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授業の最後に「問題がある」と言われてドキッとする

オフショア大學の中国人向け講座では、授業の最後に「先生、問題があります」と手を挙げる学生がいます。

私は苦笑いしながら「何の問題ですか~?」と指摘します。

すると、手を挙げた学生は、すぐに間違いに気づいて「すいません、問題ではなく、質問です」と訂正します。

<参考>日本人からの質問に怯える理由

■ 問いかけ ■

<問1>中国人がときどき「質問がある」を「問題がある」と間違える理由を分析しなさい。

<問2>中国人がときどき「質問がある」を「問題がある」と間違えるリスクを分析しなさい。

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婚活とマンション購入のために田舎に戻る部下への対処法

過去記事「親に結婚しろと言われたので退社して田舎に戻る」の続き。

<問1>30歳過ぎても結婚できない真面目系中国人男性SEがいます。会社評価は高く、給与も平均以上。田舎の両親から「結婚相手を見つけてあげるから実家に戻りなさい」と指令がくだりました。さて、どうなるでしょうか。

<私の答え>
とりあえず、親の指示通り実家に戻る。必ずしも地元転職に成功するとは限らないが、いずれなんとかなるし・・・という気楽な発想。中国人友人の体験談によると、実家に戻った瞬間からお見合い三昧。

ちなみに、親に結婚しろと言われたので退社して田舎に戻る中国人の本音は、「都会でのマンション購入を諦めて、物価の安い田舎に戻り両親の支援を受けながらマンションを購入し、婚活する」です。

<問2>あなたのチームメンバーが、まさに上と同じ状況に直面していると仮定します。事態をいち早く察知したあなたは、どのように対応しますか。

<私の答え>
A)離職するかどうか迷っている場合:

非公式相談から公式の離職者インタビューまでをプロセス化する。例えば、第一弾は課長による喫茶&お散歩相談。第二弾は部長による最終面談、最後は人事による公式的な離職者インタビュー。離職者インタビューの目的は、中国人スタッフが滅多に漏らさない本音を拾い上げて、離職の根本原因を分析して改善案を検討すること。

離職者インタビューのない会社では、「賃上げ」以外の離職対策は難しい。さらに、幹部の面子による隠蔽体質も重なり、同じ問題が繰り返し発生する。

B)離職する決意が固い場合:

もしも、離職者の田舎にあなたの会社の関連企業があれば、率先して地元就職を世話する。優秀な人材であれば、将来の出戻り再就職を見据えて、辞めた後にも従業員満足度が高まるよう工夫する。

■ 問いかけ ■

<問1>中国オフショア企業で、人事部門による公式的な離職者インタビューを実施する際の留意点を整理しなさい。キーワードは、面子、隠蔽、情報共有、時間指向性、日本親会社との整合性、情報漏洩、人事考課と現場目標管理の不整合、など。

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偉い男性は○先生(せんせい)、偉い女性は?

前号「名前を中国語発音で呼ぶべきか、日本語発音で呼ぶべきか」の続き。

<問1>あなたは、周囲の中国人・韓国人の名前を日本語読みで発音していますか? それとも、相手方の発音ですか?

<私の答え>私は、できるだけ相手方の発音で呼びかけるよ心がけています。なぜか、韓国人の友人は、こぞって英語名を使います。最初は戸惑いますが、慣れてくるとアジア顔の英語名も意外に心地いいです。
姓名の順番は、原則として相手国の習慣に従います。私の場合は、日本人なので姓名の順。My name is KOCHI Tsukasa...

<問2>中国のとあるオフショア委託先で「しゅさん」と呼びかけると、三人がこちらを振り返りました。「りーさん」と呼びかけると、今度は二人振り返りました。いったい、なぜでしょうか?

<私の答え>「しゅさん」と呼びかけたら、二人の朱さんと一人の周さんが同時に振り返ったから。声調のない日本人が呼びかける「しゅ」と「しゅう」の発音の聞き分けは難しいらしい。同様に、
「りーさん」と呼びかけたら、李(り)さんと林(りん)さんが同時に振り返ったから。

<問3>中国人スタッフを中国発音のフルネームで呼ぶメリットとデメリットを比較しなさい。その結果、今後あなたは、どのように発音するか、結論を出しなさい。

<私の答え>中国人スタッフを中国発音のフルネームで呼ぶ最大のメリットは、「個人対個人」の人間関係を築きやすいこと。次いで、苗字だけでは区別しづらい中国人の名前も、フルネームだと分かりやすいこと。「~さん」と日本的敬称を付けずに、中国語発音のフルネームで呼び捨てられるので楽ちん、という意見もチラホラ。

最大のデメリットは、覚えるのに苦労すること。次いで、メールや文書作成時に中国語姓名のキーボード入力が難しいこと。

私の個人的な結論は「日常的に会う人は、意識して中国語フルネームで呼びかける」。この際、「~さん」ではなく、中国語の名前を呼び捨てます。ただし、年上の偉い男性に対しては「○先生(せんせい)」と呼びかけることもあります。この場合は、フルネームではなく「姓+せんせい」と呼びかけます。

■ 問いかけ ■

<問1>あなたの職場では、オフショア委託先の中国人をフルネームで呼び捨てる習慣があるとします。前出のとおり、中国オフショア現場では、日常的に接する年上の偉い中国人男性に対しては「○先生(姓+せんせい)」と呼びかけます。

では、政府系の偉い中国人女性幹部や日常的に接する年上の偉い中国人女性に対しては、どのように呼びかければよいでしょうか。中国語がほとんどできない日本人の立場で答えなさい。

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名前を中国語発音で呼ぶべきか、日本語発音で呼ぶべきか

コミュニケーションの問題を抱える多くのオフショア開発では、互いを「中国側」「日本側」と呼び合います。個人名が話題に登るときは、決まって問題指摘の場面です。

「陳さん、この品質水準で納品するとお客様はどう思いますか?」
「中国側は、もっと品質意識を高めて欲しいと思います」

「近藤さん、先週検討した仕様を早く決めてください」
「日本側は作業指示だけではなく、背景も説明して欲しいです」

当人たちは気づいていないようですが、私はすぐに分散拠点間の壁を感じます。

私のコンサルティングでは、可能なかぎり、互いの名前を呼び合える個人対個人の人間関係を構築して欲しいと注文を出します。特に、「日本側」に対しては、半強制的に中国人スタッフのフルネームを暗記させます。

ところが、日系オフショア現地法人で働くある中国人リーダーは、私の持論を聞いた後に、ニコニコ笑いながらこう言いました。

幸地先生、私の名前は呉ですが、 中国発音で「うーさん」と呼ばれるよりも、 日本語発音で「ごさん」と呼ばれる方が好きです。 なぜなら、「うーさん」だと、 中国と日本の間に溝があるような気がしますが、 「ごさん」だと日本と一体感があるような気がするからです。

人生いろいろ、名前もいろいろ。

■ 問いかけ ■

<問1>あなたは、周囲の中国人・韓国人の名前を日本語読みで発音していますか? それとも、相手方の発音ですか?

<問2>中国のとあるオフショア委託先で「しゅさん」と呼びかけると、三人がこちらを振り返りました。「りーさん」と呼びかけると、今度は二人振り返りました。いったい、なぜでしょうか?

<問3>中国人スタッフを中国発音のフルネームで呼ぶメリットとデメリットを比較しなさい。その結果、今後あなたは、どのように発音するか、結論を出しなさい。

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二者択一の質問に延々と説明する

近年、TV会議システムを使った進捗報告会議がオフショア開発プロジェクトでも定着しました。TV会議の良さは、何といっても相手の顔が見えることです。

ところが実際には、互いの顔がほとんど見えないTV会議も珍しくありません。その主な理由は以下の通りです。

・参加人数が多すぎて、TVカメラに全員が映らない
・カメラ設置場所の制約から、参加者の横顔を映すだけで精一杯
・「アップ映像は恥ずかしい」との理由で、カメラから遠ざかる
・手元の資料に気を取られて、相手の顔が見ようとしない

中国オフショア開発の会議では、日本から「Yes/No」で答えられる単純な二者択一の質問に対して中国からとんちんかんな回答が寄せられることがあります。些細な問題かもしれませんが、このような意思疎通の齟齬が重なると、次第にオフショア発注オーバーヘッドの負担感が増してきます。

最も単純、かつ、費用対効果に優れた対策は、TV会議のカメラに映った相手方の顔色を注意深くうかがうことです。

オフショア開発の専門家が「顔色をうかがう」「空気を読む」などと助言すると、あなたは違和感を覚えるかもしれません。ならば、TV会議の発言マナーに関する基本指針を明文化しておくだけでもよいでしょう。

例えば、「TV会議で発言する際には、手元の資料やプロジェクタ投影映像ではなく、相手の顔を見ながら相手に語りかけること」などの基本指針を定義して、自己検査用のチェックシートを準備するなどが効果的な対策です。

■ 問いかけ ■

<問1>中国オフショア開発の各種会議において、日本側の二者択一の質問にうまく回答できない中国人が大勢います。主な理由を全て書き出しなさい。
→回答例:相手の要望に先回りして応えようとする過剰なサービス精神が災いして、二者択一質問への回答が複雑化する、など。


<問2>相手の顔が見えない電話会議とTV会議の違いを分析しなさい。

<問3>日本との電話会議において、二者択一の質問にうまく回答できず、延々と説明を繰り返す中国人に助言しなさい。

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日本人の生産性は低いと嘆く中国人SEとの議論の仕方

●中国人SEの残業に対する考え方

「最近、忙しい」を口癖にする中国人リーダーに残業時間を聞いたところ、「毎週8時間。休日出勤はないけど、ときどき自宅作業」と回答がありました。

そこで私は、冗談半分で「昭和時代、日本の代表的なソフトウェア企業の定時は22時です。残業とは22時以降の作業のことです」と情報提供しました。

日本事情に明るい一部の中国人SEは、日本の生産性は中国よりも低い、と考えています。全ての残業が「悪」ではありませんが、恒常的に残業を繰り返す日本の企業文化には極めて否定的な見解を持っています。

●残業観の違いを生む2要素

ソフトウェア業界における日本と中国の残業に対する認識の違いは、主に2つの原因から生じます。

1つ目は国民文化の違い。
2つ目は人事制度の違い。

国民文化の違いについては、改めて強調する必要はないでしょう。

人事制度の違いは、わずかな知識獲得で対策できます。国民文化の壁はなかなか埋まりませんが、知識の欠落は簡単に対策できます。

●日本人が誤解しがちな/知らない中国ソフトウェア人事事情

・日本語学習の負荷

中国人SEの「残業は毎週8時間。休日出勤なし」は少ない!と感じたあなたへ。彼らが毎日、定時後に日本語授業を受けていることを知っていますか?(60~90分間)

・他社の人事情報も筒抜け

中国では、学生時代の仲間同士で残業時間や給与体系が全て共有されています。つまり、ソフトウェア業界の横のつながりが極めて強固であることを、あなたは知っていますか? 
「会社に骨を埋める」を美徳とする日本文化とは異なり、中国では他社の人事情報も筒抜けだという前提で、各種のマネジメントを実施すべきです。

・女性も強し

なんだかんだで女性差別的な習慣が残る日本とは異なり、中国のソフトウェア業界は完全に男女平等です。オフショア大學の調べによると、SE同士で結婚したカップルの過半数は、男性よりも女性の方が高い給与を貰っていることが判明しました。

■ 問いかけ ■

中国人が誤解しがちな、あるいは、知らない日本ソフトウェア業界の人事事情を列挙しなさい。特に、日本人ソフトウェア技術者の残業観に大きな影響を与えた事情の重要度を評価しなさい。

答えは・・・、日本オフショアビジネス学会設立記念フォーラム(大連・7/16)にて発表します。毎年恒例となった大連フォーラム、今年もやります。現地でお会いしましょう!
http://www016.upp.so-net.ne.jp/offshore/offshore_event2011.html

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日本人の生産性は低いと嘆く中国人SEとの議論の仕方

●中国人SEの残業に対する考え方

「最近、忙しい」を口癖にする中国人リーダーに残業時間を聞いたところ、「毎週8時間。休日出勤はないけど、ときどき自宅作業」と回答がありました。

そこで私は、冗談半分で「昭和時代、日本の代表的なソフトウェア企業の定時は22時です。残業とは22時以降の作業のことです」と情報提供しました。

日本事情に明るい一部の中国人SEは、日本の生産性は中国よりも低い、と考えています。全ての残業が「悪」ではありませんが、恒常的に残業を繰り返す日本の企業文化には極めて否定的な見解を持っています。

●残業観の違いを生む2要素

ソフトウェア業界における日本と中国の残業に対する認識の違いは、主に2つの原因から生じます。

1つ目は国民文化の違い。
2つ目は人事制度の違い。

国民文化の違いについては、改めて強調する必要はないでしょう。

人事制度の違いは、わずかな知識獲得で対策できます。国民文化の壁はなかなか埋まりませんが、知識の欠落は簡単に対策できます。

●日本人が誤解しがちな/知らない中国ソフトウェア人事事情
・日本語学習の負荷

中国人SEの「残業は毎週8時間。休日出勤なし」は少ない!と感じたあなたへ。彼らが毎日、定時後に日本語授業を受けていることを知っていますか?(60~90分間)

・他社の人事情報も筒抜け

中国では、学生時代の仲間同士で残業時間や給与体系が全て共有されています。つまり、ソフトウェア業界の横のつながりが極めて強固であることを、あなたは知っていますか? 
「会社に骨を埋める」を美徳とする日本文化とは異なり、中国では他社の人事情報も筒抜けだという前提で、各種のマネジメントを実施すべきです。

・女性も強し

なんだかんだで女性差別的な習慣が残る日本とは異なり、中国のソフトウェア業界は完全に男女平等です。オフショア大學の調べによると、SE同士で結婚したカップルの過半数は、男性よりも女性の方が高い給与を貰っていることが判明しました。

■ 問いかけ ■

中国人が誤解しがちな、あるいは、知らない日本ソフトウェア業界の人事事情を列挙しなさい。特に、日本人ソフトウェア技術者の残業観に大きな影響を与えた事情の重要度を評価しなさい。

答えは・・・、日本オフショアビジネス学会設立記念フォーラム(大連・7/16)にて発表します。毎年恒例となった大連フォーラム、今年もやります。現地でお会いしましょう!
http://www016.upp.so-net.ne.jp/offshore/offshore_event2011.html

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