パートナー選定基準-規模と言語
オフショア大學受講生との質疑応答より。
(Q. 受講生 A. オフショア大學講師)
Q.新たなオフショアパートナーを見つける際のCheckpoints(例えば、数社比較を行い評価するノウハウ)があればご教示頂きたい。
A.オフショアパートナー選びの第一歩は「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」の徹底分析です。自社/パートナー/競合に関して知るべき細かい要素が、ご質問にあるCheckpointsに相当します。
・会社の規模感
強い成長欲求を持つ多くの海外オフショア委託先は、自社よりも格上の顧客と取引したいと望みます。その反面、自社よりも格下の顧客相手には、露骨に対応優先度を下げることがあります。分かりやすいのは、キーパーソンの引き抜き、営業トークと実態の著しい乖離、など。
・委託ソフトウェアの規模感
委託する規模に見合ったオフショア先を選定しましょう。いくつかの日系企業は、安心感から規模に見合わない大手オフショア委託先を選択しますが、長い目で見てうまくいくはずがありません。
・交流言語
委託元が、どれだけ日本語にこだわるか否か。オフショア開発であっても「日本と全く同じ」を理想とするなら、日本支社を有し、日本人ブリッジSEを活用するオフショア委託先を選定するほうが無難でしょう。一部のベトナム企業は、完璧な日本語対応を謳い文句にしますが、実際に「中国と同等」な日本語能力水準を期待すると、お値段も中国並に高くなります。
公式文書は日本語、日常のコミュニケーションは英語、との併用が可能なら、オフショア委託先の選択肢はグッと広がります。特に、優秀なリーダー/ブリッジSEを確保しづらい小規模プロジェクトでは、ちょっと背伸びして「英語交流」に挑戦していただきたく。
以下の分析項目については後日、議論します。
・社風/企業文化
・技術/分野/ツール
・発注量と継続性
・オフショア以外の事業拡張性
■ 問いかけ
<問1>海外のオフショア委託先が、顧客である日本企業を格付けする基準を述べなさい。
<問2>安心感から自社の規模に見合わない大手オフショア委託先を選択する日系企業は少なくないが、長い目でうまくいかない理由を分析しなさい。
<問3>オフショア委託先との交流言語を日本語に一本化しないメリットとデメリットをそれぞれ分析しなさい。
<問4>ちょっと背伸びして、オフショア委託先と英語交流するメリットとデメリットをそれぞれ分析しなさい。
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