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地域によって接し方を変えるべきか?

日本人向けオフショア大學講座でよくある質問(1)

中国では、地域によって文化が全く異なると聞きます。例えば、北と南では、食べ物も違うし言葉も違うらしいです。酒の席のマナーも違うと聞きました。

当社は大連と上海にそれぞれ仕事を発注しています。

我々のような中国語もロクに話せない日本人オフショア出張者は、どのような点に注意すればよいでしょうか。北と南とでは接し方を変えた方がよいでしょうか。

※「北と南」を「沿岸部と内陸部」に置き換えてもよい

■ 問いかけ

<問1>中国事情に疎い日本人のオフショア出張者に助言しなさい。

<問2>来月から中国駐在が決まっている中国語が全く話せない日本人(50歳/男性)に助言しなさい。

<問3>来月から中国駐在が決まっている中国語が全く話せない日本人(30歳/男性/独身)に助言しなさい。

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今日の情報は有難うございました

ある日、中国オフショア委託先の現場指導後に届いたお礼メールを読んで、私は思わず苦笑いしました。

今日の情報は有難うございました。(←原文ママ) ・・・以下省略

なぜなら、助詞「は」の使い方と「有難うございました」という感謝の過去形が、絶妙なニュアンスを醸し出しているからです。

今日の情報に限っては、有難かった。 でも、いつもの情報は、さほど有り難くない。

日常よくある類似例:
男「李さん、今日は綺麗ですね」
女「はぁ、今日だけですかぁ??」

■ 問いかけ

<問1>このような、つまらない失敗談を本ブログでわざわざ取り上げる理由は何でしょうか。頭の体操だと思って、つまらない失敗談から得られる有難い教訓を導きなさい。

※ちなみに、“つまらない”とは中国人が好んで使う言い回しです。きっと、ありふれた中国表現を直訳したのでしょう。


<問2>言葉に関する“つまらない”失敗事例を思いつくまま列挙しなさい。
・“つまらない”... ビジネスではあまり使われない
・“意味が無い” ... これも中国人が好んで使う言い回し
・“知らない” ... 場面によっては不躾な態度だと誤解される
・“まぁまぁです” ... 日本語と中国語の印象はまるで違う

<問3>“好”(ハオ)も、稀につまらない失敗を招きます。どういうこと?(←完全に頭の体操系クイズです)

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沖縄銘菓「紅いもタルト」も嫌われた

お土産の話題は永遠に不滅です。今日も沖縄の銘菓が中国で嫌われた事件を紹介します。

※ちんすこうが嫌われた事例と原因分析はこちら。
沖縄銘菓「ちんすこう」が嫌われた

<事例2>
沖縄出身の好青年、島袋さんは、中国出張用のお土産として、地元の那覇空港で「ちんすこう」と「紅いもタルト」を買い込みました。

*ちんすこう :中華風の素朴なクッキー(餅干)
*紅いもタルト:沖縄の素材を使った洋風の生菓子

島袋さんは出張先の中国現地法人に着くなり、用意したお土産を関係者に配る準備を始めます。配布先は主に関連する2つのプロジェクトXとYのメンバー。なぜか、プロジェクトXには女性の中堅メンバーが多く含まれます。

島袋さんは、女性が多いプロジェクトXメンバーへのお土産として、紅いもタルトを配るつもりでした。女性には洋菓子がウケると踏んだからです。

ところが、1つ心配な点があります。

最近、業務多忙のプロジェクトXに増員がかかりました。7月から新たに新人と中途採用者が配属されており、メンバー総数は7名から9名に増えているはずです。

島袋さんが買ってきた紅いもタルトは8個入りです。先月までなら十分に足りていましたが、今月は不足する可能性があります。

島袋さんは安全策として、12個入りの「ちんすこう」をプロジェクトXへのお土産とすべきか悩みました。ちんすこうは、中華風の素朴なクッキー。一箱に梱包される数が多く、日持ちするので、お土産には最適です。ただし、一部の中国人は「ちんすこう」を嫌う可能性があることを知っています。

島袋さんはすぐに解決策を思いつきます。そんな悩みは、今から挨拶する直属上司の統括部長に聞けばいいじゃないか、と(笑)。

プロジェクトXとYを統括する部長さんは、島袋さんの質問に対して笑いながらこう答えました。

「まだ増員されていないから大丈夫ですよ。新人は研修しているし、
 中途採用は難しいですから。哈哈哈」

島袋さんは「おいおい、それはそれで、業務は大丈夫かよ」と心の中で苦笑します。

で、結局、紅いもタルトを、当初の予定通りプロジェクトXのメンバーに配りました。


・・・後日談。


帰国日の前夜、島袋さんの送別会の席で、プロジェクトXの女性管理者が島袋さんにこっそり耳打ちしました。

女 私は島袋さんが持ってきたお土産を食べていません。
島 なぜですか?

女 リーダーの葉さんが「島袋さんのお土産は美味しくないので、あなたは食べない方がいい」と言ったからです。
島 ええーー(涙)

女 葉さんったら酷いですね。中国人は正直だから許してください。
島 はい(ショボン)

飲み会の席ではこのまま話は流れましたが、後日、島袋さんは大事な事に気づきました。

たとえ味覚が異なる中国人であっても、あの「紅いもタルト」が不味いわけがない。洋風の生菓子だし、1つずつ梱包されて見た目も悪くない。いったいなぜリーダーの葉さんは「美味しくないのであなたは食べない方がいい」と言ったのだろうか?

■ 問いかけ

<問1>今号の<事例2>に含まれる中国固有の事情を全て列挙しなさい。

<問2>島袋さんの疑問に答えなさい。

いったいなぜリーダーの葉さんは「美味しくないのであなたは食べない方がいい」と言ったのだろうか?

<問3>心優しい島袋さんが、二度と同じ過ちを繰り返さないよう暖かい助言を与えなさい。

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沖縄銘菓「ちんすこう」が嫌われた

お土産の話題は永遠に不滅です。今日は沖縄の銘菓「ちんすこう」が中国で嫌われた事件を紹介します。

ちんすこうとは、沖縄を代表するお土産です。ちなみに、本ブログ管理人は沖縄県出身の好青年です。

「名物に旨いものなし」と陰口が叩かれるように、実は日本でも「ちんすこう」の評判はあまりよくありません。

実際、かつての私は本土向けのお土産として「ちんすこう」を選ぶなんて絶対にありませんでした。なぜなら、当の本人がちんすこうに全く魅力を感じなかったからです。ときどき、本土在住の沖縄出身者のために「ちんすこう」を買ってあげるくらいでした。

ところが最近は品質改善されてきました。チョコレートコーティングされたもの、地元特産の塩を付与したもの、紅芋味のものなど、古臭いイメージのちんすこうも徐々に変わりつつあります。

ここ数年、私は自信を持って「ちんすこう」をお土産として購入するようになりました。オフショア大學の調べによると、チョコ系が売れ筋です。私は、チョコ系だけではなく、いろいろな味が混合梱包されたセット商品を好んで選びます。

<事例1> ある日、中国人若手スタッフとの食事会に呼ばれた私は、いろいろな味が混合梱包されたちんすこうセットを持参しました。食事会場に着くなり、「はい、これは沖縄からのお土産です」と若手スタッフに配ろうとしました。なお、この日のスタッフは、ほぼ全員が日本語を話せません。

最初の一人は「私は干餅(クッキー)は苦手です」と言ってちんすこうを完全スルーしました。二人目も同様。三人目は「私は甘いモノは好きではありません」と言って申し訳なさそうに、四人目にちんすこうを回します。

さすがに四人目は素直にちんすこうを受け取りましたが、ひとカケラを口にするなり「甘すぎる!」と苦笑い。

私の心の叫び:
「えっ、こいつらは食事中にコーラや炭酸水をがぶがぶ飲むのに、お菓子の甘さはダメなの??」

「プレーン味のちんすこうが甘すぎるとは、これ如何に!?」


<事例2>
後日紹介・・・(あまりに悲しすぎる事件なので紹介しないかも)

■ 問いかけ

<問1>中国人若手スタッフに、沖縄銘菓「ちんすこう」が嫌われた理由を分析しなさい。

<問2>今号の事例1から、中国ビジネス初心者向けに教訓を作りなさい。

※なお参考までに、沖縄銘菓「ちんすこう」の特徴を以下の通りとします

・見た目も包装も地味なお菓子
・洋菓子ではなく和菓子系
・いや、和菓子系というよりもむしろ中華風菓子
・そんなに甘くない、他の和菓子と同様

お土産の話題は「あなたの中国理解度チェック」でも扱います!

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標準プロセスを守らなくてもよい

オフショア関係者を悩ます永遠の課題「標準プロセス」について。突然ですが、以下の設問に答えなさい。

以下の意見にあなたは賛成しますか?(Y/N)

標準プロセスをどこまで守るかは、経費や利益と直結するので、状況によって変わることがあると思います。

※発言主:オフショア大學受講生/中国人

「正式な標準プロセスでも、状況によっては守らなくてもいい」と という考え方は、日本を含む東アジア地域に幅広く分布します。
中国人だけではなく、日本人も標準プロセスや規則を平気で無視します。

例えば、日本人は、周囲の空気にあわせて平然と交通ルールを違反します。高速道路でのスピード違反や繁華街での駐車違反などがその典型例。

一方で、世界には「不利益を被ることが分かっていても、プロセスを100%守るべき」と考える文化があります。つまり、いったん標準プロセスを制定したら、後から状況が変化しても絶対に守るべきだと考える国民文化が存在します。

特に、悪名高き禁酒法やSOX法を作った米国人はその傾向が強く、誰かが公の場で「状況によってはプロセスを守らなくても良い」と発言したら、たいそう驚くことでしょう。

ところで、日本社会の一部には、杓子定規に規則を適用して、顧客や他部門に不利益を与える組織文化があります。プロセスや規則をかたくなに守りすぎると、かえって困ってしまいます。

中国人の標準プロセスに対する考え方は、以下の記事が参考になるでしょう。

標準プロセスが遵守されない理由
社用車の私的利用を禁じた上司の奥さんからの困った依頼

■ 問いかけ

以下の意見にあなたは賛成しますか?(Y/N)

標準プロセスをどこまで守るかは、経費や利益と直結するので、状況によって変わることがあると思います。

※発言主:オフショア大學受講生/中国人

<問1>平均的な中国人SEの回答を予想しなさい。
<問2>平均的な日本人SEの回答を予想しなさい。
<問3>平均的な西欧人ホワイトカラー職の回答を予想しなさい。
<問4>問1-3を踏まえて、中国オフショア開発における標準プロセス順守運動のスローガンを作りなさい。

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日本の理工学部生を叱咤激励する特別講義

先月、関東の某私立大学工学部で100名弱の学生相手に一コマみっちり講座しました。去年に引き続き、二度目の特別講義です。学生の興味はばらばらで、必ずしも情報系だけではなく機械系や環境技術系を先行する学生も多く受講してくれました。よって、必ずしもITの話題に偏らないよう注意しながら、下記内容で講義しました。

<特別講座の内容>
・技術者間の異文化間コミュニケーション
・中国オフショア開発の実態
・国際的に活躍したい就活生が伸ばすべき能力とその開発方法


先週、学生から講義への感想が届いたので、その一部を紹介します。

●日本と中国の品質基準の違いに驚き!

・品質がよいからといって、必ずしも売れるわけではないことに驚いた。魅力的品質がないといけない。

・日本の品質が一番優れていると今まで思っていたが、様々な側面から見ることによって考え方が違うことがわかりとても驚いた。

・無理してまで過剰に品質を上げる必要がないという若干の安心感が得られました。

・日本人は一発モノを作るだけではなく、長く使う/運用する点でグローバルで付加価値が高い。

・「不具合の少ない製品が必ずしも良い製品とは限らない」などは、日本の常識では考えられず技術者にとって見逃せない視点だ。

・ゼロからモノを作ることはどの国でもできるが、それを何十年も保守運用していくことは日本最大の強みである、との言葉が印象的だった。

・非常に安価でそれなりに品質が保たれる外国製品が日本に進出しており、日本企業や労働者は苦しんでいる。だが、決して日本人が不要になったのではないということを自分自身で自覚する必要があると感じた。


●中国には35歳以上の現役SEがいないことに衝撃!

・「職人」の捉え方が違い過ぎて驚いた。

・今まで何度も見たグラフでも、データと比べると見え方が変わってきて面白かった。

・中国等の海外の技術者と日本の技術者との相違点を挙げられて、日本人技術者の人材事情に一瞬不安を覚えた。でも、日本人技術者は製品企画・開発のより責任のあるポジションにつくことができるという講師の言葉から、自分に自身が持てた。

・中国人は上昇志向が強く、長く現場に留まる人は少ない。開発ではなく保守運用こそが日本の利点、という話は大変参考になった。新技術ばかりに意識が向いていたが、機械の知識を活かしたSEという選択肢もよく検討したい。


●中国人の転職事情は日本と全く違う!

・中国では正社員というよりも契約社員であることに驚いた。

・日本は転職するほど生涯賃金が下がる → 転職が怖い


●信頼関係の違い「個人として相手国コミュニティに飛び込む」

・ラーメン屋の話が興味深かった。味は天下一品だが店長の愛想が悪いお店は中国では評価されないらしい。ラーメン一筋ウン十年の頑固親父は、中国では負け犬のように感じられるらしい。私はラーメンが美味しければそれでいいと思っていたので、この話を聞いて文化の違いを感じた。

・自分が所属するバンドが解散したら、それ以降、同期との交流が全くなくなってしまいました。日本の組織は擬似家族である、との話にすごく納得。サークル活動中は家族のように親しくしていても、組織の解散と同時にその関係も終了してしまう。個人で人脈を作ることの重要性を感じた。


●国際的に活躍したい就活生が伸ばすべき能力を今すぐ向上させる

・日本人の私の考え方と、中国など外国人の考え方が根本的に違っていることを知った。相手の考え方は違うという前提で、相手を理解することが大切だと思った。就職活動がこれから始まる中、自分が身に着けておいたほうが良いことがまだまだたくさんあると思ったので、これから頑張っていこうという気持ちになった。

・日本のことしか考えない場合、この先やっていけないと感じた。

・AbilityとCompetencyを混同していたけど明確に区別することで、就活の自己PRで役立つと思いました。

・英語を勉強することは「当たり前」だということを実感。

・コミュニケーションを取る前に、相手国の文化と行動や思考の習慣を理解しておく必要があると思います。また、自己主張する前に、まず一度相手の立場で物事を考えることも大切ではないかと思いました。

・講義中に「こういう特別講座で前に座る人、積極的に質問する人の方が生涯賃金が高い傾向にある」という話を聞いて、外を見る前に内を1つ1つ省みることが大切だと思わされた。

・質問をする、講義は前の方に座る、といったコンピテンシーを今のうちから鍛えておきたいと感じた。発言内容がどうこうではなく、その行動を取ることが大事である。できるだけアクションを起こすべきである。

■ 問いかけ

<問1>上記の中で、本誌発行人の心を震わせたた学生コメントはどれでしょうか。ベスト3を選びなさい。

<問2>あなたも、日本人の理工系大学生向けに特別講義することになりました。新興国との熾烈な競争が避けられない若い日本人技術者の卵を前向きに叱咤激励したい。あなたは、どのように講演しますか。マスコミや識者からの受け売りではなく、自分の言葉で特別講義を組み立てなさい。

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