翻訳しにくい日本語文例
今日も、以下のクイズからスタートします。
【クイズ】一般に、下記命題は正しいですか?(真or偽)
中国人は欧米人と似ていて個人主義だから、仕事とprivate を分けなければいけない。ここでは、大卒以上の学歴を持つ中国人技術者に限定します。
締切:2014年08月04日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/
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【答】偽(純粋な論理学の観点より)
この命題の結論が正しいかどうかは不問とします。ここでは、あくまでも、純粋な論理学の観点から「偽」と判定します。
ある日本語の参考書では、上記命題が「偽」である根拠として、「論理思考の判断の根拠として用いられる一般原則(法則や習慣)が事実に対して適用されないから」と解説されていました。
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さて、今日は「外国語に翻訳しにくい日本語」の観点から話を展開します。
先日、中国でも上記命題を用いた論理思考講座を実施しました。
私は、日本語で「論理思考の判断の根拠として用いられる一般原則が事実に対して適用されないから」と説明しました。すると、日本での滞在経験が豊富な中国人スタッフ(日本語能力N1)から、
「この説明は二種類の可能性があります。◯◯という意味ですか? それとも◯◯という意味ですか?」
と指摘を受けました。
私は、一瞬、論理思考の理解度が不十分なのではないかと疑いました。ところが、このスタッフの指摘によく耳を傾けると、どうやら私の日本語に原因があるのだと確信しました。
■ 問いかけ
<問1>中国人技術者に対して、「論理思考の判断根拠として用いられる一般原則が事実に対して適用されないから」と日本語で説明したところ、彼らは一瞬戸惑いました。
なぜなら、この日本語をうまく中国語訳できなかったからです。具体的に、どの部分が中国語に直訳しづらかったのでしょうか。
例文「判断根拠となる一般原則が事実に対して適用されない」のどの部分が中国語訳しづらかったのか?
(a) 判断根拠となる
(b) 一般原則
(c) 事実
(d) 適用されない
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