名の中国人の中から1人でも育ったらラッキーだと思うこと
(3) 今すぐ成果を求める企業は、中国パートナー選定に最も時間と工数を割き、専門家からの助言に耳を傾けること
筆者は「中国のIT技術者の過剰供給に陥り、単価は上昇しない」と予測する。中国の各都市が競うように膨大な数のIT技術者を輩出しており、2008年には100万人に達すると予測されているからだ。この影響は日本のIT業界にも及び、日本の人月単価が下落し、「3K」職として人気を落とす可能性が高い。
(2006年5月25日付・幸地司)
上記記事が書かれた4年前といえば、中国オフショア全盛期が叫ばれていた頃です。中国沿岸部に拠点を構える多くのオフショア企業は、株式上場を目指して規模拡大に躍起になっていました。
当時のキーワードは、人件費高騰、円安人民高、北京五輪に向けたさらなる経済発展、日本国内のSE不足、就職・転職における売り手市場、などでした。(「いざなぎ景気超え」なんて言葉もありましたね)
逆に、世界同時不況や長引く景気低迷、急激な円高ドル安などはリスク要因として検討されていませんでした。
■ 問いかけ ■
いまから5年後、すなわち、2015年のオフショア業界動向を予測しなさい。将来予測のやり方について全く手がかりがつかめない人は、以下のStepsを参考にしなさい(※)。
step1 将来予測に役立つ現行データを時系列/種別に収集する
step2 将来予測の前提条件を洗い出す
step3 現行データと前提条件をそれぞれ環境変化の影響を受けやす
い要因と受けにくい要因に大別して、重み付けする
step4 右脳的な発想で、5年後に「あるべき姿」を思い描く
step5 左脳的な思考で、5年後に予測される姿を論理展開して描く
step6 右脳的発想と左脳的論理展開の姿を統合する
※私のオフショア未来予想図は、第1回オフショア開発研究会発足記念フォーラム(参加無料)で発表します。
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