マーケティング指導例:いいものを作ったら「売れる」?
今年は、中国人SE相手にマーケティングの知識講座と実践指導をする機会が増えました。なぜなら、対日オフショア受託企業であっても、これからは中国市場開拓が重要な経営課題となるからです。
彼らは、政府要人相手のコテコテ営業技法は肌感覚で知っています。ところが、それ以前に考えるべき戦略・商品開発・アフターサービス・長期的投資回収といった一連プロセスに関する体系的知識を持っていません。ソフトウェア技術者(SE)なんて、日本でも同様ですが。
中国オフショア委託先では、教科書暗記型の一方通行授業はほとんど通用しません。そのため、オフショア大學では、中国人SEが関心を持ちそうな事例をふんだんに用いながら、マーケティングの重要概念を伝えるよう工夫しています。
一部の日本人は、中国人は全員がギラギラした海千山千の商売人だと思っています。ところが、意外なことに、中国人SEのマーケティング感覚は日本人SEと変わらないくらい「純粋」です。
例えば、いいものを作ったら「売れる」と勘違いするSEの割合は、日本と中国では大差ないような気がします。
オフショア大學では、見込み客への接触手段や商品展開力を図解分析することで、単純なネット営業や人脈営業に頼りがちな中国人SEのマーケティング感覚を研ぎ澄まします。
●中国人SE向け初級クイズ
(1) 最も接触しやすい対象顧客は誰ですか?
・大型サーバー買い替え客
・中国市場に進出したい日本の中規模企業
・個人情報保護の対策を急ぐ客
※いいモノを作っても、見込み客に接触できなければ売れないことを実感させる
(2) Apple社iPad と 日本製某タブレット の商品展開力の違いは?
・水平展開の観点
・垂直展開の観点
※儲けが膨らむ相乗効果の仕組みを理解させる。いいモノを作っても、相乗効果がないと儲からないことを実感させる。
●中国人SE向け中級クイズ
(3) トヨタ自動車は中国市場で販売が低迷しています。その原因を価格戦略の観点から分析しなさい。
・製品ラインナップと価格帯の関係
・価格弾力性(Price Elasticity)
※小型車の価格弾力性は敏感。一方、大型車の価格弾力性は鈍感。トヨタは価格弾力性を読み違えた恐れあり。
こんな感じのクイズを次々と出題しながら、中国人SEに米国MBAで学ぶマーケティングの基礎知識を体系的に学習させます。最終的には、中国市場にあった独自の中華風マーケティング戦略を構築するのが目標です。
●中国人SE向け上級クイズ
・・・<問3>へ
■ 問いかけ
<問1>中国オフショア委託先では、教科書暗記型の一方通行授業はほとんど通用しません。この意見に同意しますか?(Y/N) 日本企業の社内教育と比較しなさい。
<問2>いいものを作ったら「売れる」と勘違いするSEの割合は、日本と中国では異なりますか?
<問3>中国人SE向け上級クイズに挑戦しよう!
あなたは王老吉のマーケティング担当者です。中東地域で王老吉を売るプロモーション戦略を考えなさい。
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