ミャンマー訪問記「今でも頻繁に停電する」
先月、ヤンゴン市内の日系企業でミャンマー人Software技術者に社内講義しました。今号も、ミャンマー実地調査で気づいた点を紹介します。
【ミャンマーの都合の悪い噂】
(a)ミャンマー人は集団作業が苦手、自発的なチームワークは期待薄
(b)ミャンマーでは仕事の後に「一杯飲む」習慣がない
(c)今でも頻繁に停電する
(d)意外に流動するミャンマー人労働者
今日は上記(c)を解説します。
ヤンゴンのソフトウェアパークで社内研修中、突然、複数回の停電に見舞われました。ノートPCにはバッテリーが標準装備されているためデータ破壊やHDD障害などの問題はありませんでしたが、MS-Pointスライドを投影するPCプロジェクターはその都度プツンと切れてしまいました。
2005年、私がベトナムを訪問した際も、Software企業内で同様な停電が複数回ありましたが、周囲は「停電など珍しい」という顔つきでした。
一方、今年8月のヤンゴンで停電が発生した際、周囲は「やれやれ、またか」と苦笑いを浮かべつつ、誰も慌てる素振りを見せませんでした。
ちなみに研修講師の私も、さも慣れた感じで表情を変えず「では復旧するまで、手元の資料の○ページを開いて、演習問題に取り組んでください」と状況に応じた指示を出しました。
でも内心はドキドキです。「おいコラ、このままMS-Pointスライドが投影されなきゃどうする。40名の受講生に対して、どうすれば効果的に授業できるか?」。頭の中は、最悪の状況を想定した対策検討でフル回転です。
ミャンマーの電力供給は主に水力発電に頼っています。そのため、水が豊富な雨季は比較的に電力事情は安定します。反対に、乾季になると頻繁に停電が発生するそうです。
ちなみに、私たちが訪問した8月上旬は「雨季の終わり頃」。つまり、電力供給は比較的マシな時期だったにもかかわらず、しかも、企業が集積するソフトウェアパーク内の建物であったにもかかわらず、停電が頻発したわけです。
■ 問いかけ ■
以下の状況を読んで、後の設問に答えなさい。
ヤンゴン日系企業での社内研修で、日本品質(Japan Quality)への理解を深めるために、オフショア大學講師はミャンマー人受講生に、わざと意地悪な質問を投げかけました。
「なぜ、ミャンマーでは何度も停電しますか?」
すると、ある受講生が笑いながらこう応えました。
「ミャンマーでは仕方がないことです・・・」
予想通りの反応が返ってきてオフショア大學講師は笑みを浮かべます。次に予め想定していた二番目のコメントを投げかけました。
「オフショア業務でこのような反応をすると、お客様に叱られます。先ほど説明した( a )からも容易に推測できますね。さて、一体どう回答すればいいでしょうか?」
ミャンマー人受講生一同「・・・・・・」
オフショア大學講師「( b )」
<問1>上記会話の( a )を埋めなさい。日本製品の高品質を保証する品質コントール活動が入ります。
<問2>上記の会話で、オフショア大學講師がミャンマー人受講生に伝えたかった日本品質に関する教訓は何でしょうか?
<問3>問2を踏まえて、もしあなたが研修講師なら、上記会話の( b )でどのように助言しますか? 自由に発想して答えなさい。
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