真面目で職人肌の技術者にありがちな日本人英語
オフショア委託先の成果物をレビューして外国人技術者にフィードバックする際には、細心の注意が必要です。
これまでは「日本語」でオフショア委託先と交流する機会が多かった日本人ですが、今後は英語を併用する機会が増えます。
レビュー等で厳しい姿勢で問題指摘する際、日本語と英語では次のような違いが生じます。
・日本語
→敬語を使って相手の面子を潰さぬよう配慮
・英語
→意図的に褒め言葉やポジティブ表現を使って相手の面子に配慮
実は、日本語として適切に敬語が用いられた正しい指摘であっても、オフショア委託先に正しく伝わるとは限りません。むしろ、下手な英語の方がオフショア委託先に正しく伝わることがあります。
<例>「オフショア側による報告書に問題あり」を指摘したい
・日本語
→先日ご提出いただいた報告書につきましては、◯◯の箇所が若干理解し難いとお客様から指摘されました。・・・
・英語(日本語訳)
→(急いで報告書を仕上げてくれてありがとう。全体の構成はよいですが、細部に改善の余地があります・・・)
以下、いささか極端な事例ではありますが、日本人英語にありがちな不適切表現とより好ましい表現を紹介します。
・真面目で職人肌の技術者にありがちな日本人英語:
Your report looks terrible.
(あなたの報告書はひどい)
・より好ましい表現:
Your report has some room for improvement.
(あなたの報告書には改善の余地がある)
■ 問いかけ
<問1>上記の日本語による問題指摘のリスクを分析しなさい。
<問2>上記の日本語と英語(日本語訳)の違いを分析しなさい。
<問3>1つの問題を日本語と英語でそれぞれ指摘しようとする際、なぜ言語によって表現方法が異なるのでしょうか?
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