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今年読んだ本ベスト10

私が今年読んだ本のベスト10を紹介します。第1位から第7位までは2010年出版、第8位以降は今年読んだ「過去の本」です。分厚いビジネス書にやわらかいハウツー本、専門書、ゆるい中国関係書などが無秩序に並んでいます。

ストーリーとしての競争戦略
中国人の本音
感動の会議! リーダーが会議で「人を動かす」技術
PMO導入フレームワーク
図解 ディベート入門
モチベーション3.0
ひねもすのたり中国語
トヨタの口ぐせ
毛沢東の私生活(上)(下)
影響力の武器 実践編

<番外編>
生き残るSE

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日本人からの質問に怯える理由

オフショア大學の講義より。

Q.あなたのQ&Aにおける失敗談を教えてください。

A.以前の私は、日本語の「質問」という単語に怯えていました。なぜなら「質」という漢字から、厳しく詰問されていると感じたからです。(中国人SE/女性)

Q.とても興味深いお話ですね。これは「言葉の壁」ですか? それとも「文化の壁」ですか?

A.私の考えでは・・・です。

■ 問いかけ

<問1>
もし、上記問題の根本原因が「言葉の壁」なら、有効な再発防止策は何ですか。類似失敗を防ぐ観点から検討しなさい。

<問2>
もし、上記問題の根本原因が「文化の壁」なら、有効な再発防止策は何ですか。類似失敗を防ぐ観点から検討しなさい。

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BOSSが気に食わない規則があれば

従業員が規則に従う態度は国民文化によって大きく変わります。ときどき、「中国人と米国人と似ている」と主張する人がいますが、少なくとも「規則とBOSSの関係」については明らかに異なります。

<中国と米国の共通点>
・BOSSは絶対的権力を握っており、気に食わない規則には従わない

<中国と米国の相違点>
・中国=BOSSが気に食わない規則があれば、BOSSの都合のいいように規則の解釈を変えるか、自分だけは規則の適用外と考える
・米国=BOSSが気に食わない規則があれば、その都度、変更する

オフショア大學で扱う規則は、目に見える公式に定義された規約と、目に見えないけど集団で共有される非公式的な規範に大別されます。

<SEが規則に従う態度を観察できる局面>
・COBOL時代に作られたソースコード規約をJava案件で強要された
・仕様変更が多発するのにV字モデルを前提とした開発プロセスを強要された

<規則に対する国民文化の違いを象徴する現象>
・上に政策あれば下に対策あり(中国)
・善か悪か、是か非か、と全てを二元論で判断しがち(米国)
・本音と建前を使い分ける(日本・中国)
・目に見える規則よりも、目に見えない空気に支配される(日本)

■ 問いかけ

<問1>日本人BOSSが気に食わない規則があれば、どのように行動しますか。中国・米国との文化比較の観点から答えなさい。

<問2>仕様変更が多発するのに、顧客都合によって最終納期は厳守すべきと主張する日本人がいます。明らかなルール違反です。一方、日本の要望に応えるべく、内部レビューを割愛して、最終納期に間に合わせようと必死に頑張る中国人がいます。残念ながら、これも明らかなルール違反です。

プロジェクト反省会では、双方のルール違反に対して批判の声が上がりました。

「中国は品質が悪い。なぜレビューをやらないか、信じられない」「日本は非合理的な要求の押し付けが多い。なぜ、中国を平等に扱わないのか」

もし、あなたがプロジェクト反省会の司会進行役なら、上記の状況をどのように整理しますか。「規則と国民文化」の観点から、プロジェクト反省会を成功させる方法を検討しなさい。

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適切なオンサイト作業期間

オフショア開発の対義語は「オンサイト開発」です。下請けの立場では「客先常駐」、古き良き日本的商慣習における元請けの立場では「大部屋開発」とも表現されます。

今日も、中国オフショア開発プロジェクトで起こったある出来事を紹介します。

1ヶ月後に基本設計が始まるある中国オフショア開発プロジェクトでは、元請けから中国側に対して「3ヶ月間のオンサイト作業」が打診されました。

目的は2つあります。1つ目は、文書化が難しい高コンテキストな暗黙知を丁稚奉公的に中国移転すること。2つ目は、中国人リーダー人材の育成です。

この会社の日本人マネージャーは、中国を「単なる安い下請け」ではなく、今後も末永くお付き合いする重要な開発パートナーとして位置づけています。よって、マネージャーの裁量範囲内で、可能なかぎりオフショア委託先の人材育成に取り組んできました。その一つが、3ヶ月間のオンサイト研修という訳です。

ところが、日本から提示された人材育成を兼ねた日本常駐作業の打診に対して、中国側は回答を保留しています。なぜなら、当該プロジェクトで活躍が期待される新米の中国人リーダーが3ヶ月問に及ぶ日本行きを渋っているからです。

■ 問いかけ

<問1>
なぜ、中国人リーダーは3ヶ月の日本オンサイト作業を渋っているのでしょうか。例えば「新婚ほやほやなので配偶者に反対された」など、予想される典型的な理由をいくつか挙げなさい。

<問2>
現場研修を兼ねた3ヶ月間の日本オンサイト作業は、平均的な対日オフショア開発プロジェクトで活躍が期待される新米の中国人リーダーにとって魅力的な内的報酬ですか? 

<問3>
新米の中国人リーダーにとって適切なオンサイト作業期間を算出する方程式を定義しなさい。

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レビュー結果をMLで全体通知したら個人の面子は潰れるか?

オフショア大學の異文化コミュニケーション講座では、根本原因分析が得意な日本企業の特徴を国民文化の観点から解き明かします。同様に、日本的な「なぜ、なぜ根本原因分析」が中国では機能しにくい原因を解説します。私が2009年に発表した下記の記事が参考になるでしょう。

※中国人に改善させるには現金を渡せ(@IT情報マネジメント)
http://www.atmarkit.co.jp/im/cpm/serial/offshorecolumn/14/01.html

オフショア大學によると、中国オフショア拠点で集団レビューが機能しない原因の1つは、従業員の面子が邪魔をするからです。すなわち、改善活動という組織の全体最適よりも、個人の面子を守るという個別最適を優先してしまう国民性が影響していると考えられます。

前出の記事「中国人に改善させるには現金を渡せ」では、中国オフショア拠点でPDCAマネジメントサイクルは回らないとは間違った主張であり、客観的には「日本のPDCAサイクルが他国と比べて異常に回りすぎる」が正解である、と痛快に述べています。

■ 問いかけ

日本人には理解しづらい中国人の面子に関する演習問題に挑戦しましょう。

<問1>
中国から提出されたソースコード一式を日本でレビューしました。その結果、致命的な問題点がいくつか見つかりました。メーリングリストで中国側の全員にレビュー結果を通知しようと思いますが、問題を作りこんだ個人の面子を潰すことになりませんか?(Y/N)

<問2>
あなたは、日本出張中の中国人ブリッジSEを客先に連れていきました。その日の打ち合わせは、和やかな雰囲気でした。ところが、同行した中国人ブリッジSEが、ある場面において意図せず不適切な日本語を使ってしまいました。そこで、あなたは、即座に注意を与え、その場で訂正させました。この行為は、中国人ブリッジSEの面子を潰すことになりませんか?(Y/N)

例:これまで敬語を使っていたのに、突然「そーだよね」とタメグチをきいた、など。

以上の問いかけについて、あなたの考えを短くまとめなさい。

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