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ミャンマー訪問記「学生の囲い込み手段いろいろ」

日本に限らず多くのオフショア委託国(中・越・印・比・緬)では、企業が優秀な学生を囲い込むために苦労を重ねています。

今のところ、ミャンマーの日系オフショア企業だけは「買い手」市場ですが、いずれは他国と同様に人材採用難に陥るでしょう。それが、1年先なのか5年先なのかは分かりませんが。

よくある学生の囲い込み手段:

・企業による奨学金
・競合よりも一足早い採用活動
・大学に企業冠の授業や研究室を設ける
・大学に自社製品を大量配布して学生に馴染んでもらう

ちなみに、私が暮らす中国江蘇省某所では、10月国慶節連休前にもかかわらず、既に来年度新卒者の採用活動が始まっています。

人事担当者によると、採用活動の開始時期は年々早まっているとのこと。そういえば、去年2012年は、国慶節休み明けに採用活動に着手していたと記憶しています。ただし、その時には「遅すぎたー」と担当者が半泣きしていました。

■ 問いかけ

<問1>オフショア委託国の卒業月と入学月をそれぞれ答えなさい。
 中・越・印・比・緬

<問2>オフショア委託国の就職活動解禁日をそれぞれ答えなさい。

<問3>オフショア委託国で、最もよくある効果的な学生囲い込み手段は何ですか? 有効順に3つ挙げなさい。

<問4>ミャンマーでは、学生の囲い込みを狙った企業による奨学金制度はあまり効果的ではありません。一体なぜでしょうか?

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ミャンマー訪問記「珍問・日本人マナーの由来」

日系企業で働く多くのミャンマー人SEは「日本人は礼儀正しい」と感じているようです。これは、ミャンマーに先行進出した日本企業の先人たちが築き上げた信頼に他なりません。誠にありがとうございます。

具体的には次のようなコメントがありました。

・日本人は年齢に関係なく互いを尊重する
・ビジネスだけでなくビジネス以外でも、日本人は時と場合に応じた振る舞いができる
・日本語は丁寧な表現法がいろいろある。ビルマ語はもっと単純。

■ 問いかけ

<問1>オフショア大學講義中にミャンマー人SEから次のような面白い質問を受けました。

【質問】日本人はマナーがよく、ルールをよく守ります。これは、幼いろからの成長過程で身につけたものですか、それとも、会社勤めした後に教えてもらったことですか?

あなたなら、どう答えますか?


<問2>思ったことをはっきり口にするのは日本人か? それともミャンマー人か? ミャンマーはどう考えているかを予想しなさい。

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ミャンマー訪問記「現地企業のSEは頻繁に転職する」

先日の「転職しやすさの国別比較」で、日系企業で働くミャンマー人SEはあまり流動しないと書きました。

上記を文面通りに解釈すれば、2013夏時点では正しい情報です。ですが「日系企業で働く」を見逃すと誤解する恐れがあるので、以下の通り補足説明します。

関係者の証言によると、ミャンマー現地企業で働くミャンマー人SEの流動率は決して低くありません。むしろ中国人並みと言っていいほど、高い人材流動に悩まされているそうです。

なぜでしょうか。

以下の参考情報をもとに、なぜミャンマー人SEが激しく流動するのかを論理展開を組み立ててみましょう。


参考情報(1)

現在ミャンマーでSEを雇用する現地企業といえば、金融機関や通信業といった大手が中心です。もしかしたら、民間よりも国営企業の勢力の方が強いかもしれません(要確認)。


参考情報(2)

元気一杯のミャンマー人技術者(ソフトウェア以外も含む)は、祖国で2-3年働くとすぐに海外に出稼ぎに行きます。なぜなら、海外では10倍以上の給与が簡単に手に入るからです。


参考情報(3)

海外に出稼ぎに行ったミャンマー人技術者の多くは、数年で祖国に戻ります。調査不足ゆえその原因を断言できませんが、関係者の証言によると、例えば、出稼ぎ国の外国人労働者年齢制限に引っかかったり、ミャンマーで待つ家族の元にいち早く戻りたい、などの理由が挙げられます。


参考情報(4)

ミャンマーに戻った元出稼ぎ技術者は、海外と祖国の埋められない給与格差になかなか我慢できません。頭では理解していても、感情が邪魔をするのです。


参考情報(5)

現在のミャンマーでは、海外で蓄積した技術・経験を活かせる高級人材への求人は限られています。当然ながら、海外出稼ぎ時と同等な給与額が保証される職場なんて、まず考えられません。

■ 問いかけ

<問1>2013年現在、海外で出稼ぎ労働するミャンマー人技術者(ソフトウェア以外も含む)の数を予想しなさい。

<問2>かつて海外出稼ぎ労働の経験があり、現在はミャンマーで働く技術者の総数を予想しなさい。

<問3>日系企業で働くミャンマー人SEはあまり流動しない一方、現地企業で働くミャンマー人SEは中国人並みに流動(転職)すると言います。一体なぜでしょうか?

<問4>近い将来、日系企業で働くミャンマー人SEの流動性が高まると仮定します。その理由を論理的に説明しなさい。

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ミャンマー訪問記「大学生の技術力」

先月、ヤンゴン市内の日系企業でミャンマー人Software技術者に社内講義しました。

今日はミャンマー人SEの技術力を考察します。

ヤンゴン市内に進出した日系オフショア企業2社によると、2013年夏の時点、ヤンゴンでは求人数よりも求職者の方が多い「買い手」市場です。つまり、今のところヤンゴンは、簡単にIT技術者を採用できる環境だと言えます。来年2014年の動向は不明ですが。

中国・インド・ベトナム・他のオフショア委託国と同様に、ミャンマーでも、SE求人はほぼ情報系出身の大卒者に限ります。文系出身のSEが現場で実力発揮する日本市場とはまるで違います。


ミャンマーの情報系大学教育の水準を他国と比較してみましょう。

ミャンマーの大学事情を理解するには、近代の少数民族問題と内戦の歴史について触れないといけません。ただし本誌では、詳細な説明を割愛します。ミャンマーの近代歴史&政治動向に興味ある方は、後述する参考文献をご覧ください。


・ミャンマーの大学教育は大きく後退

軍事政権が長く続くミャンマーでは、学生の政治活動を抑制するため、大学の発展をあえて否定し続けました。2012年まで、学生の集結を避けるため大学は3年制を採用し、キャンパスも全国に分散させました。飛躍的な経済発展が期待される2013年には、幸いにも5年制に制度変更されました。今後も、ミャンマーの大学教育改革が期待されます。

中国でも、文化大革命期には大学が弾圧されました。参考までに。


・学生1人にコンピュター1台・・・、すら実現されなかった

欧米企業がこぞって製品提供する中国の大学とは対照的に、ミャンマーではつい最近まで情報系学部にすら学生が学ぶまともなコンピュータ設備は備わっていませんでした。よって、プログラミング授業も座学が中心。現在、日系オフショア企業で働く主力部隊は、大学時代に実機を用いた訓練をほとんど受けていません。


・情報系大学卒業者は年間○○千名

毎年、ミャンマーの大学からIT技術者の卵が一定量供給されますが、就職先が限られるため、企業による買い手市場が続いています。


・女子学生が圧倒的に多い

学生の8割が女性だと言われるミャンマー。高校卒業前に全国統一的な試験を受けて、点数の高い順番に自分が志望する大学に入学します。医学系と外語系が人気で、もちろん、最近は情報系学部も人気急上昇中。ほんの数年前まで、情報系学生の9割は女性だと言われましたが、最近は男女比○:○(女性=○%)とのこと。

中国やベトナムとは全く異なる状況です。


・実践不足を補い、就職を有利にするIT専門学校が台頭

中国と同様な状況です。ミャンマーでは、そもそも、一部の幸運な孤児院出身者を除いて、富裕層の子供だけが大学に通えます。そのため、子供の就職を有利にするために、親がIT専門学校に通う学費を払います。

ベトナムとは異なり「昼は会社勤め、夜は通学」の社会人学生は少ない模様。中国にも、以前から社会人向けビジネススクール(MBA)に通うSEは大勢います。

参考資料
ミャンマー大使館Webサイト (英語)
・松下英樹(2013)、新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由 、講談社
・宮本雄二(2012)、激変ミャンマーを読み解く、東京書籍
・みずほ総合研究所(2013)、全解説ミャンマー経済―実力とリスクを見抜く、日本経済新聞出版社
・地球の歩き方集室(2012)、D24 地球の歩き方 ミャンマー 2013~2014 改訂第16版、ダイヤモンド社

■ 問いかけ

以下のミャンマー大学事情について答えなさい。

<問1>情報系学部の授業は何語で実施されるか?

<問2>直近の情報系大学卒業者を予想しなさい。年間○○名?

<問3>最近の情報系学生の男女比率を予想しなさい。

<問4>ミャンマーでは、最大の経済都市ヤンゴンに情報系学生が集中している(Y/N)

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 参加人数:400名(予定)
 主 催:ベトナムソフトウェア・IT協会(VINASA)/日越IT協力クラブ(VJC)

<Japan ICT Week 2013 同時開催イベント>------------------------------------

◆10月23日(水)
 ・Japan ICT Day (ベトナム国家政策、事例などベトナムICTの全貌が分かる)
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◆10月24日(木)
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◆10月23日(水)-10月24日(木)
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 Japan ICT Week 2013 の詳細はコチラ・・・・・ http://vj-ictweek.com/
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【お問い合わせ】 Japan ICT Week 運営事務局(株式会社ピーク・ワン内)
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 電話:03-6273-1566 FAX:03-6273-1009  Eメール:info@vj-ictweek.com
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ミャンマー訪問記「転職しやすさの国別比較」

先月、ヤンゴン市内の日系企業でミャンマー人Software技術者に社内講義しました。

【ミャンマーの都合の悪い噂】
(a)ミャンマー人は集団作業が苦手、自発的なチームワークは期待薄
(b)ミャンマーでは仕事の後に「一杯飲む」習慣がない
(c)今でも頻繁に停電する
(d)意外に流動するミャンマー人労働者


今日は上記(d)を解説します。2013年8月現在、日系企業で働くミャンマー人SEの転職率は低いそうです。主な理由は2つ考えられます。

1つ目は、有力な転職先が少ないから。
2つ目は、多くのSEは他社で即戦力となるほど成熟していないから。


一方、Software技術者以外のミャンマー人労働者に目を向けてみると、また違った面が浮かび上がります。

実は、今でもヤンゴン市内の飲食店やサービス業で働く低賃金労働者は、頻繁に転職を繰り返すそうです。さらに、低賃金労働者だけではなく、マネージャー層も子飼いの部下を引き連れて、集団離職する事例が相次いでいます。

同時期に集団離職とまでは行かなくても、先に転職した親分が、後から各所に散らばった昔の仲間や部下を引き抜くなんて日常茶飯事。求職活動する幹部候補者が「私を採用すれば、すぐに○○と○○で業務経験のある仲間を連れてきます。だから私を好待遇で雇うべきだ」と採用面接で訴えてくるのです。

というわけで、今日のまとめ。

2013年現在、日系企業で働くミャンマー人SEはあまり流動しません。ですが、今後も人材流動が小さい前提で組織運営するのは危険です。特に有名な欧米企業が進出してSEを大量採用しだした場合は、すぐに赤信号が灯ると思って間違いないでしょう。

実際、ヤンゴンに無数にある飲食店やサービス業では、どこでもそれなりの人材流動があります。優秀な人はすぐに独立開業するし、失敗したら、またどこかで雇ってもらえばいいのですから(※)。

※社会保障制度が未成熟な国や地域では、雇用されるのも独立開業するのも、身分保障に大差ありません。

■ 問いかけ

<問1>都市部の飲食店やサービス業で働く低賃金労働者を想定します。中国人の離職しやすさ度数を100とした場合、ミャンマー人のそれは何点くらいだと思いますか? ついでに、ベトナム、フィリピン、日本も点数化しなさい。

<問2>都市部の中国人が「お金」を理由に転職する度合いを100とした場合、ミャンマー人のそれは何点くらいだと思いますか? ついでに、ベトナム、フィリピン、日本も点数化しなさい。


追伸。

私のミャンマー初訪問は2013年8月。なのに、なぜ私は 専門外の人材流動について詳しいのでしょうか。実はオフショア大學がヤンゴン市内でとあるサービス事業立ち上げに深く関わっているからです。事務所の確保から幹部採用、従業員採用(田舎からバスで調達、従業員寮も自前整備)、そして、人材教育まで、すべての事業立ち上げプロセスに関与しています。

先週までに20名のミャンマー人を採用したばかりなのに、早くも4-5名の流出を覚悟せねばいけない状態に。若いミャンマー人従業員(女子)が親元を離れて暮らすのは、こちらの想像以上に大変なことのようです。映画「三丁目の夕日」の世界観とは全く違う現実がミャンマーにはあります。

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ミャンマー訪問記「もしミャンマー人SEが離職するなら」

先月、ヤンゴン市内の日系企業でミャンマー人Software技術者に社内講義しました。今号も、ミャンマー実地調査で気づいた点を紹介します。

【ミャンマーの都合の悪い噂】

(a)ミャンマー人は集団作業が苦手、自発的なチームワークは期待薄
(b)ミャンマーでは仕事の後に「一杯飲む」習慣がない
(c)今でも頻繁に停電する
(d)意外に流動するミャンマー人労働者


今日は上記(d)を解説します。

先に「流動しない」Software技術者について考察します。後日、流動するミャンマー人労働者について言及します。

2013年8月現在、複数の関係者によると、日系企業で働くミャンマー人SEの転職率は低いそうです。主な理由は2つ考えられます。

1つ目は、有力な転職先が少ないから。

特に日系企業は、新卒採用して自社の社風に染め上げる採用方針を好むから。少し頭をひねると、英語力を活かして欧米企業に転職する選択が考えられます。ところが実際には、長年に渡る経済制裁の影響からか、SEを大量採用する米国企業のミャンマー進出は確認されていません。


2つ目は、多くのSEは他社で即戦力となるほど成熟していないから。

主力である25歳以下のSEは、学生時代に実機によるSoftware開発の訓練をまともに受けていません。よって、残念ながら、同世代の中国人SE(21歳~25歳)と比べて、基礎的な開発経験不足は否めません。

中国の大学では、世界中の有名企業がこぞって自社製品を寄贈(安価に提供)して、学生の囲い込みに躍起になっています。よって、中国人学生は、日本の社会人SEと比べて勝るとも劣らないほど業界標準的なSoftware製品に馴染んでいます。Microsoft、IBM、Oracle/Sunはその代表格。

以前の最悪期と比べて、きちんと使用料を払って正規版Softwareを使う中国企業も増えています。

成長過程におけるこのような環境の違いが、中国の若手SEとミャンマー人SEの経験の差を生み出しています。その結果、幸か不幸か、よく転職する中国人SEと、あまり転職しないミャンマー人SEという違いも生じています。

■ 問いかけ

<問1>ヤンゴンで働く一般的なSEが離職するとしたら、どのような理由が考えられますか?

<問2>今後、もし、ミャンマー人SEの離職率が高まるとしたら、どのような環境変化が影響すると思いますか?

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ミャンマー訪問記「今でも頻繁に停電する」

先月、ヤンゴン市内の日系企業でミャンマー人Software技術者に社内講義しました。今号も、ミャンマー実地調査で気づいた点を紹介します。

【ミャンマーの都合の悪い噂】

(a)ミャンマー人は集団作業が苦手、自発的なチームワークは期待薄
(b)ミャンマーでは仕事の後に「一杯飲む」習慣がない
(c)今でも頻繁に停電する
(d)意外に流動するミャンマー人労働者


今日は上記(c)を解説します。

ヤンゴンのソフトウェアパークで社内研修中、突然、複数回の停電に見舞われました。ノートPCにはバッテリーが標準装備されているためデータ破壊やHDD障害などの問題はありませんでしたが、MS-Pointスライドを投影するPCプロジェクターはその都度プツンと切れてしまいました。

2005年、私がベトナムを訪問した際も、Software企業内で同様な停電が複数回ありましたが、周囲は「停電など珍しい」という顔つきでした。

一方、今年8月のヤンゴンで停電が発生した際、周囲は「やれやれ、またか」と苦笑いを浮かべつつ、誰も慌てる素振りを見せませんでした。

ちなみに研修講師の私も、さも慣れた感じで表情を変えず「では復旧するまで、手元の資料の○ページを開いて、演習問題に取り組んでください」と状況に応じた指示を出しました。

でも内心はドキドキです。「おいコラ、このままMS-Pointスライドが投影されなきゃどうする。40名の受講生に対して、どうすれば効果的に授業できるか?」。頭の中は、最悪の状況を想定した対策検討でフル回転です。


ミャンマーの電力供給は主に水力発電に頼っています。そのため、水が豊富な雨季は比較的に電力事情は安定します。反対に、乾季になると頻繁に停電が発生するそうです。

ちなみに、私たちが訪問した8月上旬は「雨季の終わり頃」。つまり、電力供給は比較的マシな時期だったにもかかわらず、しかも、企業が集積するソフトウェアパーク内の建物であったにもかかわらず、停電が頻発したわけです。

■ 問いかけ ■

以下の状況を読んで、後の設問に答えなさい。


ヤンゴン日系企業での社内研修で、日本品質(Japan Quality)への理解を深めるために、オフショア大學講師はミャンマー人受講生に、わざと意地悪な質問を投げかけました。

「なぜ、ミャンマーでは何度も停電しますか?」

すると、ある受講生が笑いながらこう応えました。

「ミャンマーでは仕方がないことです・・・」


予想通りの反応が返ってきてオフショア大學講師は笑みを浮かべます。次に予め想定していた二番目のコメントを投げかけました。

「オフショア業務でこのような反応をすると、お客様に叱られます。先ほど説明した( a )からも容易に推測できますね。さて、一体どう回答すればいいでしょうか?」

ミャンマー人受講生一同「・・・・・・」

オフショア大學講師「(   b   )」


<問1>上記会話の( a )を埋めなさい。日本製品の高品質を保証する品質コントール活動が入ります。

<問2>上記の会話で、オフショア大學講師がミャンマー人受講生に伝えたかった日本品質に関する教訓は何でしょうか?

<問3>問2を踏まえて、もしあなたが研修講師なら、上記会話の( b )でどのように助言しますか? 自由に発想して答えなさい。

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ミャンマー訪問記「仕事の後に一杯飲む習慣がない」

先月、ヤンゴン市内の日系企業でミャンマー人Software技術者に社内講義しました。今日も、ミャンマー実地調査で気づいた点を紹介します。

ミャンマー訪問の参考情報:

残業する?しない?
講義中によく笑う
あなたは英語を話せますか?

2013年、日本では一種のミャンマーブームが到来しています。そのため、一部ではミャンマーが過剰評価されているフシがあります。換言すれば、中国や東南アジア諸国で嫌な目にあった人々によってミャンマーが美化され過ぎているような気がします。

さて、以下はオフショア大學の取材で得られたミャンマーの特徴です。日本人にとって「都合の良い」噂と「都合の悪い」噂の両方を列挙しました。

ただし「都合が良い」=善、「都合が悪い」=悪、と単純に二元論で文化的相違を認知してしまうと危険です。

さらに、これらの情報を100%と正しいと仮定して鵜呑みにするのも避けてください。あくまも、2013年8-9月、本誌発行人がごく限られた人脈や参考文献から入手した情報を、作為的に抽出して列挙しただけに過ぎないので。


【ミャンマーの都合の良い噂】

・ミャンマー人は親日的である
・ミャンマーの人件費は安い
・ミャンマー人は仏教徒なので温和な性格
・ミャンマー人は英語がうまい
・ミャンマー人は勤勉である
・ミャンマー人は中国人ほど転職しない
・ミャンマーのインフラはどんどん整備されて発展する
・ミャンマー人はお金よりもやり甲斐や職場環境を優先する
・ミャンマー語は日本語に似ている


【ミャンマーの都合の悪い噂】

(a)ミャンマー人は集団作業が苦手、自発的なチームワークは期待薄
(b)ミャンマーでは仕事の後に「一杯飲む」習慣がない
(c)今でも頻繁に停電する。
(d)意外に流動するミャンマー人労働者


今日は上記(a)(b)を解説します。

(a)ミャンマー人は集団作業が苦手、自発的なチームワークは期待薄

未確認情報ではありますが、ミャンマーの学校教育では、スポーツを扱う機会が少ないそうだ。ましてや団体競技、団体戦は稀。上座部仏教が主流であることも影響しているか。


(b)ミャンマーでは仕事の後に「一杯飲む」習慣がない

若手中心のミャンマー企業では、中国的な感覚で「飲んで仲良くなる習慣」は期待できない。特に女性は早く家に帰る必要がある。年齢に関係なくミャンマー家庭では、常に親が子供をコントロールしがち。会社都合より家庭や親の都合を優先しがち。


上記(a)(b)から容易に推測されること:

20代半ばの若い女性技術者が大半を占めるミャンマーオフショア開発では、日本的商習慣では美徳ともされる集団による自発的な残業対応や、「乾杯」「カンペイ」で酒を酌み交わす飲みニケーションは期待できない。

■ 問いかけ ■

<問1>あなたは、以下の主張に同意しますか?(Y/N)
ミャンマーオフショア開発では、日本的商習慣では美徳とされる集団による自発的な残業対応や、「乾杯」「カンペイ」で酒を酌み交わす飲みニケーションは期待できない。

<問2>問1の主張が正しいと仮定します。これからミャンマーを活用したいオフショア発注側にとって、どのような障害が待ち受けますか?

<問3>問1-2の主張が正しいと仮定します。これからミャンマーを活用したいオフショア発注側は、どう対処すべきですか?

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ミャンマー訪問記「残業する?しない?」

先月、ヤンゴン市内の日系企業でミャンマー人Software技術者に社内講義しました。ミャンマー訪問の参考情報は以下の通り。

講義中によく笑う
あなたは英語を話せますか?

2013年、日本では一種のミャンマーブームが到来しています。そのため、一部ではミャンマーが過剰評価されているフシがあります。換言すれば、中国や東南アジア諸国で嫌な目にあった人々によってミャンマーが美化され過ぎているような気がします。

■ 問いかけ

<問1>ミャンマー人SEの残業対応力を、日本人SE/中国人SE/ベトナム人SEと比較しなさい。まず、残業対応しやすい順に並べて、主観評価で構わないのでそれぞれの残業対応力を数値化しなさい。


<問2>以下の日本人とミャンマー人の会話を分析しなさい。

日本人は残業大好きです。放っておけば皆遅くまで働くので、会社が残業禁止日を規定するほどです・・・。オフショア大學講師が苦笑いしながらミャンマー人に日本的商習慣を解説しました。すると、一人のミャンマー人が反応しました:
緬「ミャンマー人も時々会社に残ります。土曜日も会社に出ます」
日「一体どういうこと?」

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ミャンマー訪問記「講義中によく笑う」

先月、ヤンゴン市内の日系企業でミャンマー人Software技術者に社内講義しました。私は、以前、日本で日本語が流暢なミャンマー人SEと交流したことはありますが、現地で数十名のミャンマー人SE集団と交流するのは初めての経験。

ベトナム/ハノイの散策風景

今日も、ミャンマー人SE向け社内研修で気づいた点を紹介します。

ミャンマー人受講生は、私の講義中によく笑いました。中国でも、私の受講生はよく笑い、大きな声を発しますが、ミャンマー人の雰囲気は中国人のそれとは若干、異なります。

ミャンマーでの体験は、私がフィリピン企業で社内研修した時の感覚に似ています。両国のSE集団に共通するのは、南国特有の大らかな人柄、宗教が生活に深く根づいていること、社内は母語・英語・日本語の三言語が飛び交っていること。

両国SE集団の大きな違いは、男女比率、中堅層の平均年齢、日本経験者数、など。

ミャンマー社内研修終了後に、複数の関係者からミャンマー人SEの特徴についてヒアリングしました。大勢が口を揃えて話した事項を一部、まとめます。

・ミャンマーのソフトウェア技術者は富裕層の子供達
・お金を稼ぐことよりも、環境優先で職場を選ぶ傾向あり
・女性技術者が多い
・職場も学校と同じように、仲間とワイワイ楽しく過ごしたい
・日本から厳しい要求は少ないため、学生気分が抜けない


■ 問いかけ

<問1>オフショア大學講義中、ミャンマー人受講生がよく笑う理由を予想しなさい。

<問2>以下のミャンマーとフィリピンの違いを詳細説明しなさい。
・男女比率、中堅層の平均年齢、日本経験者数、など。

<問3>ミャンマー人SE気質「お金を稼ぐことよりも、環境優先で職場を選ぶ傾向あり」を裏付ける根拠をいくつか挙げなさい。

<問4>ミャンマー人SE気質「お金を稼ぐことよりも、環境優先で職場を選ぶ傾向あり」はあくまでも一時的な現象であり、将来は中国人と同様に「金儲け」や「発展」を優先するようになると仮定します。この仮定を裏付ける根拠をいくつか挙げなさい。

<問5>今号の内容が全て正しいと仮定します。ミャンマー人SEと中国人SEの決定的な違いを予想しなさい。

<問6>上記の問いかけを踏まえて、これからミャンマー進出してオフショア拠点を立ち上げようとする日本企業に助言しなさい。

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