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悪意なき「問題なし」への異文化視点対策

オフショア大學受講生との質疑応答より。
(Q. 受講生 A. オフショア大學講師)


Q.中国人は嘘つきというのではなく、悪意がないのに進捗などで「問題なし」と報告することに対して、どのようにガードをかければよいでしょうか?


A.二つの側面から対策するとよいでしょう。

1つ目は、国民文化に依存しない純粋なマネジメント視点での対策
2つ目は、中国文化を考慮した異文化コミュニケーション視点での対策。

前号の続き

今日は、2つ目の対策について。

中国文化を考慮した異文化コミュニケーション視点での対策ですが、性善説を前提とするプロジェクトの進捗会議では、そこまで気を使う必要はありません。

2つ目の対策が必要な局面は以下の通りです。

・価格交渉や納期交渉など厳しい衝突が懸念される場面
・海千山千の経営層や政府筋のワガママ連中を相手にする局面
・「報連相」の相談がとても重要な局面

ここでも、書店に山積みされる中国ビジネス書に載る知識や技法が大いに役立ちます。単純ながら効果絶大の技を1つ紹介します。


・用語を厳密に定義

×問題ありますか?
◯問題(problem)、リスク(risk)、課題(challenge)をそれぞれ教えてください。

「問題があるか」と問われたら、人はつい嘘を付いてしまいます。あるいは「いまは遅れているけど残業すれば挽回可能」と自分勝手に解釈して、「問題なし」と根拠なき自信で笑顔を振りまきます。一般の中国人リーダーが無邪気に振いがちな悪癖です。なぜなら、中国ビジネス慣習では、それが好ましい態度だからです。

ところが、問題とリスク、挑戦課題を明確に定義すれば、面子を重んじる中国人技術者であっても、安心して事実を報告できるようになります。

いささか理想主義かもしれませんが、進捗報告の際に以下のような発言が中国人リーダーから引き出せるようになるはずです。

「今は大きな問題はありません。小さい問題はありますが中国側で対処可能です。ご心配なく。ただし、◯◯についてはリスクがあるので日本側のご支援をいただけませんか。◯◯については、挑戦課題として事前に中国側で先行調査したいと思います」

用語定義する際には、相手は大学を卒業したばかりの新米リーダー候補と見なして、丁寧に説明するとよいでしょう。権威に弱い中国人には、PMBOK のリスクマネジメントを引用した説明がより効果的です。できれば、会社のためではなく「あなた個人」の成長のために私はわざわざ時間を割いてあげる、との態度を醸し出すと教育効果は倍増します。


■ 問いかけ

<問1>「問題なし」と根拠なき自信で笑顔を振りまくのが中国ビジネス慣習では好ましい態度である。同意しますか?(Y/N)

<問2>中国人は権威に弱い。オフショア開発分野に限定しても、この主張は成り立ちますか?(Y/N)

<問3>権威に弱い中国人の特徴を利用して、いかにも日本的な「報連相」を若手中心のオフショア現場に根付かせる方法を検討しなさい。

<問4>中国には、ごくまれに進捗会議中の「問題ありますか」を ProblemではなくQuestionと誤解するリーダーがいます。いったい、なぜでしょうか。


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