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日本の理工学部生を叱咤激励する特別講義

先月、関東の某私立大学工学部で100名弱の学生相手に一コマみっちり講座しました。去年に引き続き、二度目の特別講義です。学生の興味はばらばらで、必ずしも情報系だけではなく機械系や環境技術系を先行する学生も多く受講してくれました。よって、必ずしもITの話題に偏らないよう注意しながら、下記内容で講義しました。

<特別講座の内容>
・技術者間の異文化間コミュニケーション
・中国オフショア開発の実態
・国際的に活躍したい就活生が伸ばすべき能力とその開発方法


先週、学生から講義への感想が届いたので、その一部を紹介します。

●日本と中国の品質基準の違いに驚き!

・品質がよいからといって、必ずしも売れるわけではないことに驚いた。魅力的品質がないといけない。

・日本の品質が一番優れていると今まで思っていたが、様々な側面から見ることによって考え方が違うことがわかりとても驚いた。

・無理してまで過剰に品質を上げる必要がないという若干の安心感が得られました。

・日本人は一発モノを作るだけではなく、長く使う/運用する点でグローバルで付加価値が高い。

・「不具合の少ない製品が必ずしも良い製品とは限らない」などは、日本の常識では考えられず技術者にとって見逃せない視点だ。

・ゼロからモノを作ることはどの国でもできるが、それを何十年も保守運用していくことは日本最大の強みである、との言葉が印象的だった。

・非常に安価でそれなりに品質が保たれる外国製品が日本に進出しており、日本企業や労働者は苦しんでいる。だが、決して日本人が不要になったのではないということを自分自身で自覚する必要があると感じた。


●中国には35歳以上の現役SEがいないことに衝撃!

・「職人」の捉え方が違い過ぎて驚いた。

・今まで何度も見たグラフでも、データと比べると見え方が変わってきて面白かった。

・中国等の海外の技術者と日本の技術者との相違点を挙げられて、日本人技術者の人材事情に一瞬不安を覚えた。でも、日本人技術者は製品企画・開発のより責任のあるポジションにつくことができるという講師の言葉から、自分に自身が持てた。

・中国人は上昇志向が強く、長く現場に留まる人は少ない。開発ではなく保守運用こそが日本の利点、という話は大変参考になった。新技術ばかりに意識が向いていたが、機械の知識を活かしたSEという選択肢もよく検討したい。


●中国人の転職事情は日本と全く違う!

・中国では正社員というよりも契約社員であることに驚いた。

・日本は転職するほど生涯賃金が下がる → 転職が怖い


●信頼関係の違い「個人として相手国コミュニティに飛び込む」

・ラーメン屋の話が興味深かった。味は天下一品だが店長の愛想が悪いお店は中国では評価されないらしい。ラーメン一筋ウン十年の頑固親父は、中国では負け犬のように感じられるらしい。私はラーメンが美味しければそれでいいと思っていたので、この話を聞いて文化の違いを感じた。

・自分が所属するバンドが解散したら、それ以降、同期との交流が全くなくなってしまいました。日本の組織は擬似家族である、との話にすごく納得。サークル活動中は家族のように親しくしていても、組織の解散と同時にその関係も終了してしまう。個人で人脈を作ることの重要性を感じた。


●国際的に活躍したい就活生が伸ばすべき能力を今すぐ向上させる

・日本人の私の考え方と、中国など外国人の考え方が根本的に違っていることを知った。相手の考え方は違うという前提で、相手を理解することが大切だと思った。就職活動がこれから始まる中、自分が身に着けておいたほうが良いことがまだまだたくさんあると思ったので、これから頑張っていこうという気持ちになった。

・日本のことしか考えない場合、この先やっていけないと感じた。

・AbilityとCompetencyを混同していたけど明確に区別することで、就活の自己PRで役立つと思いました。

・英語を勉強することは「当たり前」だということを実感。

・コミュニケーションを取る前に、相手国の文化と行動や思考の習慣を理解しておく必要があると思います。また、自己主張する前に、まず一度相手の立場で物事を考えることも大切ではないかと思いました。

・講義中に「こういう特別講座で前に座る人、積極的に質問する人の方が生涯賃金が高い傾向にある」という話を聞いて、外を見る前に内を1つ1つ省みることが大切だと思わされた。

・質問をする、講義は前の方に座る、といったコンピテンシーを今のうちから鍛えておきたいと感じた。発言内容がどうこうではなく、その行動を取ることが大事である。できるだけアクションを起こすべきである。

■ 問いかけ

<問1>上記の中で、本誌発行人の心を震わせたた学生コメントはどれでしょうか。ベスト3を選びなさい。

<問2>あなたも、日本人の理工系大学生向けに特別講義することになりました。新興国との熾烈な競争が避けられない若い日本人技術者の卵を前向きに叱咤激励したい。あなたは、どのように講演しますか。マスコミや識者からの受け売りではなく、自分の言葉で特別講義を組み立てなさい。

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