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用語「課題」を外部要因と内部要因とで区別する習慣

私は語学教育の専門家ではありませんが、オフショア大學が主催する各種講座では「外国語に翻訳しやすい日本語」を書くよう受講者に強く訴えかけます。

○単純な技法

主語を書く
・具体的な動詞を書く
文章を短く区切る
言葉を厳密に定義する


○抽象的だが重要な原理原則

・先に「状況設定」して後から話す/書く
論理的に書く

○語学依存の豆知識

・中国語と日本語の同形異義語に気をつけろ
カタカナ和製英語と本物の英語の違いに気をつけろ
・言語によって時制(tense)や相(aspect)の表現法は違う

オフショア開発では、異文化コミュニケーションの基本原則としてよく知られる「行間を読めない」「空気を読めない」ことを前提に日本語運用することが求められます。


■ 問いかけ

<問1>あなたは、海外オフショア委託先との定例進捗会議で、いつもと同じように最新の「課題」を報告するよう求めました。ところが、いつもと同じように、海外オフショア委託先からは、適当にお茶を濁した回答しか得られません。

例えば「いくつか小さい課題はありますが、これらはすべてこちら対応可能です。よって、今日は特に報告はありません」など。

本文の箇条書きを参考にして、対策を講じなさい。


■本日の問いかけのHints:

<問1>日本語「課題」が外国語に直訳できない多義的な概念であることに留意せよ。

・言葉を厳密に定義する
・カタカナ和製英語と本物の英語の違いに気をつけろ

オフショア企業を推進するある日本企業では、「課題」を様々なリス要因だと認識していて、外部要因と内部要因とに大別している。一方、この会社のオフショア委託先では、外部要因を"issue" と呼び、内部要因を状況に応じて "cause" や "challenge" と呼んでいる。このように「課題」は多義的な用語である。

・中国語と日本語の同形異義語に気をつけろ

「課題」や「問題」は中国語にも存在する。よって、進捗会議等で、これらを機械的に翻訳すると、前出の理由からコミュニケーション齟齬をきたす恐れがある。ちなみに、中国語「問題」には、problemと question の2つの意味があり、文脈によって判断するしかない。同様に、英語 "question" にも、質問と出題の2つの意味があるのはご存知の通り。


※参考過去記事
オフショア保守担当者を悩ませる4つの課題
仕様会議で外国語による質疑応答が盛り上がったらどうする
仕様の四課題と効果的な打ち手の提言
悪意なき「問題なし」へのマネジメント視点対策


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