訪問者用入室カードだと疎外感あり
中国のあるクライアントでは、1年以上前に名前と顔写真付きの入室カードを作成してもらいました。以前は「VISITOR」と書かれた訪問者用の入室カードを使っていましたが、他の従業員と同様に外部から雇われたコンサルタントの私も、自分専用の入室カードが欲しかったからです。
自分専用の入室カードを手にしたことで、ようやく中国クライアントの仲間に加えてもらえた気がしました。訪問者ではなく、中国の仲間として現場指導にあたれる喜びを噛みめました。
最近、このクライアントに、日本の発注企業から技術移転のために出張者がやって来ました。3ヶ月間の中国滞在予定です。
そこで私は「新しくやってきた日本人出張者にも、私と同様に本人専用のカードを作ったら、喜ぶと思うよ」と軽い気持ちで中国人スタッフに助言しました。
すると、私の右腕を務めるほど日本事情に詳しい中国人スタッフが、驚いた表情を浮かべながら感慨深げにこう言いました。
「やはり、幸地先生は日本人ですね~。中国人だったら、VISITOR入室カードであっても全く気にしないと思います。自分専用の入室カードを持つだけで会社に仲間意識を持つなんて・・・(笑)」
考えさせられる一件でした。
私は、古き良き時代に育った日本人先輩の背中を見て、日本的社風の大企業ですくすくと育てられたビジネスパーソンです。ただし、新人類やバブル入社組よりは1つ下の世代。
よって、会社に骨を埋める終身雇用こそ「善」だとする価値観を肌感覚で知っている一方、会社組織に限界を感じ「個人としてプロフェッショナルに生きる」に憧れを感じるお年頃でもあります。実際、私の職業人生は、完全に後者の路線を突っ走って来ました。
そんな私ですら、中国の職業観に照らし合わせると「組織中心に生きる典型的な日本人タイプ」と苦笑されたわけです。ま、そうであるからこそ、私は中国オフショア開発コンサルタントとして、日本を代表する企業から信頼を勝ち得てきたのでしょう。
■ 問いかけ
【海外出張中】あなたは、自分専用の入室カードを貰うと「仲間意識」を持てるような気がして嬉しいですか? それとも、訪問者用VISITORカードでも全く問題ありませんか?
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/
※なお、セキュリティの観点から、外部講師や出張者には必ずvisitor専用カードを使わせる会社も多数あり。
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Comments
おお、なるほど。。
私はやはり専門のカードをもらうととてもうれしいし、
中国からの出張者もなるべくビジターではなくて
専門のカードを渡すように心掛けていました。。。
そして、カードの首からぶら下げるひもは
ぼろぼろの使い古しではなくて会社のロゴ入りのもので
常にあたらしくて、このカードを首から下げることで
会社に誇りを持ってほしいという気持ちを込めていました。
だからあまり何も感じていないとなると無駄な努力だったかも。。。
私自身は古い人間だからか、綺麗な専用カードをもらうとうれしいけど・・・。
これを読んでちょっと驚きでした・・・
Posted by: anonymous | March 07, 2012 11:49 AM
出張期間にもよるでしょう。長期なのにvisitorなら多少疎外感を感じるかもしれませんが、短期なら当然(専用のカードを発行するコストが無駄)だと思います。
Posted by: anonymous | March 14, 2012 10:16 PM