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釜山オフショア開発セミナー(釜山ユビキタス都市協会主催)

釜山ユビキタス都市協会

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文系出身通訳の誤訳リスク

オフショア大學受講生による事例発表より

中国W社に委託したオフショア開発プロジェクトでの打ち合わせ時、日本から「処理中に[XXXXX]ファイルに結果を出力するか?」と質問しました。

ところが、文系出身の通訳が「[XXXXX]ファイルを書きますか」と誤訳しました。そのため、本来ならYes/No二者択一の単純な会話で済むはずが、5分ほど議論するハメになりました。

本来なら「那个程序是不是要写[XXXXX]文件」と訳すべきですが、後の祭りです。

オフショア大學受講生による原因分析より

オフショア大學受講生は、日本語学科出身通訳のIT知識不足と単純な誤訳が直接原因だと分析しました。さらに、たとえIT知識が豊富な通訳であっても、個別業務を事前に予習しておかないと、どうしても誤訳が増えてしまうと注意点を付け加えました。

■ 問いかけ ■

オフショア大學受講生は、以下の解決策を提示しました。

(a)打ち合わせ前の資料確認を通訳にも義務づける
(b)会議主催者から通訳に対して会議内容を事前説明させる
(c)議事録を残して事後チェックを強化する
(d)誤訳が判明したら、その場で随時訂正させる

ここで問いかけです。

<問1>
上記事例で問題を引き起こした「根本原因」を予測しなさい。

<問2>
問1の「根本原因」を踏まえて、有効な再発防止策を検討しなさい。

<問3>
中国語を全く理解できない日本人が「文系出身通訳の誤訳」リスクを最小限に抑えるためには、どのような点に注意すべきでしょうか。

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中国語の内部議論が白熱したら話題が本筋からそれた

オフショア大學受講生による事例発表より

中国W社に委託したオフショア開発プロジェクトでの仕様説明会、日本から一通り仕様説明した後に質疑応答に入りました。この仕様説明会では、通訳を活用します。

はじめに、ある中国人参加者が中国語で質問しました。すると、すぐさま他の中国人参加者が便乗質問しました。さらに、別の中国人参加者が突然何かを思い出したらしく、全く異なる観点から発言を重ねました。それがきっかけとなり、仲間内で中国語による激しい議論が始まりました。

その間、日本側の会議出席者は、中国語による議論が収まるまでじっと待っていました。結局、中国語による議論は当初の質問とは無関係の方向に進んでしまいました。通訳も困り顔です。どの発言がどの質問に対応するのか、どの順番で通訳すればいいのか・・・。

オフショア大學受講生による原因分析より

オフショア大學受講生は、日本人と中国人の意見の伝え方に対する考え方の違いが問題発生の原因だと分析しました。

・中国人は自分の意見を主張することが大切と考えるため、説明会で当初の質問点と離れても、自分の考えをすぐに相手、周りの人に伝えないと気がすまないから。一方、日本人は全体の進行のために自分の意見を抑える事も多い。

・一部の中国側参加者が日本のビジネス習慣(会議中は同時に会話をしない、本筋とは関係の薄い話をしない)を十分に理解していないから

■ 問いかけ ■

オフショア大學受講生は、以下の解決策を提示しました。

(a)会議にファシリテーターを置く
(b)会議では一人ずつ発言させる
(c)中国語で喧嘩腰の議論になったら、日本側の判断で会話をとめる
(d)会議に関係が薄い話題については次回持ち越しとする

ここで問いかけです。

<問1>
仕様説明会のファシリテーターに相応しい人物像を定義しなさい。

<問2>
中国語を全く理解できない日本人が「中国語での喧嘩腰の議論」を仲裁するためには、どのような点に注意すべきでしょうか。

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ストーリーとしてのオフショア開発戦略:2つの基本路線

先日、経営戦略について書かれたあるビジネス書を読んで深い感銘を受けました。この本で紹介された戦略論の観点から、オフショア開発を論じます。

●企業目標を達成するための2つの基本路線

全ての企業には、共通する最重要目標があります。それは、長期利益(持続的利益)を得ることです。戦略論の観点では、企業が長期利益を得るためには2つの基本路線から1つだけを選択します。

1)Willingness To Pay優位
2)コスト優位

前者は、顧客が喜んで買いたいと思えるほど魅力的な製品サービスを提供する路線です。一般には、狭い市場で高価格帯の商品サービスを販売することで長期利益を確保します。

後者は、競合他社よりも圧倒的な低コスト体質を目指す路線です。一般には、大きな市場で、低コスト体質を武器に低価格帯の商品サービスを大量販売することで長期利益を確保します。

●オフショア開発事業の収益構造

日本のオフショア開発は、ほぼ間違いなく「コスト優位」路線による長期利益の確保を志向します。ところが、「コスト優位」路線一辺倒だと、価格圧縮による疲労が組織中に蓄積されて、いつの間にか競争力が激減してしまいます。

そこで、最近のオフショア成功企業では、過剰な低価格競争を回避するためのに、他社との違いを鮮明にするSP(strategic positioning)を意識するようになりました。つまり、うちは「これはやらない」と明言しはじめたのです。

■ 問いかけ ■

戦略論の観点から導かれる1つの結論。

「コスト優位」路線によるオフショア開発で利益が得られないなら、「Willingness To Pay優位」路線をとるしかない。

ここで問いかけです。

<問1>あなたの会社では、オフショア開発は「戦術」ですか、それとも「戦略」ですか。企業戦略の観点から答えなさい。(二者択一)

<問2>あなたの会社のオフショア開発は、「コスト優位」路線ですか、それとも「Willingness To Pay優位」路線ですか。(二者択一)

<問3>「Willingness To Pay優位」路線によるオフショア開発の例を1つ挙げなさい。

参考文献:楠木建、ストーリーとしての競争戦略、東洋経済新報社
↑500ページを超える大作ですが名著です。オフショア大學の指導方針にも大きな影響を与えました。(幸地)

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オフショア開発研究会が発足、業界知見の横展開に期待

先週土曜日、オフショア開発研究会が発足しました。新しい門出を祝うために、中国No.1対日アウトソーシング基地である大連にて、第1回オフショア開発研究会発足記念フォーラムが開催されました。

参加者は約50名。その内訳は、日本人7割/中国人3割、大連在住者4割/その他6割(日本訪問団など)。

会場提供してくださった大連中軟様をはじめ、イベントを後援してくださった大連市政府関係者、大連ソフトウェアパーク関係者の皆様に御礼申し上げます。

基調講演は、僭越ながら私(幸地)が「次世代オフショア開発」と題して60分間みっちり話しました。

・3年後の日本ITO市場とオフショア発注量の推移予測
・次世代オフショア開発の3つのキーワード
・人口構成分析から得られた次世代オフショア開発躍進の要諦

私の基調講演が終わった後、オフショア開発勉強会に何度も参加したことのある某氏曰く「今回の講演が今までで一番インパクトがあった」とベタ褒めでした。

日本には「旅は恥のかき捨て」という妙な諺がありますが、アウェイの大連だからこそ元気よくしゃべり続け、さらに一部の出席者を喜ばせた想定外の発言まで飛び出してしまいました。オフショア開発研究会の発起人からは、以下のコメントが寄せられました。

・オフショア開発研究会は非営利組織である
・オフショア知見の組織横断的な横展開を目指す
・非公式手段を駆使して、オフショア業界のbest practiceを整備
・非公式手段を駆使して、オフショア業界の裏ノウハウを整備
・先行者利益を享受する大連の成功ノウハウを他都市にも展開
・最新の研究成果をいち早く大連にもFeedbackする

前夜祭のきのこ鍋(9/24)、イベント当日(9/25)、そして翌日の夏麗ゴルフ大会(9/26)と、大連オフショア関係者には多大なるご支持・ご支援を賜りました。誠にありがとうございます。

次回から、大連はアウエイではなく「ホーム」と呼ぶことにします。

■ 問いかけ

第1回オフショア開発研究会発足記念フォーラムの基調講演で、私は次の発言で物議を醸しました。(一部参加者の面子が潰れたかも)

原則:対日ITO業務に限れば、年齢とperformanceは比例する。

事実:10年前の中国人PMは平均30歳だった。5年前の中国人PMも30歳、現在の中国人PMの平均年齢はやはり30歳。

<問1>上記の原則と事実が正しいと仮定したとき、演繹的論理展開から得られる結論は何ですか。

<問2>幸地が基調講演で言及した「問1で導かれた結論=問題を解決する有効な手段」を予想しなさい。

私の答えは、第41回オフショア開発勉強会(東京)で発表します。一般的な教科書には載らない想定外の発想かも。乞うご期待!「教科書には絶対に載らない中国オフショア開発の裏話(10/14)」

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