« February 2014 | Main | April 2014 »

「取りこぼし=負け」と直訳

先日、日本語能力N1の中国人スタッフから日本側が作成した報告書に関する質問を受けました。そのQ&Aを再現します。

(中=中国  私=ブログ管理人)

中「取りこぼし とはどういう意味でしょうか?」

私「一般には 取り+こぼし です」

(と身振り手振りで「取りこぼし」をイメージ解説する私)

中「うーーん、よく分かりません」

私「この単語だけでは即答できない。状況を教えて」

中「システム障害分析なんですけど・・・」

(よくわからないので、該当箇所の前後文章を斜め読み)

私「どうやら、エラー情報の取得漏れのようだね」

中「辞書を引いたら“負け”とあったので混乱しました」

私「なるほど確かに。辞書の第一項目にはそう載ってるけど、文脈で判断できるのでは?」

中「直前の説明もちゃんと読みましたが、理解できませんでした」

(更に別の問題箇所を探し出す)

中「“刈り取られた”とはどういう意味でしょうか?」

(一緒に説明を読んだが確かによくわからないので、添付のソースファイルに目を通す)

私「どうやら、ある関数内で発生したエラー情報が、呼び出し元関数に適切に伝達されていないようだね。この現象をエラー情報が刈り取られた、と表現したのか・・・。なるほど」

中「せっかく日本側から文書による分析結果を頂いたのに、結局はソースコードを解析しないと理解できないのですね」

私「全くですね」


■ 問いかけ

<問1>上記事例に限らず、ソフトウェア開発現場ではよく「取りこぼし」が使われます。ところが、日本語能力N1の中国人にとっても、この表現は理解しにくいらしい。有効な対策を講じなさい。

・メッセージ/シグナル/イベントの取りこぼし
・データの取りこぼし


<問2>上記事例では、なぜ「刈り取り」という不自然な日本語が使われたのでしょうか。その理由を予想しなさい。


<問3>問2の答えを踏まえて、有効な対策を講じなさい。

| | Comments (0)

微妙な距離感を醸し出す“that”

突然ですが、問いかけ。

あなたは、オフショア先から、現地テストを再現するために必要なデータを送付してもらいたい。過去に何度もメールで指示したけど、オフショア先から見当違いのデータばかり送付されてきた。この度、ようやくあなたが欲しいデータが入手できそうな予感。

以下の状況において、(a)と(b)の意味の違いを述べなさい。

(a) This is the data which I wanted to analyze.
(b) This is the data that I wanted to analyze.


上記を単なる暗記問題と考えるか、それとも Global English の根幹をなす重要知識と考えるかは、あなた次第です。答えを今すぐ知りたい人は、以下を読み飛ばして、問いかけまでお進みください。

              ※

今月末の公開講座において、オフショア大学英語講師は「that のコアは Global English の根幹をなす重要知識」との立場で十分に時間を割いて説明してくれるでしょう。講座では、このような会話が予想されます。


講師「that の意味は何ですか?」

A「アレ、ソレ?」
B「this が手前のコレ、that は向こうのソレ」
C「関係代名詞でも使えます」
D「who, whom, or which に置き換え可能」
E「他にもいろいろ辞書に載ってますよ」


講師「例えば、次の電話口での決まり文句。手前のコレだから Y の主語は this ですか? なぜ it じゃないの? 同様になぜ that ではダメなのでしょうか?」

X: May I ask who's calling?
Y: This is ◯◯ speaking. (◯◯=話し手の名前)

ABCDE「うーーん」


講師「受験英語では、辞書に載る機能を全て丸暗記させられましたが、Global English では that のコアを理解すればOK。一つのコアを展開して、複数の機能を説明します。

that のコアは微妙に遠くにある距離感です。物理的な距離もあれば、抽象的な距離もあります。

this と that の違いは、距離が近いか遠いか。それが転じて、具体的か抽象的かの違いにもなるし、時には、(自分を間近に感じで)興奮か(自分から距離を置く感じで)冷静かの違いをもたらすこともあります」


■ 問いかけ

<問1>シェークスピアの下記有名な台詞では、なぜ“this is the question”じゃないのか? 意味の違いを分析しなさい。

 To be or not to be, that is the question.
 「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」


<問2>that のコアを意識して、電話でよくある次の会話の this と that の違いをあなたの言葉で述べなさい。


X: May I ask who's calling? どちら様でしょうか?
Y: This is Higa speaking.  比嘉です。

X: .....................?  先日もお電話があったようですが
Y: That was our call.    それは、弊社からのご連絡です。

※上記英文は必ずしも「自然」な表現ではありませんが、学習意図を強調するためにあえて単純化しました。ご了承ください。


<問3>以下の状況において、(a)と(b)の意味の違いを述べなさい。

あなたは、オフショア先から、現地テストを再現するために必要なデータが送付してもらいたい。過去に何度もメールで指示したけど、オフショア先から見当違いのデータばかり送付されてきた。この度、ようやくあなたが欲しいデータが入手できそうな予感。

(a) This is the data which I wanted to analyze.
(b) This is the data that I wanted to analyze.

| | Comments (0)

« February 2014 | Main | April 2014 »