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脱マイクロマネジメント

前回の続きです。
中国人SEにとって日本人はよいコーチになれるか?

米国Goolgeの社内調査によると、技術者として採用されたGoolge社員がよい上司となるためには、8つの模範的行動特性を身に付けなくてはならないそうです。

第2条は「Empower your team and don't micromanage」。更に具体的な行動指針が示されています。

2-1 Balance given freedom to your employees, while still being available for advice. Make "stretch" assignments to help the team tackle big problems.

この行動指針を中国オフショア開発に従事する日本人窓口(リーダー)に適用すると、こうなります。

・マネジメントの粒度にメリハリをつけなさい。技術指導や問題指摘の粒度と、マネジメントの粒度を明確に区別しなさい。

・中国チームを長期的に育成する気があるなら、あなたの権限の一部を中国に委譲しなさい。ただし、結果はあなたが責任を持つこと。つまり、中国に適切なResponsibilityを与えるが、最終的なAccountabilityはあなたが握ること。

・どうしてもマイクロマネジメントが必要なら、全て数字と限定された選択肢を使って進捗管理せよ。日本語文書による報告・連絡・相談を要求するな。中国からの「ほうれんそう」に期待したいなら、非公式の口頭コミュニケーションを使え。

■ 問いかけ ■

<問1>上記の行動指針をあなたの組織で横展開できるようにチェックリスト化しなさい。

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中国人SEにとって日本人はよいコーチになれるか?

私は、3月27日からフィリピン・セブ島に滞在しています。こちらでは、オフショア大學教育コンテンツの英語化を進めています。資料の英語化だけではなく、私の英語スパルタ特訓もセブ島出張の大事な目的の一つです。セブ島では、毎日英語のマンツーマン授業を受けています。私の希望により、授業はコーチング形式で行われます。例えば、私が強く関心をもつ事項を予め選んでおき、先生が抽象的な質問を私に投げかけます。以下の質問が代表例です。

"What is the definition of honesty?"
"What is the differences between honesty and truthfulness?"
(→中国ビジネスとコンプライアンスの関係について持論を語る)

この授業では、正しい答えは一切求められません。私にとっては、正しい答えよりも、回答に至る論理思考プロセスがより重視です。英語マンツーマン授業の先生も、私との問答を通じて、異文化理解が深まったと喜んでくれています。TOEIC得点アップを狙った若い韓国人学生と、私の授業は全く方針が違うのです。

さて、そこで1つ質問です。
業務経験豊富な日本人が、対日オフショア業務で働く若い外国人マネージャ候補に「日本語でコーチング」することは可能でしょうか。すなわち、外国語によるコーチングの効果について、あなたの考えを整理しましょう。

1つ参考までに。
米国Goolgeの社内調査によると、技術者として採用されたGoolge社員がよい上司となるためには、8つの模範的行動特性を身に付けなくてはならないそうです。8箇条のうち、最も重要な行動特性とは、「第1条 Be a good coach」だと規定されています。第1条では、更に2つの具体的な行動指針が示されています。

1-1 Provide specific, constructive feedback, balancing the negative and the positive.

1-2 Have regular one-on-ones, presenting solutions to problems tailored to your employees' specific strengths.

Source: The New York Times http://www.nytimes.com/2011/03/13/business/13hire.html

この2つの行動指針を中国オフショア開発に従事する日本人窓口(リーダー)に適用すると、こうなります。

・あなたの中国とのコミュニケーション時間配分を見直しなさい。もし、あなたから中国への一方通行的な情報伝達や指示命令の割合が多いなら、あるいは、相手の問題点を指摘するばかりのレビュー会議が多ければ、いますぐ態度を改めなさい。これからは、相手を勇気づけ、中国チームを活性化させるためのレビュー/フィードバックを増やしなさい。

・日本からの突発的な業務連絡に怯える中国人SEは少なくない。なぜなら、日本人が口を開くと、常に品質や生産性についての改善要求ばかりだから。もし、あなたに心当たりがあれば、いますぐ態度を改めなさい。これからは、相手を勇気づけ、中国チームを活性化させるためのレビュー/フィードバックを増やしなさい。

・若い中国人SEを崖から突き落とすと、ライオンの子供のようように這い上がってくることはない。さっさと見切られて、優秀な技術者が他社に流れるだけである。「石の上にも三年」「俺の背中を見て育て」という美学を大切にする人は、いますぐ方針を改めなさい。

・あなたは、中国側スタッフの大勢と1対1で話せる人間関係を築きなさい。会議では「中国側」と呼ばずに、相手の名前を中国語発音で呼びかけなさい。

・毎週の管理帳票を埋めることが目的化していると感じているなら、今すぐ態度を改めなさい。あなたは、常に問題解決の観点から、中国側キーマンとコミュニケーションしなさい。定例の進捗会議で、中国から「問題や課題はありません」との回答が届いたら、それは、あなたの側に問題があると自覚しなさい。潜在的リスクや今後の挑戦課題を気軽に話せない雰囲気を作っているのは、日本人窓口(リーダー)であるあなたの側の責任である。

■ 問いかけ ■

<問1>上記の行動指針をあなたの組織で横展開できるようにチェックリスト化しなさい。

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キリスト教徒に「お客様は神様」を説明する技法

私は、3月27日からフィリピン・セブ島に滞在しています。こちらでは、オフショア大學教育コンテンツの英語化を進めています。資料の英語化だけではなく、オフショア大學講師の英語力向上もセブ島出張の大事な目的の一つです。

フィリピン国民の約9割はキリスト教徒です。よって、宗教は人々の生活の中に深く溶け込んでいます。

例えば、今週はキリスト教の重要な記念日があり、木曜日からなんと4連休となります。街は賑やかというよりも厳かな雰囲気が漂います。季節は真夏。

オフショア大學では、来月フィリピン人SE対象講座を実施します。現在セブ島では、現地のフィリピン人英語教師の協力を得ながら、異文化マネジメント講座の改良に取り組んでいます。

そこで1つ面白い挑戦課題にぶつかりました。

それは「お客様は神様」という日本的商習慣をどう英訳すればよいか。そして、フィリピン人SEにどう背景説明すべきかです。

多少なりともキリスト教(一神教)の知識がある人ならピンとくるでしょう。日本人にとっての「神様」と、フィリピン人にとっての「神様」のイメージがまるで違うことを。

※キリスト教やユダヤ教(一神教)の絶対神の真髄を知りたい人は、旧約聖書のヨブ記をご覧ください。ビジネスへの影響大です。

セブ島で私が採用したフィリピン人英語教師は、韓国人や日本人の英語留学生と日常的に接する「プロ」のコミュニケーターです。ところが、そんな彼らでも、日本の宗教観や歴史的背景をまるで知らないため、キリスト教的な感覚でオフショア大學講義Contentsを理解します。

だから、事前解説がなければ「お客様は神様」という日本的発想はフィリピン人には理解されません。「トイレの神様」も同様です。

逆に、あなたが日本的宗教観と歴史的背景を正しく説明できれば、「日本人が高品質を好むワケ」や「なぜなぜを5回繰り返す根本原因分析が機能するワケ」「職務責任や権限がなくても自律的にほうれんそうする心理」をフィリピン人に伝えられるでしょう。

フィリピン人SEが上記のような異文化マネジメント知識を獲得したからといって、必ずしも成果に直結するとは限りません。ですが、優秀なリーダー候補生が一人でも自律的マネジメント態度を身につければ、十分に費用対効果があるといえます。

■ 問いかけ ■

日本人が「日本のサービス精神は素晴らしい」というと、フィリピン人も負けじと「フィリピンのHospitalityは世界的に有名である」と反論する。

<問1>あなたの意見を述べなさい。Agree or disagree?
<問2>異文化マネジメントの観点から、この議論を整理しなさい。

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